{{toc}} !中部スーダン地方 {{br}}ちゅうぶスーダンちほう {{br}}(Central Region of Sudan,Republic of Sudan) {{br}}簡易版 !簡易版です。気づいたとこの増補、改訂、優先に大歓迎。 !PCが予め知ってていい情報 *「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。  「中部スーダン地方」は、現在の[[スーダン共和国領|スーダン共和国]]を、便宜的に[[北部|北スーダン地方]]、東部([[カッサラ地方]])、西部([[ダルフール地方]])、中部、[[南部|南スーダン地方]]に5大別して、しばしば用いられる大別地域区分の1つ。  スーダン領内を流れている[[ナイル水系]]流域中央部の内陸乾燥地が中心地域。「広義には、ハルトゥーム州、[[青ナイル地方]]に、[[コルドファン地方]]を併せた地域」と、思えばいいだろう。現在は、行政実体を持っていない。  ただし、同類の地域大別の内でも、かなり便宜性が高い地域区分になっている。  しばしば用いられる区分だが、例えば「スーダンの南北内戦」で言われた「北」の領域とは一致しない。また、[[ハルトゥーム州]]や[[コルドファン地方]]を、含んだり、含まなかったりすることもある。 '''【参照地図】''' *[[Sudan - regional boundary|http://www.reliefweb.int/mapc/afr_ne/cnt/sdn/suadmn2.html]]([[Relief Web]]){{br}} 実は、地図は古い行政区分図。図示されている旧行政州は、2007年現在、“Khartoum”(図中の16)以外すべてが、公的には行政実体を失っている(より細かな行政州に解体されている)。 *[[Sudan|http://go.hrw.com/atlas/norm_htm/sudan.htm]]([[HOLT RINEHART WINSTON WORLD ATLAS]]) !やや詳しい情報 *「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。  スーダン共和国領の便宜的地域大別は、いずれも、[[アングロ=エジプト]]統治時代に策定された行政区分に由来している。かつては、現在の「青ナイル地方」の前身にあたる旧行政区が、英語名で“Central”と呼ばれていた時期もあった。  独立後の南部勢力との内戦、[[ダルフール紛争]]などの影響も及んだ現在、「中部スーダン地方」は、青ナイル地方から拡大して用いられる用例が多くなった。現在は、青ナイル地方のみをさして“Central(中部)”と呼ぶ用法は、むしろマレな用法と思って構わないだろう。  スーダンで現行の26州に準拠すると、「広義の中部スーダン地方」の構成は次のようになる。 *[[ハルトゥーム州]]{{br}}(現在でも、「中部地方」に含めないことはある) *[[コルドファン地方]] **[[北コルドファン州]]、[[西コルドファン州]]、[[南コルドファン州]]{{br}}(「中部地方」に含めないこともある) *[[広義の青ナイル地方]](旧英語別称、セントラル行政区、1948年までに確定されていた) **旧青ナイル行政区(旧セントラル行政区から1974年に分割され、「セントラル」の英語別称で呼ばれていた時期もある){{br}}[[青ナイル州]]、[[サンナール州]]{{br}}(旧青ナイル行政区が、1994年に分割された) **その他(旧セントラル行政区から1974年に分割された){{br}}[[アル・ジャジーラ州]]、[[白ナイル州]]  「広義の中部地方」は、北西から北にかけて[[北スーダン地方]]と接し、西では、紅海沿岸山地を挟んで[[カッサラ地方]](東スーダン地方)と接している。北スーダン地方と東スーダン地方の諸州は、アングロ=エジプト統治時代の行政区が、比較的穏当に分割されてきた。これらの方面での領域の異同は、さほど無い(カッサラ地方で、反政府勢力の東部戦線が実効支配している地域は、さほど多くない)。  西では、[[ダルフール地方]](西スーダン地方)と接している。「西スーダン」は、ダルフール地方の古くからの英語名別称だが、[[ダルフール紛争]]の激化に応じ、かつては「中部地方」に含まれていなかった[[コルドファン地方]]も、中部地方に含める用例が増えたようだ。  南で接している[[南スーダン地方]]との間では、[[上ナイル州]]州域に含まれる[[サッド]]外縁の湿潤地帯を、地理的な区切りとみなせるかもしれない。  7〜8月が降水量のあまり多くない雨季。雨季の前後、それぞれ2〜3ヵ月ほど極暑の季節が続く。 ----  広義の中部地方の気候は、基本的に乾燥気候。ただし、[[青ナイル地方|広義の青ナイル]]地方から[[ハルトゥーム州]]にかけてのナイル水系流域では、かなりの灌漑農耕地が開拓されている。  