{{toc}} !地位技能 ちいぎのう  「地位技能」は、「[[ブルーローズ]]」の[[キャラクター]]に設定される24種の[[技能]]の1つで、獅子座の技能。  「社会的な地位(名声、財産、権力、階級)を保有し、そこで生じる恩恵を活用する技能」と、ルールにはある。([[ルールブック]]、p.61)  地位技能を有すと、地位を利用して情報を得たり、物資、サーヴィスの補給を受けたりできる。地域のVIPとのコネクションを得たりもできる。また、上層社会での礼儀やマナーに対応が必要な場合にも活用できる。  他に、取得している技能値1ごとに、初期の[[所持金]]を2倍に計算して取得する。  [[ルールブック]]には、[[「地位+社交」|社交能力]]、[[「地位+直観」|直観能力]]の[[判定方式]]での運用例示がある。 (ルールブック、p.61)  さらに、地位技能を有すキャラは、1シナリオに技能値の回数まで「贅沢な装備やサーヴィス」の[[調達|調達行為]]を試みることもできる。(ルールブック、p.91)  あるいは、「地位による[[威圧|威圧行為]]」(ルールブック、p.93)を試みることもできる。ただし、「地位の基盤となる社会制度を相手が受け入れている」場合に有効である旨、p.61に明記されていることに注意。 !!ルールの検討  おそらく、このルールは拡大解釈気味にとらえて、「技能値が高いほど社会上層に属し、ステータスも高い」程度に受け止めた方が楽に遊べるだろう。少なくとも、プレイヤーは、PCの「社会的地位」の設定について、キャラクター・メイク時点でGMの了解を得ておくことをお勧めする。  GMもマスタリングや、キャンペーン・プランの負担になるような設定は断ってしまった方がいい。ただし、単に断るのではなくて、代替案も逆提案、妥協点を探っていくのが望ましいだろう。 :'''地位の設定''': 例えば、プレイヤーが[[U.K.|U.K.(連合王国)]]国籍のPCに「貴族身分」を希望した場合。GMは、現在のU.K.の貴族の生活について詳しく知っているのでない限り、勘弁してもらえるよう丁重にお願いした方がいいだろう。 :: できたら、「(技能値の数値に併せた)資産家」くらいの線で妥協してもらった方がいいだろう。 :: プレイヤーが、どうしても、と言うなら、「何らかの功績を認められた1代貴族で資産家」の設定で妥協してもらうことをお勧めする。それも無理なら、「数代前に貴族位を返上した家系の富豪」をお勧めする。 :: 地位技能の数値のゲーム的機能は「所持金の余裕が他のキャラに比べて多い」が主なので、「身分」の方へのこだわりは2の次にした方がいい。 :: それに、現代社会を背景に先祖累代の貴族の家系を処理していくのは、プレイイングもマスタリングも負担が大きい。大体、イメージのスリ併せ自体大変だ。 :: 例えば、日本国籍のキャラなら「数代遡ると華族の家系の傍系だけど、今はただの資産家(身分は平民)」といったところの方が遊びやすい。U.K.の場合これに近い設定が、「何らかの功績を認められた1代貴族で資産家」であり、「数代前に貴族位を返上した家系の富豪」だ。 :: U.K.に現存する世襲貴族の家系は、[[一説に|一説に〜]]300家族と言われる。基本的に、地方の大土地所有者であり、一部の例外を除き、資産運用には苦労しているようだ。傾向として、U.K.の世襲貴族は没落が著しく、その数は減少傾向にある。例えば、現在のU.K.貴族院の議席数は、700議席。内、世襲貴族の議席はたったの92議席。 :: だから、どうしても貴族をやりたいプレイヤーには、資産家の1代貴族をお勧めする。 :: これが、デンマーク貴族だの、ネーデルラントの王族だのと言った設定になると、さらに面倒である。 :'''地位技能を利用した調達''': 地位技能を利用した情報取得、物資、サーヴィスの入手、及び、「贅沢な装備やサーヴィス」の[[調達|調達行為]]は、必ずしも個人の所持金を対価として支払うものとは限らない。 :: キャラクターの高いステータスで、地元の有力者を動かして便宜を図ってもらうこともある。便宜を払ってもらった場合は、対価を支払う代わりの返礼が必要となる。例えば便宜を図ってもらった相手のパーティーに出席したり、慈善行事の類に協力したりしなくてはならない。