Multi Book『世界の宗教』
Multi Book『世界の宗教(総解説)』
どんな本か
Multi Book『世界の宗教』は、宗教比較の概説書。
書名がわかりづらいが、しばしば『世界の宗教総解説』とも呼ばれる。正式書名は、Multi Book『世界の宗教』らしい(?)。シリーズ名旧称が「総解説」シリーズだったようだ。
同じ自由国民社から、以前刊行されていた「総解説」シリーズの1冊が、増補改訂されて2004年に刊行された。現在は、2004年版の新装版が最新刊(2007年発行)のようだ。
全体が、「世界宗教」「民族宗教」「失われた宗教/世界の秘密宗教」に3大別されている。
章立て構成
- 「『神』をよむ試み」
「はしがき」またはエントリー用総説 - 「世界宗教」
仏教/キリスト教/イスラム教 - 「民族宗教」
ユダヤ教/ヒンドゥー教/ジャイナ教/シク教(シーク教)/ゾロアスター教/儒教/道教/神道 - 「失われた宗教/世界の秘密宗教」
古代エジプトの宗教/バビロニア・アッシリアの宗教/ギリシア・ローマの宗教/マニ教/世界の秘密宗教
書誌情報
高尾 利数、他 共著,Multi Book『世界の宗教(増補改訂版)』新装版 ,自由国民社,Tokyo,2007.
ISBN 978-4-426-10292-0
A5判、405頁、2000円+税。
感想コメント
「ブルーローズ」にどう役立つか
- 全般に、トンデモ・ネタの類は目立たない。
- 「ブルーローズ」のプレイにどこまで役立つかは、GMのシナリオ傾向次第。むしろ、TRPG全般の資料本として役に立つかもしれない。
- プレイヤー専門で「ブルーローズ」を遊ぶ人が、もし宗教題材が好きなら、サイド・リーダー的な資料本として使えるかも。
- オリジナル・シナリオを作るGMさんにとっては、シナリオ傾向に応じてアイデア・ソースとして有用性はある。
- トンデモ・ネタの類は薄いが。むしろ、キリスト教国なりイスラム教国なりの特色を出そうか、とか考える時には役に立つかもしれない。その関係も大づかみだから、別の資料も参照した方がいいだろうけど。
- この本は、まず概要を掴む用だろう。この本で題材の候補を選ってから、より細かい飼料ソースにあたっていく使い方がいいと思う。要するに、概説書であって、宗教事典ではない。
「ブルーローズ」を離れてみたらどんな本か?
- 全般的に総華的な総解説との印象。アプローチ方法がよくわからないのは欠点ではないのか? 強いて言えば、宗教文化に重点が置かれているのだろうか?
- 教義解説には、教科書的な説明が目立つようだ。その先が知りたい、と思うことも少なくない。
- 信徒社会の解説は、大づかみ。
- ことに、諸宗教の変遷、宗教間の相互影響といったあたりについて、保守的な見解が目立つかもしれない。
キーワード:
参照:[Multi Bookシリーズ] [書籍紹介]