!遺丘 いきゅう !PCが予め知ってていい情報  何層もの遺跡層が成層し、丘のような形状を示すに至った遺跡。多くは地理的要因から対環境戦略上有利な地域に、繰り返し集落の類が営まれた結果生じる。  「墳丘」と混同しないように注意。墳丘とは、墓室の上に土盛りをして丘状の外見をなしたもので、遺丘とはまったく異なる。 !追加情報 :'''小辞典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値10」 ::'''やや詳しい情報''' 遺丘は、特に西アジア地域に多く見られるが、他の地域にも類例は見られる。 :: 西アジア地域に遺丘が多いのは「建材に日干しレンガが用いられることが多い」「環境要因から、集落建設に適したポイントが比較的限られている」などの理由が重なってのこと。 :'''小辞典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値12」 ::'''詳しい情報''' 遺丘の類にも、遺跡層と遺跡層の間のインターバルが長いものと、比較的短いものとがある。遺跡層の成層が継続している遺丘ほど層位学的研究にとって重要。 :: 特に、長期間に渡り、比較的継続した遺跡層の成層が見られる遺丘は、周辺地帯の遺跡や、同系文化の遺物を出土する遺跡の層位学的判断尺度を提供する。このタイプの重要遺跡を、特に「標識遺跡」、または「標識地」と呼ぶ。 :'''小辞典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値13」 ::'''詳しい情報''' アラビア語では遺丘を「テル」と呼び、チュルク系の言語では「テペ」と呼ぶ。他にギリシア語で「マグウラ」と呼ぶなどの類語がある。 :: テルとテペはどちらも日干しレンガが含まれてることが多く、ほぼ同質の遺跡と予想していい。マグウラは、遺跡層に石材が多いので、厳密にはテルやテペと異なる点もある。しかし、複数の遺跡層が長期間に渡り継続、または断続して丘状になった遺跡、という性質は同じである。 !シナリオ・メイク用参考情報  以下は、シナリオ・メイクの参考のため、歴史書を読む人向けの内容です。直接のシナリオ・メイク参考情報とは少し違います。  考古学関係の用語には、一面が似てるものを混同すると、後々混乱の元になる用語が少なくありません。  例えば、メソポタミアの「ジッグラト」をメソポタミア式ピラミッドと呼ぶ、メソ・アメリカの「階段式祭壇」をインカ型ピラミッドと呼ぶなどです。  いずれも、それぞれの地域の文化背景や歴史を背負って、構造や機能、用法が違う[[遺構]]や[[遺物]]です。初期に混同すると、歴史背景や、関連文化がわかりづらくなってしまいます。  しかし、「遺丘」は、珍しく、テペやテル、マグウラ他を一括して括る言葉になっています。  遺丘という言葉とその意味を覚えておいて、新しい類語に出会ったら、脳内で「遺丘」に置き換えるようにしていくと、混乱も少なくなり、参考資料の理解も早くなります。  逆に、最初に遺丘の意味を押さえず、墳丘と混同したりすると、先々混乱の元になります。 '''【参考】''' *[[「シリアの先史時代遺跡、テル・コサック・シャマリ」|http://www.um.u-tokyo.ac.jp/museum/ouroboros/01_01/iseki.html]] *[[テル・コサック・シャマリの写真|http://www.um.u-tokyo.ac.jp/museum/images/tell-s.jpg]] **[[東京大学総合研究博物館ニュース「ourobos」Vol1.Number1|http://www.um.u-tokyo.ac.jp/museum/ouroboros/01_01/index.html]]、1996年9月 !活用や検討 !!活用 !!検討 *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで) ----