ゴトランド島
- ゴトランド島 ゴトランドとう (Isle Of Gotland) 簡易版
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ゴトランド島は、スウェーデン本土領の東90kmほど、ラトヴィア共和国の西岸から130kmほどに位置。
東西53kmほど、南北125kmほど。面積、3,140平方kmほど。狭い海峡を挟んで島の北に位置するファロ島は、橋で結ばれている。西岸沿海のカールソ島など、近辺に2、3の小島もある。他に、ファロ島の北38kmとやや離れた海上には、ゴツカ・サンドン島があり、全島がスウェーデンの国立公園に指定されている。
ゴトランド島自体の地勢は、概ね平坦。海岸線に向かって緩い微傾斜を示す島内内陸部に、極低い丘陵地が断続。海岸線には、緩やかな傾斜地が多いが、断崖絶壁も目立つ。例外とも言える良港が、西岸の南北中ほどに位置する地域で、ヴィスビュー市?の港湾が位置する。
気候は、西岸海洋性気候で、高緯度の割には温和。年間を通じて降水を見る。
居住者の4割弱がヴィスビュー市に居住し、島内には森林が多く残っている。野生馬の群れが生息している地域もあり、保護されている。
ゴトランド島からは、ローマ帝国盛期の頃の硬貨や、装飾品などの遺物が多種多量に発掘されている。
おそらく、ヨーロッパが鉄器時代?に入った頃からバルティック海を介した東西交易の中継点だったのではないか、とも言われるが、交易中継点としての活用がいつ頃まで遡るかについては、定かでない。
確実なこととしては、ヴァイキングが盛んに航海活動をした時期の後期頃には、慣習的な交易市場としての条件が整ったように思われる。と、言うのは、10世紀頃には、出土するヨーロッパ各地の銀貨の量が急激に増えている ためだ。多くは、ヴァイキング航海者の物と思われる墓抗から、多種多彩な副葬品と共に出土。
11世紀になっても、出土する銀貨の量は減少せず、アングロ=サクソン系の貨幣、ゲルマン系の貨幣、アラビア貨幣などが見られる。バルティック海の一島に過ぎないゴトラント島だが、一説に、「スカンディナヴィア地域から出土する同時期の古銭の、少なく見積もっても半分ほどが、ゴトラント島から出土している」とすら言われる。
例えば、1970年代に唱えられた概算では、スカンディナヴィア地域の全域から出土したヴァイキング時代の古銭を20万枚ほどとして、ゴトラント島からは、アラブ硬貨4万枚、ゲルマン系硬貨3万8千枚、アングロ=サクソン系硬貨2万1千枚、計9万9千枚と言われた。
ゴトラント島に多数遺るヴァイキング石碑が、古くは5世紀頃の物が知られている。この頃の遺跡には、埋葬遺跡は見られても住居址が知られていない。文献記録に拠ると、9世紀始め頃には、島に築かれた集落に、遠距離交易の中継点として諸国に知られるようになっていたようだ。
島に、キリスト教の教会が建てられるようになったのは、12世紀半ば頃からなので、それまでには一般集落も成立していたと思われる。
13世紀に入ると、ゴトランド島は、勃興期のハンザ都市同盟に、重要な交易拠点として活用された。
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島の伝承を踏まえて、ゴトランド島が、ゲルマン系ゴート族?の、少なくとも一部となった集団の故地だ、とする説が古くからある。
この説は、疑問の余地があるが、完全否定されるまでには至っていない。
5世紀頃には、ヴァイキング航海士たちの往来が盛んだったことは、遺物などから確認されている。9世紀頃には、島の一集落「スリエストーヴ」の名が、諸国で知られ始めたようだ。スリエストーヴは、現在島にあるシュレズヴィヒの町のあたりにあった、と目されている。
スリエストーヴや後のヘゼビューは、アイスランドからアラビアにかけて、幾つかの文献に名が散見されているが、どうやら当時は、名のみ知られ、実態はあやふやな伝聞でしか知られていなかったようだ。
研究者の内には、「おそらく、遠浅の浜が多いゴトラント島は、ヴァイキング舟を操る北方人にのみ使われていた時期が長かったのだろう」とする説がある。
ゴトランド島現地で記された文書が豊富になる歴史時代は、12世紀頃からになる。一方、古銭などの出土遺物からは、12世紀まで、長ければ7世紀、短く見ても3世紀、島が、バルティック海と北海の間の、広くは、西ヨーロッパとオリエント?の間の、遠距離交易の中継点、商人たちの市場として機能していた様子がうかがわれる。
初期のハンザ同盟が、ゴトラント島を活用したのは、おそらく、長い歴史を持つ遠距離交易のネットワークや、ノウハウを利用したものだろう、と推測されている。
ゴトランド島の地質は、石灰岩を主に、堆積岩、砂岩なども多い。島域南部では、左岸が主。
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