コルドファン地方や、ハルトゥーム州でも北部には、[[沙漠地帯|沙漠]]が広い。ただし、コルドファン地方でも、中部以南では、南に向かうにつれ背の低い草原が増えていて、遊牧民の伝統的な生活圏になっている。  広義の中部地方全域は、スーダン共和国領の2割ほどの面積。2000年の統計によれば、全人口のおよそ47%強が居住していることになる。  地域では、人口集住は、ナイル水系が流れる、[[ハルトゥーム州]]と[[広義の青ナイル地方|青ナイル地方]]とに偏っている。内、ハルトゥーム州では、地域の4%ほどの州域に、地域の3割強の人口が集中していることになっている。 (やはり2000年の統計によれば、ナイル水系が流れていない[[コルドファン地方]]は、地域の7割ほどの区域に地域人口の1/4ほどが居住していることになっている) !さらに詳しい情報 *「難易度がある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。  中部スーダン地方と、南スーダン地方との境界は、アングロ=エジプト時代に策定された上ナイル行政区に由来している。しかし、むしろ、気候、植生などの環境と、地域で優勢だったエスニック・グループの生活圏とを、アングロ=エジプト当局が意識して、行政区を策定した、と考えた方が、かつての実情に近いかもしれない。  そのように考えていけば、少なくとも、1980年代以降激化した南北内戦(2002年停戦協定、2005年講和)の経緯を理解するための、重要なヒントが得られることだろう。  2007年現在「南スーダン地方」との境界部の実情には、過去の南北内戦の経緯もあって、不明な点もある。 !GM向け参考情報 *GM向けの捕捉情報、マスタリング・チップス、アイディア・フックなど !!捕捉情報 :'''「さらに詳しい情報」の補足''':'''南スダーン地方との境界部の実情について''' *2006年11月頃まで、南部北辺の[[マラカイ]]周辺で、旧反政府勢力との戦闘があった、との報道もあります。おそらくは、南北講和に不満を持つ集団が関わった交戦かと思われますが、実情は不明。{{br}}この情報は、必ずしもシナリオに反映する必要もないと思われます。が、このような不安定要因も残存している、とは理解しておくと、もっともらしいシナリオの作成や、マスタリングのヒントにはなるでしょう。{{br}}参考「[[スーダン共和国略史]]」,参照ソース“[[Timeline: Sudan|http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/country_profiles/827425.stm]]([[Country Profiles - BBC NEWS]],[[Sudan|http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/country_profiles/820864.stm]])” !!参照情報 ||領域名||面積||面積比率||およその推計人口||人口推計順去年||人口比率||平均人口密度/1平方km|| ||広義の中部地方(全域)||535,739平方km||100%||およそ1470万人||下記データの総計による目安概数||100%||46人ほど|| ||[[ハルトゥーム州]]||22,122平方km||4%ほど||およそ470万人||2000年||32%弱||212人ほど|| ||[[コルドファン地方]]||376,145平方km||70%||およそ360万人||2000年||25%弱||9人ほど|| ||[[広義の青ナイル地方|青ナイル地方]]||137,472平方km||26%弱||およそ640万人||2000年||44%弱||46人ほど|| ||スーダン共和国全域||2,506,000平方km||467%||3109万3千万人||2000年||212%||12人ほど|| !!人口分布 '''【参照地図】''' *[[Sudan|http://sedac.ciesin.columbia.edu/gpw/country.jsp?iso=SDN]]([[Gridded Population of the World, version3]]){{br}} 統計に基づいた人口分布地図が公開されています(コンテンツの上部に記されている統計準拠年には注意)。  2000年の統計に基づいたGPWvr3の分布図では、中部スーダン地方の人口が、[[ハルトゥーム州]]以南の[[ナイル水系]]流域に偏っている様子が、よくわかる。  [[広義の青ナイル地方|青ナイル地方]]南東で、幅の細い円弧のように、集住地帯が延びている区域は、[[ル差異リス湖]]よりも下流の[[青ナイル]]流域、と思われる。  上記、人口密度の高い地域は、灌漑農耕地が広く開拓されている、と想定される。