!イシュタル女神 イシュタルめがみ (Ishtar) !PCが予め知ってていい情報  「イシュタル女神」は、アッカド系の神話で、金星を司った他、植物の豊穣と関係する[[太地母神]]の性格も示す。太地母神として生命を司ることから、戦場での生死も司り、戦争の勝敗を決する女神とされた。  [[バビロニア]]でも[[アッシリア]]でも崇拝された、メソポタミア文明圏で最も勢力を持つ女神。[[シュメール語]]では[[イナンナ女神]]と呼ばれていた。 !追加情報 :'''小辞典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値10〜12」「魔術+知性 目標値12〜14」 ::'''やや詳しい情報''' イシュタル女神の神殿は[[アッシリア]]の[[アッシュル]]や[[ニネヴェ]]、[[バビロニア]]の[[バビロン]]に設けられた他、古代メソポタミアの多くの都市で見られた。前身とも言うべき[[イナンナ女神]]の聖域も含めると、その数はさらに増える。 ---- :'''小辞典版推奨判定''':「魔術+知性 目標値12〜14以上」「表現+知性 目標値14以上」 ::'''詳しい情報''' 金星を司るイシュタル女神は、[[天空神アヌ|アヌ神]]または、[[月神ナンナル|ナンナル神]]の娘神と言われる。 :: ことにアッシリアでは、戦場に降臨する女神との側面が強調された。しかし、民間では、太地母神としての側面も崇拝され続けた。また、病を癒す女神ともされた。 !GM向け参考情報 :呼称:イシュタル :別称類: [[イナンナ女神]]同様「天の女主人」と呼ばれた。 :: 「月の娘(神)」とも呼ばれた。 :表象(シンボル): [[イナンナ女神]]同様、藁の束を先の細った円柱状に編み、先端に輪と吹き流しを付けたものが、表象とされた。 :図像: 3対の牡牛の角で飾られた冠を被った、有翼の女性が一般的な図像。 :: 開いた両の翼の背後に、複数の長柄武器(ポール・ウェポン)が浮遊して付き従っているような図像もよく描かれた。 :: ただし、着衣のイシュタル女神は生命に満ちた冬の女神で、裸体の女神像は冥界にある極暑の季節の女神だとも言う。 :聖域: [[ニネヴェ]]のイシュタル神殿、[[バビロン]]にあったイシュタル神殿、及び、[[イシュタル門]]が有名。 :主要祭儀: [[イナンナ女神]]同様に、女神に扮した高位の女神官が、王と性交する聖婚儀式を含んだ祭儀が執りおこなわれた。 :関連キャラクター: [[天空神アン|アン神]]または、[[月神ナンナル神|ナンナル神]]が、イシュタル女神の父神と言われる。 :: 「冥界の女主人」エレシュキガル女神は、イシュタル女神の姉神とされる。『[[イシュタルの冥界降り]]』では、冥界に降ったイシュタルを60の病に侵させる。「[[タンムズ神話]]」では、イシュタルの愛人タンムズ神を奪おうと、冥界にさらった、とも言われる。 :: タンムズ神は、イシュタル女神の愛人とされている。女神の力で冥界から救出されるタンムズは、女神の子供として再生し、短期間に成長すると再度愛人となるが、次の極暑の季節、再び冥界に赴くことになる。 :: [[ギルガメシュ]]は、『[[ギルガメシュ叙事詩]]』で、イシュタル女神に求婚されるが、女神が過去の愛人たちに加えた仕打ちを非難し、女神の怒りをかう。 !!主要エピソード :『[[イシュタルの冥界降り]]』: 冥界を訪れたイシュタル女神の死と再生を巡る物語。[[シュメール語]]による『[[イナンナの冥界降り]]』が、[[アッカド語]]系統の言語で再話された物語。 :「[[タンムズ神話]]」: イシュタル女神の愛人である[[タンムズ神]]の死と、イシュタルによる冥界からの救出を巡る物語。植物の枯死と再生のサイクルについての神話でもある。 :『[[ギルガメシュ叙事詩]]』: [[ウルク]]の王で、2/3が神、1/3が人間とされた[[ギルガメシュ]]を主人公にした神話的物語。この物語でイシュタル女神は、ギルガメシュの盟友エンキドゥが死ぬ原因をもたらし、間接的にギルガメシュが永遠の命を求めるきっかけを招く。 !リンク *[[小辞典]]{{br}}⇔ [[小辞典ワールド編]]{{br}}⇔ [[神話、伝説のキャラクター]] !!関連項目 *『[[イシュタルの冥界降り]]』 *「[[タンムズ神話]]」 *[[イナンナ女神]] !活用や検討 !!活用 !!検討 *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで) ----