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ギルガメシュ叙事詩

『ギルガメシュ叙事詩』 (Epic of Gilgamesh)

PCが予め知ってていい情報

 『ギルガメシュ叙事詩』は、古代メソポタミアの有力文明に伝えられていた神話的な物語。ウルク?の王で、2/3が神、1/3が人間だったギルガメシュが主人公。

追加情報

小辞典版推奨判定
「歴史+知性 目標値10〜12」、「情報+知性 目標値12〜14」
やや詳しい情報 『ギルガメシュ叙事詩』は、普通、シュメール語?で記されていたギルガメシュに関する神話的物語(英雄詩)4編が、後代、アッカド系の言語で1編に編纂されたものを指す。現代の研究者による呼称である。
 ニネヴェ?から出土したアッシュル・バニパル文庫に含まれた11枚の書板によるアッシリア語?版が標準版として知られている。
 このアッシリア語版は、紀元前7世紀頃にそれ以前の古文書から写された写本。第1書板、第11書板以外に欠落箇所が少なくない。編纂された時期は、紀元前2千年紀の前半、と推定されている。

小辞典版推奨判定
「歴史+知性 目標値12〜14」、「情報+知性 目標値14以上」
詳しい情報 アッシュル・バニパル文庫は、19世紀半ばに発掘されたが、発掘から二十数年後、U.K.(連合王国)ブリティッシュ・ミュージアムに勤務していたジョージ・スミス?が「『ギルガメシュ叙事詩』には、『旧約聖書』(ユダヤ教聖典)にある『ノアの方舟』説話の原型となる物語が断片化して含まれている」との自説を公表した。
 当初この説は、激しい賛否の議論を招き、世間の注目を招いたが、結局ロンドンの新聞「デイリー・テレグラフ」がスミス説の真偽を確かめるための再調査に懸賞金をかけ、ジョージ・スミスは自説を証拠立てる粘土板の発掘に成功。これが1つのきっかけになり、古代メソポタミアの考古研究は、あらたな飛躍を迎えることになった。
小辞典版推奨判定
「歴史+知性 目標値12〜14」、「表現+知性 目標値14以上」
詳しい情報 アッシリア語と同じくアッカド語?系統の古バビロニア語版「叙事詩」は、一部が発見されているのみ。ちなみに、こちらの断片は、B.C.1800年頃のものと、より細かく年代が推定されている。
 アッカド語系統以外の言語では、フリル語?版の断片、ヒッタイト語?版の断片なども知られている。これらには、アッカド語版には見られないプロット展開も覗われる。
 『ギルガメシュ叙事詩』の元となった、シュメール語の詩4編とは、次の4作になる。
『ギルガメシュと生者の国』
『ギルガメシュと天の牛』
『ギルガメシュとエンキドゥと冥界』
『ギルガメシュと死』

GM向け参考情報

『ギルガメシュ叙事詩』の粗筋

第1、第2書板
 『ギルガメシュ叙事詩』の冒頭では、ギルガメシュが「はるかな道を歩んで、労苦を重ね、ついには安らぎを得た人」と語られている。
 2/3が神、1/3が人間だったウルク王ギルガメシュは、かつては暴君だった。ウルクの人々は、ギルガメシュの振る舞いを天空神アヌ神?に訴えた。アヌ神は、アルル女神にギルガメシュの敵対者を創るよう命じ、女神は粘土から野人エンキドゥを創る。
 「パンをどのように食べるかを知らず、ビールの飲み方を教えられていなかった」エンキドゥは、原野で野獣と共に暮らす。これを恐れた狩人がウルクから神殿聖娼を招く。神殿聖娼がエンキドゥと親しく交わると、それまで彼と共にいた野獣たちは去っていった。すでにエンキドゥの力は弱まり、逃げる野獣たちを追うこともできなかった。聖娼にウルクの話を聞かされたエンキドゥは、自分を都に連れていくよう頼む。
 ウルクで、星が自分目指して落ちてくる夢を見たギルガメシュは、母神ニンスン女神に夢解きを請い、敵対者が迫っている予兆だと告げられる。ギルガメシュは、聖娼と共にウルクの城門前にやって来たエンキドゥの前に立ちはだかり、組み打ちになる。戦いは長く続いたが、力を認め合った2人は、お互いを友とすることになる。
第3書板〜第5書板
 友となったギルガメシュとエンキドゥは、「杉の森の番人」怪物フンババ退治の遠征に向かうことにする。職人に大斧や剣を作らせた2人は出発する。(ここまでが第3、第4書板の粗筋だが、これらの書板には欠落箇所が多い)
 第5書板では、まず、ギルガメシュが自分が見た夢について語る(この夢は凶兆である)。杉の森に分け入ったギルガメシュとエンキドゥはフンババとと戦い、打ち倒す。2人は杉の木を切り倒しユーフラテス川へと持ち去る。
第6、第7書板
 ウルクに戻ったギルガメシュが身なりを整えると、その立派さを見初めたイシュタル女神に求婚される。ギルガメシュは、(タンムズ?など)イシュタル女神が愛しては見捨てた恋人たちのことを非難し、求婚を退ける。怒ったイシュタル女神は、父神である天空神アヌ?と母神アントゥム女神?とに天の牛をウルクに差し向けるよう請う。ギルガメシュとエンキドゥは、ウルクに差し向けられた天の牛を迎え撃ち、エンキドゥがこれを打ち倒す。神々は、エンキドゥのおこないを巡り会議を持つ。
 神々の会議の結果、神の呪い(神罰)として差し向けられた天の牛を倒したエンキドゥは病に倒れる。エンキドゥは、病の床で、彼をウルクに誘った聖娼を呪い、夢うつつに垣間見た冥界の様子を語る。病の床に12日間伏せった後、エンキドゥは死ぬ。
第8、第9書板
 第8書板は欠落箇所が多い。友の死を哀しむギルガメシュが、エンキドゥとの出会いや遠征などの思い出を語る。
 第9書板では、死を畏れるようになったギルガメシュが、1人永遠の生命を求める旅に出る。マーシュの山(双子の山)に至ったギルガメシュは、サソリ人間の守護する山のトンネルへ許しを得て入る。長い暗闇を抜けたギルガメシュは、宝玉の実を結ぶ樹木の茂る世界へ至る。
第10、第11書板
 さらに旅を続けるギルガメシュは、酒場の女主人であるシドゥリ女神に「永遠の生命など求めず、家族の元へ帰るよう」忠告を受ける(古バビロニア語版断片による)。
 ギルガメシュは冥界の川を渡り、ついに永遠の生命を授かった人物、ウトナピシュティム?の元にたどり着く。ウトナピシュティムとその妻は、古バビロニア版大洪水伝説?の主要キャラクター。第11書板では、シュメール版の伝説『アトラ・ハシース?』を下敷きにした大洪水伝説が語られる。
 ギルガメシュは、永遠の生命の秘密を得られぬまま、故郷に戻ることにする。失意のギルガメシュを憐れんだウトムナシュピティの妻が、海中にある若返りの草について教える。海に飛込み若返りの草を得たギルガメシュは帰途につく。ところが途上、ギルガメシュが泉で水浴びをしている間に蛇が草を食べ、若返りの力を身につけてしまう。ギルガメシュは失意の内にウルクへ帰還する。

活用や検討

活用

検討

  • 検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで)