{{toc}} !電脳技能 でんのうぎのう  「電脳技能」は、「[[ブルーローズ]]」の[[キャラクター]]に設定される24種の[[技能]]の1つで、蟹座の技能。  「コンピュータに代表される専門ハイテク機器を使いこなす技能」と、[[ルールブック]]、p.60〜61にはある。ルールのこの箇所だけ読むと、意味に迷い易い。ルールブックにある用例を参照していくといいだろう。  技能値は、電子機器を使用する[[判定|行動判定]]に用いるが、一般向け機器を普通に使う分には判定不要。 (例えば携帯電話を普通に使う、パソコンでインターネットにアクセスする、程度の行動は判定を要さない)  一般向け電子機器でも高度な使用、専門的電子機器の使用、及び、電子機器全般の修理には、電脳技能の技能値を用いた判定を要すはず。  技能値が高いと、ハード・ウェア、ソフト・ウェアのトラブルにも対処できる。ソフトウェアを改造したり、オリジナルに組んだりすることにも挑戦できる。  「専門ハイテク機器」と聞くと、例えばハイテク診断機器の類か? と、考えてしまうが、「電脳技能」で扱う対象は、それらも含むが、限定でもないらしい。ルールには「インターネットなどのハイテク・インフラの使用にも影響する」と記されているからだ。  どうやら、ルールに見られる「専門ハイテク機器」とは、ニュアンス的には「携帯電話やワープロの一般的使用に技能はいらないよ」程度の意味らしい。多分、デジカメやデジタル・ヴィデオ撮影機の操作も、プロ専用機器でなければ、高い技能値はいらないのだろう。 !!ルールの検討  電脳技能は、要するに「ソフト・ウェア、ハード・ウェア、両面を含んだ電子機器の使用に関する技能」。ただし、「一般ユーザー向けに作製されたハード、ソフトを、マニュアル通りに使うだけなら、必ずしも高い技能値は必要としない(一般ユーザー向けのハード、ソフトでも、高い効果を期待するなら、技能値もそれなりに必要になる)」――、といった技能。  ルールブックp.61には、[[「電脳+知性」判定|知性能力]]の用例として、「専門的なハイテク機器を使用する、修理する、ウィルスを取り除く、プログラムを組む」とある。この部分は、おそらく「電子機器の修理も含んだ、専門的な取り扱いができる」といった意味だろう。  電脳技能値がさほど高くなくても、一般向けにリリースされているウィルス除去ソフトは使える、とした方が、用例との関係から納得し易い。もちろん、除去できるのは、一般的に対処法が知られるに至ったウィルス類で、[[陰謀組織]]が密かに開発したウィルスだの、[[超古代文明]]に由来するヴァーチャル知性体だのに対処するには高い技能値が必要になるはずだ。  そうした、超プロ級の領域も含めた「専門的な取り扱い」を処理する技能、と考えるといい。  では、どこからを「専門的な取り扱い」と考えるか? これについては、ルールブック、p.53にある「目標値の考え方」を参照するといい。 !運用 !!基本  ルールブックに見られる用例。 :'''[[「電脳+知性」判定|知性能力]]''': *電子機器の専門的な取り扱いを処理する(修理も含める)。([[ルールブック]]、p.61) *専門家用に特に製作された電子機器を操作する。(修理も含める)。(ルールブック、p.61) *一般ユーザー向けの電子機器でも修理をするには、この判定を使う。(ルールブック、p.61){{br}}以上は、ルールブックで一括して書かれている記述を、「ルールの検討」に記した考えに即して、あえて分割して整理しました。 *ウィルスを除去する。(ルールブック、p.61){{br}}一般向けウィルス除去ソフトでは対処できない類のこと、と考えたい。 *プログラムを組む。(ルールブック、p.61) *電子的なデータ・ベースで情報を収集する。(ルールブック、p.92){{br}}場合によっては「電脳+直観」も使用。 :'''[[「電脳+直観」判定|直観能力]]''': *インターネットの検索ソフトを使って情報を収集する。