カバルディノ=バルカリア共和国
- カバルディノ=バルカリア共和国 カバルディノ=バルカリアきょうわこく (Kabardino-Balkar Republic) 簡易版
- 簡易版です。気づいたとこの増補、改訂、優先に大歓迎。
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PCが予め知ってていい情報
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「カバルディノ=バルカリア共和国」はロシア連邦の連邦構成共和国の1つ。カフカス地方の北部(北カフカス地方)で、ロシア連邦の南連邦管区に属している。首都は、領域北西部の大カフカス山脈の山裾で、ナシリク川の左岸?(北西岸)に面しているナリチク?。
1991年、ソビエト連邦が消滅すると、旧連邦構成共和国からカバルディノ=バルカリア共和国として独立を宣言。1992年にロシア連邦構成共和国となる。2006年現在は、ロシア連邦の南連邦管区の管轄。
ロシア語による国名正称は「カバルヂーナ=バルカールスカヤ・リクプーブリカ」。ロシア語名通称は「カバルヂーナ=バルカーリヤ」。「カバルディノ=バルカリア・レパブリック(Kabardino-Balkaria repubilic)」が英語名正称で、英語通称は「カバルディノ=バルカリア」。(日本語では「カバルダ・バルカル共和国」)
北でスタヴロポリ地方に接している(この「地方」は、ロシア連邦の行政区の1種)。東はカラチャイ=チュルケス共和国の、西は北オセティア=アラニア共和国の領域。南では、大カフカス山脈の脊梁部を国境に、グルジア領の上スヴァネティ地方と接している
国土は、南西部で大カフカス山脈の北斜面を占めるバルカディアと、北東部で低地を占めるカバルディヤとに大別される。
1990年代に北カフカス地方?で展開されたチェチェン紛争?の結果、かなりのチェチェン難民が流入。2005年1月末には、首都ナリチク市内の住宅に立てこもったイスラム武装勢力が、連邦軍など治安部隊によって殺害される事件が起きた。
【参照地図】
- Map of Federal Okrugs
(連邦管区のクリッカブル・マップ)
Northern Caucasus Okrug Map
(“Northern Caucasus Okrug Map”とありますが、南連邦管区地図とみなしてもよさそうです。なぜか、イングーシ共和国の領域が表示されていないのが不審です。あるいは、地図製作年の関係か?)
(NTI) - The Republic of Kabardino-Balkaria(map.rin.ru)
(カバルディノ=バルカリア共和国周辺の略地図,Wikimedia Commons,オリジナル・データは PANONIAN氏作成)
やや詳しい情報
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カバルディノ=バルカリア共和国の領域は、およそ12,500平方km。
国土北部を東西に横切るテレク川の左岸(北岸)、北東部が平坦な低地(カルバディノ平地)。それ以外の部分は、大カフカス山脈に属す山地と、山地に連なる傾斜地。
領域南西部に、カフカス山脈中最高峰のエルブルス山(標高5,642m)が、カバルダ=バルカル共和国?との境界部に位置。山頂は概ね境界線上になっている。
(エルブルス山の南山麓は、グルジアの上スヴァネティ地方西部にも広がっている)
領域はさほど広くないが、100前後を数える湖沼を擁す。特に湖沼が多く散在しているのは、バクサン川?とマルカ川?とに挟まれた地域で、55ほどの湖沼が知られている。
環境は、大陸性気候で湿潤。ただし、高度に応じた差異が大きい。1月の平均気温は平野部で−4℃程度、山岳部で−10℃程度。7月の平均気温は平野部で+23℃ほど、山岳部で+4℃ほど。年間降水量は500mm〜2000mm。
平野部はステップ地帯および森林ステップ地帯に属すが、ほとんどが開拓されている。森林は全土の10分の1。土壌は平野部が黒土や暗色栗色土。大カフカスの傾斜地は山岳草地となる。
埋蔵資源は豊富で、モリブデン、タングステン、ボーキサイト、錫、亜鉛、石炭、白粘土を産す。
人口は、2002年の統計で、901,494人。内、カバルダ人48%強、バルカル人10%弱、ロシア系32%弱、ウクライナ系2%弱。
少数派としては、、他にオセット人、アルメニア人、チェチェン人?、韓国系住民など。
