Truth In Fantasy 『古代遺跡』
森野 たくみ、松代 森弘 共著,『古代遺跡』(Truth In Fantasy 41)
どんな本か
世界各地の遺跡から、「石の遺跡」を中心に73件の遺跡をピックアップした概説集。
ユネスコ世界遺産については、類似の切り口の書籍も見かけますが、考古遺跡に絞って、この価格帯でワールド・ワイドに通観した概説書は、あまりないと思います。
類書は、より高い価格帯であるか、あるいは、扱う地域が限定されているか、もしくは、地域を限定した書籍がシリーズで刊行されているかが、よくある例でしょう。
また、この本は「遺跡にちょっと興味があるが、専門的なものは読みたくないという人に向けて、歴史など知らなくても面白く、気軽に読めるものをという意図で執筆」された、とのことです(『古代遺跡』、「はじめに」より)。
書誌情報
森野 たくみ、松代 森弘(共著),Truth In Fantasy? 41 『古代遺跡』,新紀元社,Tokyo,1998.
ISBN 4-88317-322-4
- A5判、ソフト・カバー、287頁。価格、1800円+税。
古代遺跡 (Truth In Fantasy)(森野 たくみ/松代 守弘)
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感想コメント
「ブルーローズ」にどう役立つか
- 「ブルーローズ」のキャンペーン環境で、セッション・メンバー間の話題共有ソースとして使っていくといいと思います。
- 超古代文明、古代史ロマンと言っても、メンバー間でイメージのバラつきが大きすぎる場合に、「共通話題のソース集」の1つとして扱うことをお勧めします。同じ、Truth In Fantasy シリーズの『超古代文明』(朱鷺田祐介)と併用するとなお効果的でしょう。
- 遺跡を巡る古代史のロマンについては「歴史など知らなくても面白く、気軽に読め」と、手堅い整理とが両立されています。トンデモ系の超古代説については、コラムなどで軽く触れられていますが、基本的には記述は薄いです。こちらについて『超古代文明』などで補っていくといいでしょう。
- ただし、「ブルーローズ」のセッションでは、この本の内容も、ルールブックにある言い回しの「諸説ある」話題の「諸説の1つ」として扱っていくことをお勧めします。この点の合意さえ成り立つなら、古代史ロマンやトンデモ・ネタ超古代説にさほど詳しくない人も含めて、「共通話題のソース集」として効果的に使っていけるでしょう。
- 残念ながら、イメージ・イラストの類は豊富ですが、遺跡図の類は見当たりません。シナリオ・メイク用などの資料ソースとしては他の資料も併用した方がいいでしょう。
「ブルーローズ」を離れてみるとどんな本か?
- [この本を書いている間にも、アンコール・ワット遺跡の北西に、人工衛星によってカピラプラ遺跡が発見されるなど、新しい遺跡の発見があった。まさに『過去は変わっていく』」
(『古代遺跡』、「あとがき」p.287)
「遺跡にちょっと興味があるが、専門的なものは読みたくないという人に向け」「気軽に読める」概説集として、刊行時(1998年)現在の知見が読みやすくまとめられた本です。
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参照:[書籍紹介 ベーシック・ピックアップ] [Truth In Fantasy 『超古代文明』] [書籍紹介]