{{toc}} !ヘリホル(Herhor,Herihor) !記事内容追加調査中の暫定版です !PCが予め知ってていい情報  ヘリホルは、[[古代エジプト]]の[[新王国時代]]、[[第20王朝|古代エジプト第20王朝]]の[[ラメセス11世]]の代に、[[テーベ]]の[[アメン神官団]]の大神官、及びテーベ総督(テーベにおける副王)となった人物。  現在の歴史整理では、「[[アメン大司祭国家]]」などと呼ばれる上エジプト政権の開祖、と位置づけられている。  アメン神官団大神官だったアメンヘテプを駆逐した[[パネヘシ]]が、テーベでファラオ代理の地位に就いて12年目〜18年目の間の時期には、ヘリホルは大神官になっていたと思われる。 !追加情報 :'''小辞典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値10〜12」 ::'''やや詳しい情報''' 第20王朝のクシュ総督だったパネヘシがテーベに介入する以前、テーベのアメン神官団は、事実上、上エジプトに支配権を振るっていたが、局地的な紛争も多かったと思われる。 :: パネヘシによるアメンヘテプ駆逐、ヘリホルらによるパネヘシ駆逐を経て、ヘリホルを大神官としたテーベ神官団は、現在の研究者から「王国内のもう1つの王国」と呼ばれるような「アメン大司祭国家」を達成した。 :: ヘリホル、[[ピアンキ]]、[[パネジェム1世]]と大神官位が継承される間、アメン神官団は、[[一説に|一説に〜]]全エジプトの神殿領の2/3、船舶の9割、手工業作業場の8割を専有するに至った、と言われる。 :: ヘリホルは、伝統的に[[ファラオ]]の名を刻んだ飾り枠[[カルトゥーシュ]]に、独自の称号、「アメン神の第一予言者」を刻ませた。さらに決定的なことに、テーベのアメン神官団は、ヘリホルの代の途中から、第20王朝のものとは異なる独自の暦を用いだした。これは、[[古代エジプト|古代エジプト時代]]の伝統的スタンダードとしては、事実上の独立を宣言したに等しい。 :: 他方、ヘリホルは自身のミイラに添付した札には、テーベ独自の暦による治世年ではなく、第20王朝の暦に従った記録を記させた。 :: ヘリホルが第1人者となったアメン神官団は、テーベを中心とした上エジプトとクシュ地方以外には、支配圏を押し広げようとはしなかった。第20王朝の方では、パネヘシを「テーベにおける副王」と呼び、「王朝の宰相」として扱っていたようだ。 :: ヘリホルのミイラに添付された記録が、第20王朝の暦に準拠したものだったことは、あるいは、ヘリホル自身も、神官団の支配領域を、第20王朝に服属するもの、と考えていたことの現われかもしれない。 :: 彼の没年は、ラメセス11世の没年より5ほど前。B.C.1074年頃と記録されている。「アメン神の第一予言者」として振舞ったのは、B.C.1080年頃から、足掛け7年ほどのことになる。 ---- :'''小辞典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値12〜14」 ::'''さらに詳しい情報''' パネヘシの治世19年目にあたる年には、すでにテーベの公式記録にはパネヘシの名が見られない。代わりに、ヘリホルが、第20王朝の宰相、及びクシュ総督(クシュにおける副王)などの要職にあるとの記録が見られる。 :: ヘリホルが、生え抜きのテーベ神官でなかったことは確からしい。ラメセス11世の武官から神官に転進した、と言われている。あるいは、パネヘシがテーベに率いて来た軍団に属していたのかもしれない。 :: ヘリホルは、パネヘシをテーベから排除した、と目されるが、その経緯は不明。ヘリホルの妻ノメジットは、ラメセス11世の姉妹か娘だった可能性があり、あるいは、ノメジットとの婚姻を背景に勢力を強めたとの推測もなされている。第20王朝と神官団との関係を考えると、どちらかと言えば、ノメジットはラメセス11世の姉妹だった可能性の方が高いかもしれない。 !GM向け参考情報  元々、[[第20王朝]]の末期は、細かな歴史がよくわかっていません。最後のファラオとなった[[ラメセス11世]]は、在位期間が28年間と長かったため、それでもまだ記録が遺っている時期にあたります。  パネヘシによるテーベ介入前後の事情も、情勢も混乱していたらしく、よくわかっていません。  とりあえず、ヘリホルは、テーベ及び上エジプトの混乱をどうにか収拾した人物、という理解でそうは間違っていないはずです。 !!事跡  ヘリホルの事跡は記録が少なく、細部がよくわかりません。  テーベのアメン大神殿の南側に遺る、コンス神殿の前庭と搭門がヘリホルの命で建立されたもので、碑文が残されています。他には、本人のミイラに付随していた史料、及び、妻ノメジットのミイラと共に埋葬されていた副葬品などが、現在知られる史料のすべてだそうです。 !!人物像  ノメジットが、ラメセス11世の近親だとすると、ヘリホルの勢力拡大の事情は分かり易くなります。  古代エジプト王朝のスタンダードでは、王家の女性と婚姻することで、王権の神聖さに参与することができるとされていたからです。 !!関連遺物 :'''テーベアメン大神殿の付属建築物''':'''コンス神殿前庭''' ::'''コンス神殿搭門''' !!アイディア・フック  「ブルーローズ」では、おもいきって、ヘリホルの妻ノメジットに焦点を合わせた仕掛けを考えてもいいかもしれません。  例えば、ヘリホルを、第20王朝に関係する、との触れ込みの謎の女性によって古代[[シャドウ・ウォーズ]]に引き込まれた人物、とするなどです。 !リンク *[[小辞典]]{{br}}⇔ [[小辞典ワールド編]]{{br}}⇔ [[歴史上の実在人物]] !!関連項目 *[[パネヘシ]] *[[ラメセス11世]] !!資料リンク *[[Wikipedia英語版:Herihor]] !活用や検討 !!活用 *このページの記事を踏まえた、[[アイディア・フック]]、使ってみた[[シナリオ]]、セッション・レポ、などなど {{comment}} !!重要な改訂の情報 *内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。{{br}}(誤字脱字の訂正や、文章を整える程度では記録不要) *2007-01-08 (月) 11:20:48 鍼原神無 : 「アメン大司祭国家」に関連して不正確な記述を正しました。 {{comment}} !!検討 *このページの記事内容についての質問、重要な疑問、改訂の要望など *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は、随時書換え対象になりえます) {{comment}}