!グルジア人 グルジアじん (Georgian) 暫定版 !記事内容追加調査中の暫定版です !PCが予め知ってていい情報  「グルジア国籍を有す[[国民]]」の意味ではなく、[[民族]]としての「グルジア人」は、[[南カフカス地方]]に位置する[[グルジア共和国]]の基幹民族であるほか、[[トルコ|トルコ共和国]]、[[イラン|イラン共和国]]に集住が目立つ。  旧[[ソ連|ソヴィエト連邦]]領にも広く分布し、1979年のソ連当局による統計では、旧ソ連領全域で人口357万人強とされた。内、当時のグルジア国籍のグルジア人は、343万3千人とのこと。単純計算で14万人弱が、グルジア以外のソ連領に居住していたことになる。グルジア以外では、ほとんどが[[カフカス地方]]の旧ソ連領で暮らしていたと思われる。 !追加情報 :'''小辞典版推奨判定''':「交流+知性 目標値10〜12」「歴史+知性 目標値12〜14」 ::'''やや詳しい情報''' グルジアでは、グルジア語による自称国名を「サカルトヴェロ」と言うが、これは民族としてのグルジア人を構成する複数のグループの内、主流である[[カルトヴェリ人]]の名と関係する。カルトヴェリ人の発祥地である「[[カルトゥリ]]地方」を語源にした国名が「サカルトヴェロ」。 :: 一方、自称民族名を「イベリ」と言う。こちらは、紀元前に現グルジア領東部で営まれた古代イベリア王国の名に由来する、と信じられている。ちなみに、「サカルトヴェロ」と別に自称国名を「イベリア」と自称することもあるが、これは比較的マレで、古称、雅称のニュアンスがある。 ---- :'''小辞典版推奨判定''':「交流+知性 目標値12〜14」「歴史+知性 目標値14以上」 ::'''詳しい情報''' グルジア語には、現在でも[[方言]]の差異が大きく、地域ごとの文化の差異も大きい。都市部や平地部では、旧ソ連時代の社会主義的画一化の影響も見られる。つまり、都市部などでは、[[国民]]的な均質性が強まっている。しかし、グルジア各地には、グルジア人の内でもマイナーな立場に立っているサブ・グループが生活している。[[[スヴァネティ地方|スヴァネティ]]を伝統的生活圏にしていた[[スヴァン人]]、スヴァネティ地方の南に隣接するサメグレロ地方に多い[[メグレル人]]などが代表例だろう。 :'''小辞典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値12〜14」「交流+知性 目標値14以上」 ::'''詳しい情報''' 現在のグルジアにあたる地域では、紀元前6世紀、西部にコルヒダ王国が成立し、紀元前3世紀、東部に古代イベリア王国が成立していた。 :: 現在のグルジア人の祖先集団は、紀元前5世紀に遡る文字を持ち、この頃から民族統合へ向かう動きは持っていたようだ。しかし、現グルジア領のような山がちな土地ではありがちだが、グルジア人の民族的まとまりは極めて緩やかだった。概ねグルジアの全域に渡る統一国家が成されていたのは、11世紀〜13世紀。中部のカルトゥリ地方から勢力を広げたバグラト朝の時代くらいだった。 :: ちなみに「グルジア」の自称国名「サカルトヴェロ」は、紀元4世紀頃に地域で最初にキリスト教を受容したカルトゥリ地方の山岳民、[[カルトヴェリ人]]の名に由来。 :: 一般に、グルジア人は、古代カルトヴェリの後裔と言われることが多いが、これはあまり正確な歴史整理とも思えない。現在、グルジア人として一括される民族は、多数のサブ・グループからなり、主流のカルトヴェリ人の他に、[[メグレル人]]、[[スヴァン人]]などが、それぞれの文化伝統を色濃く伝えている。このように、グルジア人の民族的まとまりは、現在でも比較的緩やかなもの。 :: あるいは、メグレル人が政治的にカルトゥリ人と協調しつつ国家が形成された過程で[[物語的に編纂された歴史|物語化]]が、「グルジア人全体をカルトゥリ人の後裔と見なす説」かもしれない。 :: なお、2006年現在まで、独立後のグルジア共和国では、国勢調査の民族帰属調査でグルジア人のサブ・グループまでは調査項目に挙げられていない。旧[[ソ連|ソヴィエト連邦]]時代の1930年代までは、サブ・グループも調査項目に挙げられていたが、現在は、[グルジア人」と一括した項目名が挙げられ調査がなされている。 :'''小辞典版推奨判定''':「言語+知性 目標値12〜14」「交渉+知性 目標値14以上」「歴史+知性 目標値14以上」 ::'''詳しい情報''' グルジア語の属す諸[[方言]]は、カフカス諸語に属すカルトヴェリ語群に整理されている。紀元前5世紀に遡る文字文化を持つにも関わらず、現在に至るまで諸方言の独自性が保たれている。現在のグルジア共和国で用いられている公用グルジア語は、カルトヴェリ語を基本にしたもの。 :: 古代グルジア文字は、最初古代アラム文字の影響下に形成されたと目される。紀元後にビザンツ帝国の影響でキリスト教を受容してからギリシア文字を参考にした改変も加えられた。 :'''小辞典版推奨判定''':「魔術+知性 目標値12〜14」「歴史+知性 目標値14以上」 ::'''詳しい情報''' グルジア人の間では、東部にあった古代イベリアで紀元4世紀にキリスト教が国教化された。後代「グルジア正教」と呼ばれるようになったグルジアのキリスト教は、単性説的な傾向を持つ古代キリスト教から出発し、各地に教会や修道院が建てられた。 :: 東部は、17世紀にオスマン・トルコの支配下に入り、後、イランのイスラム王朝の支配化に移ったため、イスラム教も伝播した。 :: キリスト教、イスラム教のどちらにしても、グルジアの民間宗教には、樹木崇拝、山岳崇拝、家畜や農業の守護神信仰、月を崇拝する儀礼など、古代からの習慣が遺っている。 :: なお、グルジア領南西部で[[アジャリア自治共和国]]を営んだ[[アジャラ人]]もイスラム教徒が主流だが、アジャラ人の社会は、ソ連時代の影響で世俗化がかなり進んでいる。(現状では、熱狂的なイスラム信仰は見られなくなってきているようだ) ---- :'''小辞典版推奨判定''':「交渉+知性 目標値14以上」 ::'''専門的知識''' グルジア人に属すサブ・グループは多数数えられるが、伝統的正業形態から3大別することがよくなされる。(都市部、平地部では伝統的正業形態が崩れ、変貌しつつあることに留意されたし) *山岳地帯での[[移牧]]と果樹などの山地農業を組み合わせた形態。[[スヴァン人]]など。 *谷あい地での農作を主とし、副次的な牧畜を組み合わせた形態。農作では、穀類栽培の他にブドウ酒作りまでを一貫したブドウ栽培と果樹栽培が目立つ。[[カルトヴェリ人]]など。 *黒海沿岸部での亜熱帯的な農作主とし、副次的な牧畜を組み合わせた形態。農作では、穀類栽培の他にブドウ酒作りまでを一貫したブドウ栽培が目立つ。[[メグレル人]]など。 !GM向け参考情報  グルジア国民に、グルジア人や[[アゼリー人]]、[[オセット人]]他がいるだけでなく、民族としてのグルジア人の内にも、カルトヴェリ人やスヴァン人などがいるところが興味深いです。  もちろん、脇役NPC程度に扱うくらいなら「グルジア人」として一括して処理して構わないでしょう。  特に、グルジア共和国以外に在住のグルジア人をシナリオに出すなら、よほど深く[[オーパーツ]]などに関わる設定でもない限り、単に「グルジア人」として処理した方がいいでしょう。  もし、何らかの必要があってグルジア人のサブ・グループまで、シナリオで扱うなら、イメージの上で、戦国時代以前の日本のようなイメージでシナリオを準備していく手が楽そうです。大和の人とか、武蔵の人とか言ってるようなイメージですね。 !リンク *[[小辞典]] !!関連項目 *[[グルジア共和国]] !活用や検討 !!活用 ---- !!検討 *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで) ----