([[ルールブック]]、p.91) :: 対価支払で済ませるか、なんらかの社交活動で済ませるかは、シナリオの都合が関るので、GM裁量とするのがいいだろう。 :: また、地位を活用して得られる効果は、自動成功ではない。このことは勘違いされ易いので注意を要す。もちろん、GMの判断で判定を省略してもいい。 :: 例えば、U.K.出身のPCが、[[イングランド]]の上流パーティーに出席する場合は、「礼儀やマナー」をこなせるか判定を省略しても、[[サウディ=アラビア|サウディ=アラビア王国]]でのパーティーに招かれた場合は、判定を必須とするなど。考え方はGMごとに何通りかあるだろうが、いくらキャラの地位が高くても自動成功ではない。 :: また、地位技能は万能でもない。 :: 例えば、「地位による威圧」については「地位の基盤となる社会制度を相手が受け入れている」場合に有効である旨、p.61に明記されている。 :: 地位技能を利用した調達の類についても、ニューヨークのアップ・タウンでは有効でも、ダウンタウンの質屋ではあまり役にたたない、――つまり普通に[[調達技能]]を使った方がいい、と考えた方がいいだろう。 :: 地位技能を利用した情報取得についても、情報の種類によって「情報+知性」、「電脳+知性」、「犯罪+知性」の方が有効なことはあるはずだ。あるいは、地域のVIPであるNPCから情報を得る場合も、「陰謀+社交」が必要となることだってある。礼儀やマナーの類についても、「交流+社交」の方が有効な局面もあるはずだ。 !運用 !!基本  ルールブックに見られる用例。 :'''[[「地位+社交」判定|社交能力]]''': *地域の有力者とのコネクションをつなぐ。(ルールブック、p.61) *相手の社会的な立場を理解する。社交辞令の意味を理解する(これは「社交辞令を間に受けない」「皮肉だったら皮肉と理解する」といった意味だろう)。(ルールブック、p.61){{br}}場合によっては[[「社交+直観」|直観能力]]を使う。 *社会的な立場で相手を威圧する(相手が、立場の基盤となる社会制度を受け入れていなくてはならない)。(ルールブック、p.61) :'''[[「地位+直観」判定|直観能力]]''': *社交辞令の意味を理解する判定。(ルールブック、p.61){{br}}正直言って、なんでこの判定が「地位+直観」なのかピンとこない。雰囲気や語調から相手の意図を[[直観|直観能力]]するという意味か? ならば[[「交流+直観」|交流技能]]でもいいのではないか?? とりあえず、「地位+社交」を[[基本の判定方式|判定方式]]にして、「地位+直観」や「交流+直観」は、目標値を高めにしていけばいいだろう。 *相手の社会的立場を理解する。(ルールブック、p.61){{br}}これは、「物腰から相手の素性を直観する」判定に限定することをお勧めする。{{br}}「例えば、この物腰はさぞや高貴なお血筋の方」とか「ははーん、こいつ成り上がり者ね」とかを察する程度。{{br}}「こ、この方の指輪の紋章は、18世紀に途絶えたはずの◎◎公爵家の家紋ではないか」←ここまでわかるのは、もはや[[「歴史+知性」|歴史技能]]とか[[「分析+知性」|分析技能]]の領分である([[「表現+知性」|表現技能]]でもいい)。 !!応用  ルール準拠、ないしは順当な適用で、ルールブックに用例の見当たらない使い方。 !!ハウス運用  部分的なルールの拡大解釈も含んだ応用例。 !地位技能を使ったハウス・ルール  「ハウス運用」との区別は、他のルールや、[[ゲーム運営|ゲーム運営ルール]]、[[ゲーム・コンセプト]]も考慮して判断するといいでしょう。 *ハウス・ルールは、増えたら積極的に別ページに分けてくといいように思います。 :'''◎◎を処理するハウス・ルール''': !リンク *[[小辞典]]{{br}}⇔ [[小辞典ルール編]] !!関連項目 *[[技能]] *[[行動判定]] *[[ダイス・ロール]] !活用や検討 !!活用 ---- !!検討 *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで) ----