{{toc}} !スンナ派 スンナは (Ahl Al-Sunna) !PCが予め知ってていい情報  「スンナ派」は、現在のイスラム教で多数派になっている教派。スンニ派とも。  「スンナ」とは、『コーラン』、及び、ムハンマドの言行録『ハディース』についての、「預言者の範例」と呼ばれる伝統的解釈事例(解釈集)。  「スンナ」などを重視することから「スンナ派」の名が生じた。現在、世界のイスラム信徒の9割がスンナ派を自認していると言われる。 !追加情報 :'''小辞典版推奨判定''':「魔術+知性 目標値8〜10」「歴史+知性 目標値10〜12」「情報+知性 目標値10〜12」 ::'''やや詳しい情報''' 一言で「スンナ派」と言っても、その実態は、イスラム法学の主要4学派が、中世にお互いの正統性を相互承認したことで成立した。4つの主要法学派とは、ハナフィー学派、マーリキー学派、シャーフィイー学派、ハンバリー学派である。 :: スンナ派が多数派だからと言って、ローマン・カソリックの用な中央集権的な教団組織をイメージするのは誤解である。 :'''小辞典版推奨判定''':「魔術+知性 目標値8〜10」「交流+知性 目標値10〜12」 ::'''やや詳しい情報''' スンナ派は、正称としては「スンナと(イスラム)共同体の民」と自称。正統スンナ派に属す宗教家は、いずれもイスラム法学の専門家でもある。 :: エジプトなど、多くのイスラム国家では、『コーラン』や「スンナ」などが「主要な法源」とされており、宗教家たちは、国家の定めた世俗法が宗教的に適法かどうかを「スンナ」などを踏まえて議論する。 :: 一方、一般信徒の場合は、スンナ派を自認していても、神秘主義的な聖者を崇拝する風習になじんでいるなどり、地域の歴史、文化的背景に応じて、信仰の実態にも地域差がある。 ---- :'''小辞典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値12〜14」 ::'''詳しい情報''' スンナ派の特徴を、大掴みに言えば、よく言えば現実的、現世肯定的であり、悪く言えば世俗権力に妥協的、と言える。[[シーア派]]の聖職者は、時としてこの点を批判する。 :: 大まかな傾向としては、スンナ派の主流は伝統的守旧派だ、と概括することもできる。いわゆるイスラム[[原理主義]]が過去の伝統を無視しても「イスラム本来の規範(と彼らが考えるもの)」を唱えるのに対し、正統スンナ派は過去のイスラム教が世俗権力との間に築いた歴史的伝統の蓄積を重んじる。 ::(正統スンナ派の立場では、普通、『コーラン』、「スンナ」及び、「過去のイスラム共同体の合意(イジュマー)」、「過去の法学者による解釈の集成(キヤース)」の4つが、世俗法の法源と位置付けられる) :: もちろん、スンナ派が「世俗権力に妥協的」と言っても、その立場からして譲れない線はある。例えば、神が定めたとされるイスラム法より、人が定めた憲法を上位に置くトルコ共和国のような世俗体制にはほとんどのスンナ派宗教家は批判的だ。 :: ただし、近年、イスラム改革を求める動きに賛同するイスラム法学者の内には、世俗憲法とイスラム法との関係づけについて、新しい解釈を模索する動きも一部にはある。 !GM向け参考情報  スンナ派の宗教家自体がNPCとして活用されるシナリオは、どちらかと言えば珍しいものではないでしょうか?  まだ[[シーア派]]宗教家の方が、オカルトめいた[[オーパーツ]]につながる手がかり(秘密)を伝え聞いていたりする役に、適役のように思えます。  あるいは、逆手にとって、イスラム寺院に何かの秘宝が隠されているとの伝説を「俗信」として信じていないスンナ派宗教家、といった役どころはあるかもしれません。  とりあえず、スンナ派については、[[シーア派]]や、いわゆるイスラム[[原理主義]]と対象して、双方の性格の違いを大まかにでも押さえていくところからはじめるのがいいでしょう。何かの事件がきっかけになっても、[[エジプト|エジプト=アラブ共和国]]のように比較的穏健な抗議デモで済む国と、それだけでは済まないような国があるのはなぜか、などなど、お国柄や[[地域感情]]を検討するときに、1要素として考慮していけるといいと思います。 (もちろん、イスラム諸国の反欧米的な活動の諸相は、決して宗教教派からだけ説明できるものではありません。経済事情も関わりますし、政治体制や、各国の歴史によっても個性は違います。主流の宗教教派は1要素でしかありません) !リンク *[[小辞典]]{{br}}⇔ [[小辞典ワールド編]] !!関連項目 *[[シーア派]] !活用や検討 !!活用 ---- !!検討 *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで) ----