メロエの遺跡
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メロエの遺跡は、祭祀用の小さな祠堂が併設されたメロエ式ピラミッド?など、王宮関連の宗教遺構、多数が遺っていることで知られる。地域では古代クシュ王国の王都が数世紀営まれ、後、メロエ王国?の王都も営まれた。
おそらく、最も至近のアクセス・ポイントは、遺跡地帯の概ね南西に位置する基幹鉄路の地方駅(Kabushiya station)だろう。遺跡は、スーダンの首都、ハルトゥーム市からだと、概ね北東に位置し、地図上の直線距離で200kmほどになっている。
遺跡地帯は、西縁がナイル流域から500m離れたあたりから、東に1.5kmほどの範囲に広がっている。ほぼ沙漠化した乾燥地(と、想定)。南側に、流水もあるワディ(涸谷)(Wadi Hawas)が刻まれ、河口部がナイルに開いている。周辺には、少数の集落(村)が散在。
- 【参照地図】
メロエ王国の都は、エチオピア高原?で営まれたアクスム王国?の侵攻を受けて、滅ぼされた。遺跡地帯からは、王名が刻まれていないアクスムの碑文を刻んだ石碑が発掘されている。現在のところ、メロエの都が壊滅したのは、およそ330年前後のいつか、と推定されている。
さらに詳しい情報
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メロエの遺跡の現代的で科学的な考古調査は、現在までのところ、短期間で限定された範囲のものが少数例しかおこなわれていない。スーダン共和国が独立して以来、断続してきた内戦や戦争などのためだ。
遺跡の存在が欧米に伝えられるようになったのは、19世紀のことで、はじめは地域に進んだ探検家や商人などによって伝えられた。
1834年にイタリア人の医師が、遺跡の狭い範囲で、宝探し的な調査をおこない、宝飾品の類を発掘。この時の出土品は、現在その概ねが、ドイツのベルリン?とミュンヘン市?とで収蔵されている。
1844年には、ドイツ人エジプト学者のカール・リヒャルト・レプシウス?(Karl Richard Lepsius)が、当時としては組織的な調査をおこない、遺構の平面図や外見スケッチを記した。
1902年〜1905年にかけて、コーンウォール出身の考古学者ウィリス・バッヂ?(E. A. Wallis Budge)が、当時のアングロ=エジプト政庁のバック・アップで、相当に組織だった調査を指揮した。
1910年頃にも、リヴァプール大学に属した調査団が、組織だった発掘調査をおこなった。
- メロエ遺跡の地域では、クシュ王国時代に先立ったナパタ朝時代?でも、重要な都市的集落が営まれていた。ナパタ朝から、メロエ王国まで、大まかにはB.C.800年頃からA.D.350年頃までの遺跡が層を成していることになる。
- 「メロエ」の王朝名、地名は、古代ローマ人が記した記録によるもので、メロエ朝自体の記録に拠れば、王朝は「メデェウィ(Medewi)」、あるいは「ベデェウィ(Bedewi)」と呼ばれていたようだ。
- 考古学的な調査によれば、地域では、中石器文化の集落が営まれていたことも確認されている。その後、メロエ王朝時代まで、断続的に町や都市が営まれたようだ。
- メロエ遺跡には、損傷程度が様々なメロエ式ピラミッドの遺構200内外が知られている。これらの遺構は、通例3グループに大別されている。
- メロエ遺跡に見られる古代文化は、時として、古代ベルベル系の民族と結びつけて論じられることもあるが定かでない。
- あるいは、遺跡地帯の古層から出土する新石器文化を、中石器時代のカプシ文化(Capsian culture)と関連付ける意見もあるが、議論は多い。
- 古代マケドニアのアレクサンドロス3世にまつわる伝説?によれば、アレクサンドロス自身が軍勢を率い、エジプトからメロエの都へ侵攻しようとした、と言う。(女王カンダケの物語)
古代エジプトに入ったアレクサンドロス3世が、ナイル川の水源を探査するための少数の部隊を派遣したことは確からしい。しかし、軍団をナイル上流に進めようとしたといった同時代の記録は、知られていない。
リンク
関連項目
- アクスム王国?
- クシュ王国
- 女王カンダケ,メロエの〜
- ナパタ朝?
- メロエ王国?
資料リンク
- Wikipedia英語版:Mero?
- MEROE(SUDAN,LOOKLEX)
- Wikimedia Commons:Meroe(メロエ関連のフリー・ファイル集アーガイブ)
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参照:[小辞典ワールド編] [遺跡] [カリマの町] [女王カンダケ,メロエの〜] [シェンディ] [アトバラ]