(ルールブック、p.61) *電子的なデータ・ベースで情報を収集する。(ルールブック、p.92){{br}}場合によっては[[「電脳+知性」|知性能力]]も使用。 :'''[[「電脳+社交」判定|社交能力]]''': *インターネットの友人に話を聞く。(ルールブック、p.61) :'''「電脳/製作+器用」判定の[[組合わせ判定]]''': *電子機器の修理。(ルールブック、p.62) !!応用  ルール準拠、ないしは順当な適用で、ルールブックに用例の見当たらない使い方。 :'''本当に専門特化した電子機器を使用する判定''': 例えば、医療用に特化作製されたCTスキャン機器を使うなら「電脳/治療+知性」の[[組合わせ判定]]を指定するといい。同様に、出土[[遺物]]の表層を3D画像に精査記録するなら「電脳/分析+知性」を使うなど。 :'''インターネットの検索ソフトを使って情報を収集する判定の処理''': ルールブック、p.61には「電脳+直観」とある。一方、p.91には「電子的なデータ・ベース」の検索は、「電脳+知性」または「電脳+直観」とある。 :: 「検索エンジンだって、1種のデータ・ベースだろう」と考えるGMは、検索エンジンの使用にも「電脳+知性」の使用を認めるといいだろう。その場合、使い分けの方針も考えておいた方がいい。 *シンプルな運用は、「電脳+知性」を基本の判定方式として「電脳+直観」判定の目標値を高く設定していく運用。 *[[能力値]]の定義を踏まえると、例えば次のような使い分けも考えられる。{{br}}「電脳+知性」は、データ・ベースや検索エンジンの特性を考え、キーワードを工夫したり、検索先のURLなどを考慮した情報収集。それなりに時間はかかるが、地道な効果が期待できる方法。「電脳+直観」は、あまり深く考えず、検索先のページ・タイトルなどを頼りに、直観で次々とページを飛んでいく、ネット・サーフィンに近い検索。ほとんど運試しに等しい。{{br}}この使い分けの具体的な運用法は「ハウス運用」の項で検討したい。 :'''[[「電脳+社交」判定|社交能力]]''': *情報収集のルール(ルールブック、p.92〜)の類例を根拠に、「電脳業界関係者からの聞き込みによる情報収集」に使うといいだろう。{{br}}プログラマーやエンジニア、プロのサーチャーなどを含めるといい。 !!ハウス運用  部分的なルールの拡大解釈、限定運用も含んだ応用例。 :'''データ・ベース検索判定の運用''': まず、「プレイヤーから特に申告がない場合、[[ブルーローズ部門]]専用のデータ・ベースで検索を試みる」ものとみなす運用をお勧めする。 :: この運用は、ワールド設定の解釈を含むが、一般装備としてPDAを持っているPCは、まず財団のデータ・ベース使用を検討するだろう、との考えによる。この運用を使うなら、予めプレイヤーに説明しておいた方がいい。 *ブルーローズ部門の専用データ・ベースは、歴史、考古学関係の情報に詳しく、[[シャドウ・ウォー]]や[[陰謀組織]]関連の情報も、過去の報告書が蓄積されている。政治関係の情報は、[[世界遺産|ユネスコ世界遺産]]条約のように、文教関係の情報から詳しく、軍事関係、外交関係、経済関係の情報は、過去のミッション報告書に含まれる範囲でしか集積されていない。――ものとして扱う。 *プレイヤーは、担当キャラにブルーローズ部門以外のデータ・ベースを検索させたい場合、予め「どんなデータ・ベースにあたるか」を申告する必要があるものとする。例えば、U.K.なりU.S.A.なり、国連なりの関係機関が公開しているデータ・ベースをあたるなど。{{br}}この場合、特定のデータ・ベースが指定されない、ある程度曖昧な申告でもGMはプレイヤーの意を汲んで相談していくマスタリングが望ましい。{{br}}例えば「ここの紛争について、信頼できるマスメディアの記事データ・ベースってあるよね?」