シナリオの必要に応じては、地域の人口集住地区以外でも、人口集住は河川流域に散在する集落に偏っている、と想定していいだろう。  [[コルドファン地方]]南東の[[南コルドファン州]]に見られる人口集住地は、[[ヌバ山地]]の低山地があり、落花生やキビの類が栽培され、場所によっては綿花も栽培されている。  一応、ナイル水系流域のような大規模農耕地は、充分整備されていない、と想定しておいた方がいいだろう。あるいは、定住農耕者と遊牧民が入り混じって共存している地域、とイメージしてもいいかもしれない。 !!主要交通路 '''【参照地図】''' *[[スーダン 地図|http://www.supertravelnet.com/maps/index.php?action=showmap&country=261_0_4&language=33]]([[Super Travel Net]]) :'''空港''': 首都、[[ハルトゥーム市]]の近郊に、ハルトゥーム国際空港が存在。同空港は、国際路線だけでなく、[[ポート・スーダン]]、[[ジュバ]]との間で運航されている国内便も発着。 :'''鉄路''': [[ナイル川]]の[[右岸|右岸、左岸,河川の〜]](東岸)に、[[北スーダン]]地方から続いて基幹鉄路が敷設されている。この鉄路は、[[ハルトゥーム市]]より南では、[[青ナイル]]流域に敷設されていて、[[青ナイル]]中流域で[[ルサイリス湖]]の北岸に位置しているルサイリスの町(終点)まで通じている。 :: 基幹鉄路途上の[[サンナール市]]([[サンナール州]]州都)では、西に向かう路線と、東に向かう路線とに連接している。 :: 西に向かう路線は、[[白ナイル]]左岸の[[クースティ]]、[[北コルドファン州]]の地方都市[[ラハド]]などを経由して、[[ダルフール地方]]に続いていく。 :: 東に向かう路線は、[[カッサラ地方]]の[[アル・カダーリフ州]]州都、[[アル・カダーリフ市]]、[[カッサラ州]]州都の[[カッサラ市]]を経由して、[[紅海州]]の[[ポート・スーダン]]に至っている :'''主要自動車道''': ナイル川の右岸(東岸)に、北スーダン地方から続いて基幹自動車道が敷設されている。このルートは、[[ハルトゥームの大都市圏|ハルトゥーム市]]で、青ナイル沿いに[[ワド・メダニ]]まで至るルートと、大都市圏で[[オムドゥルマン]]近郊を経由後[[白ナイル]]沿いを、クースティまで至り、さらに白ナイル沿いに南下して[[南スーダン地方]]に至るルートとに分岐。(どちらも、基幹道級、と想定) :: ちなみに、ワド・メダニとクースティの間も基幹道路級の自動車道が敷設されていて、ハルトゥーム大都市圏との間で環状ルートのような自動車道を形成している。 :: ワド・メダニからは、[[アル・カダーリフ市]]([[アル・カダーリフ州]]州都,[[カッサラ地方]])に通じる機関自動車道も分岐。なお、アル・カダリーフとサンナール市との間には、主要地方道級の自動車道が敷設されている。ワド・メダニ、サンナール、アル・カダリーフの3都市の間にも、1種の環状ルートが形成されている。 :: クースティからは、西に分岐し、ラハド方面に通じる基幹自動車道も敷設されている。このルートは、ラハドまでは基幹鉄路に併走しているが、ラハドからは、鉄路を離れ、[[北ダルフール州]]州都の[[オベイド]]に至る。 :: オベイドは、古くから広域陸路のハブ・センターの役割を担っていた。現在もさらに西に通じる基幹道は。ダルフール地方を経由し、[[チャド|チャド共和国]]方面に至っている。 :: また、オベイドから南には、[[ヌバ山地]]北部のカードクゥーリーまで基幹自動車道が至り、さらに南スーダン地方に通じる主要地方道に連接。オベイドから北東には、ハルトゥーム大都市圏のオムドゥルマンまで至る、主要地方道が沙漠の内を通っている。 !リンク *[[小辞典]]{{br}}⇔ [[小辞典ワールド編]]{{br}}⇔ [[ランド・マーク]] !!関連項目 *[[青ナイル地方]] *[[コルドファン地方]] *[[スーダン共和国]] *[[スーダン共和国の諸地域]] *[[ハルトゥーム州]] !!資料リンク !活用や検討 !!活用 *このページの記事を踏まえた、[[アイディア・フック]]、使ってみた[[シナリオ]]、セッション・レポ、などなど {{comment}} !!重要な改訂の情報 *内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。{{br}}(誤字脱字の訂正や、文章を整える程度では記録不要) {{comment}} !!検討 *このページの記事内容についての質問、重要な疑問、改訂の要望など *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は、随時書換え対象になりえます) {{comment}}