旧ソ連邦の崩壊と前後して、カバルディノ=バルカリア共和国も社会主義体制を廃すことになったが、他の旧ソ連構国同様、経済は混乱し低迷した。さらに、チェチェン紛争、オセティア・イングーシ紛争など、近隣の紛争は、ソ連時代地域にかなりの利益をもたらしていた観光産業への大打撃となった。2006年現在、9割とも言われる高い失業率が問題となっている。
地域の主要産業は、農牧業、機械工業、非鉄金属の採掘、及び、冶金業、金属加工、林業、木材加工業。観光業の分野では、カフカス山脈でのアルペンスキー、高山ハイキングや登山における主要地域としても知られる。
主要な1次産品は、小麦、トウモロコシ、キビの類、ヒマワリ、アサ、ブドウ、果実。畜産業では、ウシ、ヒツジ、ブタ、ニワトリが飼育される他、カバルジン種の良種馬も飼育されている。養蜂、養蚕業も営まれる。他に、ロシア連邦で生産されるミネラル・ウォーターの1割ほどを生産している。
1次産業と、食品加工業とを併せた、生産額は、地域の総生産額の4割ほどに及んでいる。
機械工業と冶金業、金属化鉱業を併せた生産額は、総生産額の26%ほど。
他に、木製彫刻品、宝飾品細工、金糸刺繍、絨毯製造の民族工芸も営まれる。
【参照地図】
さらに詳しい情報
- 「難易度がある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。
16世紀半ば頃まで、オスマン=トルコ帝国の支配下にあった地域は、1557年からモスクワ公国?の支配下に入り、次いで支配権が帝政ロシア?に引き継がれて保護国にされた。主に低地に居住していたカバルダ人?はロシア帝国の同盟者として振舞ったが、山地を生活圏にしていたチュルク系?のバルカル人?はしばし、ロシア人の支配に抵抗した。
18世紀、低地のカバルディアは短期間独立した後、1775年に帝政ロシアに併合された。山地のバルカリアは、1827年に併合された。
ロシア革命?の2月革命に際し、1917年〜1918年に地域は反共南東連盟の拠点となった。1921年にはバルカル人主体の山岳民自治共和国も連盟に加わった。しかし同年9月、ソヴィエト連邦が成立すると、間もなく地域は、カバルディノ自治州と定められた。この名称はしばらく後に、カバルディノ=バルカリア自治州に改められ、1936年にカバルディノ=バルカリア・ソヴィエト社会主義共和国に昇格した。
1944年、バルカル人は、対独協力をおこなった、との疑惑が唱えられ、スターリンの命で集団強制移住させる措置がとられた。カバルディノ=バルカリア・ソヴィエト社会主義共和国は、カルバディア・ソヴィエト社会主義自治共和国に改称したが、1957年にバルカル人の帰還が許されると、旧称に復した。
GM向け参考情報
【参照地図】
- Map of Federal Okrugs
(連邦管区のクリッカブル・マップ)
Northern Caucasus Okrug Map
(“Northern Caucasus Okrug Map”とありますが、南連邦管区地図とみなしてもよさそうです。なぜか、イングーシ共和国の領域が表示されていないのが不審です。あるいは、地図製作年の関係か?)
(NTI)
基礎データ
- 目標値8〜10程度の簡単な判定で、PCが知ってることにして構わないでしょう。場合によってはプレイヤーに事前提示しても可
- 面積
- およそ12,500平方km
- 面積対比
- U.K.(連合王国)の5%強。日本国の3%強 。
- 人口
- 901,494人 (2002年)
- 人口対比
- 対比する統計の準拠年度が異なるため、あくまで目安として
- U.K.の1.5%ほど。日本国の0.7%ほど。
- 平均人口密度
- 1平方kmにつき、72人程度。
- 平均人口密度の対比
- 対比する統計の年度が違うので、目安として。
- U.K.の4割弱程度。日本国の2割強。
- (都市集住率は56.6%)
- 政治体制
- 2005年現在、ロシア連邦大統領に推薦された人物が、共和国議会の信任投票を経て、行政首長位に就く形式。
- 議会の議員は、地域住民による選挙で選任される。
- 民族事情
- カバルダ人48%強、バルカル人10%弱、ロシア系32%弱、ウクライナ系2%弱、他にオセット人、アルメニア人、チェチェン人?、韓国系住民など。
- 言語事情
- カバルダ語、バルカル語とロシア語とが公用語に指定されている。
- 宗教事情
- 調査中
- GDP
- 8億2860万米ドル(2002年)
- GDPの対比
- 対比する統計の準拠年度が異なるため、あくまで目安として