「じゃあ、BBCの過去記事データ・ベースでいいかな?」 :: プレイヤーから特に指定はないが、財団データ・ベース以外を使いたい場合、「グーグル」のような一般的検索エンヂンを使用するものとして処理。 :: 検索するデータ・ベースが決まったら、「判定方式」を決めてもらう。この運用は、「検索エンヂンも1種のデータ・ベース」とみなす場合にも使える。 *「電脳+知性」判定は、物語内時間をそれなりに消費するものとして処理し、「電脳+直観」判定は、さほど物語内時間を消費しない代わりに、判定に成功しても連続して[[運試し判定]]をおこなって結果を決めるものとする。{{br}}(もっとシンプルに、「検索エンヂンのネット・サーフィン的な検索」は、運試し判定だけで処理してもいい。しかし、そこまでやるとルールを一部停止した上でのハウス・ルール導入になる) :: 検索するデータ・ベースと「判定方式」が申告されたら、「プレイヤーが何を知りたいか」と「PCが検索に使うキーワード、検索条件」を申告してもらう。 *GMは、プレイヤーが知りたいこととデータ・ベースの特性を考えて、目標値を設定する。 *「電脳+知性」判定の場合、キーワード、検索条件が工夫されたものだったら、それに応じて物語内時間の消費量を決めるといい。キーワードや検索条件があまり絞り込まれていない場合、判定に成功しても「膨大な量のファイルが表示されたので、本当に役に立つファイルを選り出すのに、物語内時間が相当にかかったよ」と処理していく。 *「電脳+直観」判定の場合、キーワード、検索条件が工夫されたものだったら、それに応じて運試し判定に使うカードの内容を調整していく。 :: 以上、紹介したハウス運用をフルセットで使用する場合、プレイヤーが申告できる「キーワードと検索条件」の総数を3〜5程度に制限していくマスタリングも、併せて紹介しておく。 *セッション・メンバーが、全員インターネットの使用に詳しい場合、この制限は考えなくてもいいかもしれない。(しかし、制限を加えた方が申告時間が短くなる傾向はある) *セッション・メンバーに、インターネット使用にさほど詳しくない人が混じっている場合、「キーワードと検索条件の総数を3件まで」など、少なめに制限していく手法がある。これは、プレイヤー知識の多用から不公正感が生じるの発生を避ける意図の制限。お勧めしたいが、GMの考え方によっては採用しなくてもいいかもしれない。(各GMの自己判断で検討してください) :: 以上の運用を使った場合、ウラ技っぽい申告で「[[ブルーローズ部門]]ではなく、[[ローズ・グループ]]の企業データ・ベースにあたる」との申告があり得る。ローズ・グループのデータ・ベースは、ブルーローズのデータ・ベースより、経済、政治、外交のデータに詳しく(場合によっては軍事関係の情報もあるだろう)、その方面の情報も検索し易く構築されている、と考えるのは自然だ。 :: GMには、「そのデータ・ベースは、普通のPCにはアクセス権限がない。[[ジェシカ・ローズ]]か[[ナサニエル]]に事情を説明して調べてもらうか、特別な縁故を使用した判定でのみアクセス可能」としていく対処をお勧めする。(一般向けに公開されているローズ・グループの企業データ・ベースは、当然、社屋の所在や、業績広報などについてのデータ・ベースだろう) !電脳技能を使ったハウス・ルール  「ハウス運用」との区別は、他のルールや、[[ゲーム運営|ゲーム運営ルール]]、[[ゲーム・コンセプト]]も考慮して判断するといいでしょう。 *ハウス・ルールは、増えたら積極的に別ページに分けてくといいように思います。 !リンク *[[小辞典]]{{br}}⇔ [[小辞典ルール編]] !!関連項目 *[[技能]] *[[行動判定]] *[[ダイス・ロール]] !活用や検討 !!活用 ---- !!このページの記事内容についての検討 *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで) ----