アミノ酸ラセミ化年代測定法
PCが予め知ってていい情報
追加情報
- 「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。
- 小辞典版推奨判定
- 「分析+知性 目標値8〜10」「歴史+知性 目標値10〜12」「情報+知性 目標値10〜12」
- 簡単な情報 (シナリオによっては、ゲーム前ブリーフィングでプレイヤーに伝えるGM裁量をしてもいいかもしれない)
- 「アミノ酸ラセミ化年代測定法」は、生体起原の出土遺物や生物の残存物(remain、遺存体)を対象にした分析法。生体に含まれていたアミノ酸に、生命活動終了後に起きる「ラセミ化」という化学変化を利用して年代を測定する。
- 年代測定の適性範囲は、分析するアミノ酸の種類や遺物の埋蔵環境に左右されるが、概ね数千年前から数百万年前までが妥当に分析できる範囲になる。
- アミノ酸のラセミ化測定で年代を特定するには、既に年代が特定されている指標サンプルが、比較のために必要となる。指標サンプルは、年代測定をする試料と同じ埋蔵環境から出土したもので、同種のアミノ酸を含んでいなくてはならない。
- 指標サンプルとの比較で年代を特定していくのが、本来のアミノ酸ラセミ化年代測定法だ。例えば、すでに過去に研究の蓄積が充分にある貝塚からの出土遺物の分析などが最適。
- アミノ酸ラセミ化年代測定法で、遺物の年代を特定できる発掘地は、実はあまり多くない。全く新しい発掘地からの出土遺物分析に用いても、はじめは参考指標程度にしかならない。
- 小辞典版推奨判定
- 「分析+知性 目標値10〜12」「歴史+知性 目標値12〜14」
- やや詳しい情報
- 「アミノ酸ラセミ化年代測定法」の応用手法として、「アミノ酸ラセミ層序法」と呼ばれる年代推定法もある。こちらは、自然科学的分析をベースにした層序分析手法。
- 「アミノ酸ラセミ層序法」では、継続的な堆積が見られる地点で、同種の生物起原の遺物が多い場合に、サンプル相互のラセミ化比率を比較することで、遺物の成層関係を整理していく。
- 例えば、長期間使用された貝塚遺跡で、出土した貝殻の内、同種の物の成層関係を整理する。こうして分析された貝塚の堆積層の整理から、さらに出土遺物の相対的な前後関係を整理する尺度を編むこともできる。
- アミノ酸層序法では、普通は、特定種の貝化石に含まれるアミノ酸の一種、アロイソイシンのラセミ化比率が調べられることが多い。更新世の海成段丘相互の対比などでも有効な手法とされている。
- 小辞典版推奨判定
- 「分析+知性 目標値12〜14」
- 詳しい情報
- 生物の細胞に含まれるアミノ酸分子は、ごく一部の例外を除いてL型と呼ばれる立体構造を持つ。
- L型アミノ酸を鏡に映したような対象形の立体構造を持つアミノ酸がD型と呼ばれる。例えば、細菌細胞壁に含まれるアミノ酸が、例外的なD型として知られる。また、アミノ酸の一種であるグリシンには、L型とD型の区別はない。
- 骨や貝類に含まれていたL型アミノ酸は、生命活動の終了後、時間経過とともにD型への化学変化が生じる。この変化が「ラセミ化」。
- ラセミ化は最終的には、L型/D型の比率が1:1(等量)になって均衡する。この性質を利用し、L型/D型の比率から生体起原の遺物が経過した年代を測定する。
GM向け参考情報
- GM向けの補足情報、マスタリング・チップス、アイデア・フックなど。
「年代測定法」の項を参照されたし。⇒ 年代測定法
キーワード:
参照:[+αのワールド用語]