- U.K.(連合王国)の0.05%弱。日本国の0.02%強 。
- 住民1人あたりGDP
- 919米ドル
- 住民1人あたりGDPの対比
- 対比する統計の準拠年度が異なるため、あくまで目安として
- U.K.の3%強。日本国の3%強。
- 通貨単位
- ルーブル(略号 RUB)
- 首都
- ナリチク
- 基礎データ内の数値は「民族事情」「宗教事情」以外の数値を、Wikipedia(英文版)他から参照し、端数を丸めました。
- 民族事情、宗教事情の数値は、二宮健二(編、発行)『データ ブック オブ ザ ワールド 2006年版』二宮書店、他、複数のソースを相互参照しました。必ずしも二宮書店の前掲書と同じ記述で:はありません。
地勢と環境
国土は、大カフカス山脈の北斜面を占めるバルカリアと、北東部で山裾部から低地にかけてを占めるカバルディヤとに大別される。領域南西端に、カフカス山脈中最高峰のエルブルス山(標高5,642m)が、カバルダ=バルカル共和国?との境界部に位置。山頂は概ね境界線上になっている。
領土の最も北部を占める北東部低湿地も、大カフカスから流出するテレク川の流域にあたり、地理的な意味での北カフカス地方とみなせる。
領域はさほど広くないが、100前後を数える湖沼を擁す。特に湖沼が多く散在しているのは、バクサン川?とマルカ川?とに挟まれた地域で、55ほどの湖沼が知られている。
最高点は、エルブルス山?山頂の5,642m。ちなみに、エルブルス山山頂は、大カフカス山脈最高峰になっている。
気候は、基本的に大陸性湿潤気候。高山地帯は、高地性寒冷気候。
平野部では、1月の平均気温が−4℃程度、7月の平均気温が23℃程度。山間部(高山地帯は除く)では、1月の平均気温が−12℃程度、7月の平均気温が4℃程度。
降水は山間部に多い。
地域区分
地域は、南部の高山地帯を含む山地部、北部の平地部に2大別。その後、河川などに基づいて細分していくと把握し易いだろう。
2002年現在、領域には8都市、4町と、168の農村集落が存在。内、首都ナリチク他の2都市が、共和国直轄都市。
2直轄都市、及び、付随する1町以外の共和国領は、9つの行政区に区分されている。
人口分布
統計に基づいた人口分布は調査中。
とりあえず、次のように想定しておいていいだろう。人口は、中部以北の平野に多く、山地地帯に少ない。高山地帯は、事実上の無人と想定。高山地帯以外では、河川流域の都市部に集中する傾向が強い。
主要都市
- ナリチク(首都)
- テレク 地方都市だが、北部平地のテレク川流域で、基幹鉄路がテレク川の流れと交わる近傍の要衝に位置。
- ティルニヤッツ(Tyrnyauz) 南東部で、エルブルス山東斜面から北東方向に流出するバクサン川の渓谷部右岸(東岸)に位置。バルカリアの行政中心都市であり、エルブルス山登山の前線基地に利用される。
2001年6月、洪水と地滑りとに見舞われ、大きなダメージを被った。
正規の出入国ゲート
- スカイ・ゲート
- 首都ナリチクの北西に国際空港が存在。ただし、この「国際」は、旧ソ連邦構成国の間の国際便就航がメイン、と想定。
- 国際鉄路
- ロシア連邦のスタヴロポリ地方から続く鉄路が領内北部を通過し北オセチア=アラニア共和国?領へ続いていく。この鉄路を本線とすると、首都ナリチクへ至る鉄路は分岐した路線になっている(ナリチクが、起点、終点)。
- 主要国際自動車道
- スタヴロポリ地方を経由して、クラスノダール地方に続く高速道M29が基幹道。このルートは、首都ナリチク北部を経由して北オセチア=アラニア共和国領に向かっている。
- (高速道M29は、クラスノダール地方でM4に接合。M4は、ロストフ州に至った後、ウクライナに続く国際自動車道M23に連絡している)
リンク
関連項目
- カフカス地方
- 北カフカス地方?
- ロシア連邦の南連邦管区
資料リンク
- Wikipedia英語版:Kabardino-Balkaria
- Republic of Kabardino-Balkaria(Renaissance Capital)
- Regions and territories: Kabardino-Balkaria(Country Profiles - BBC NEWS?)
活用や検討
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参照:[カバルダ・バルカル共和国] [現存国家] [ヨーロッパ州の現存国家] [ロシア連邦の南連邦管区]