{{toc}} !カシュタ(Kashta) !PCが予め知ってていい情報  特になし。  カシュタについては、割と歴史に詳しい人でなけでば、聞いたこともないという人は多いでしょう。関連技能を持たないPCが[[予め知らない|+αのワールド用語]]でいても不思議ではないと思われます。 !追加情報 :'''小事典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値10〜12」 ::'''やや詳しい情報''' カシュタは、紀元前8世紀の[[ナパタ朝]]の支配者。ナパタ朝を継いだ息子[[ピイ]]の代に、[[ヌビア|歴史的ヌビア地域]]の王朝が[[第25王朝|古代エジプト第25王朝]]としてエジプトを支配する基礎を築いた。 ---- :'''小事典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値12〜14」 ::'''詳しい情報''' カシュタは、ナパタ朝第2代(または初代)の支配者として、[[ヌビア|歴史的ヌビア地域]]を支配した人物。在位、B.C.760年頃〜B.C.747年頃。 :: ナパタ朝は、古代エジプト王朝が建立した[[ヌビア|歴史的ヌビア地域]]のアメン大神殿を重んじており、カシュタの娘、[[アメンイルディス1世]]は、どのような経緯か、当時のアメン神聖妻シェプエンウエペト1世の養女としてテーベのアメン大神殿に迎えられた。これは、アメンイルディス1世が次代の神聖花嫁となるための手続きで、カシュタが手配したとも言われるが、真相は[[定かではない|定かでない]。ともあれ、カシュタはアメンイルディス1世のテーベ入りと前後して、[[上エジプト]]に支配力を及ぼした。概ね、B.C.755年前後のことと思われる。 ::(アメンイルディス1世が神聖花嫁になるように取り計らったのは、エジプト全域に支配権を確立した後の[[ピイ]]だ、との[[異説もある|諸説ある]]) :: ナパタ朝による上エジプト支配の実態は、おそらく宗主的な強い政治上の影響力と思われ、影響の及ぶ範囲もテーベまでだった。しかし、この影響力が、次代のピイが、古代エジプトに第25王朝ファラオとして君臨する礎となった。 ---- :'''小事典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値14以上」 ::'''専門的知識''' カシュタがナパタ朝初代か、2代めか、については、[[アメンイルディス1世]]が遺した碑文の解釈が関わっている。問題の碑文に記された「ナパタ朝12年めの王(王朝創設から12年めに即位した王)」が、カシュタのことなら2代めであり、ピイのことならカシュタは初代であろう。 :: カシュタの前代としては「イルル」なる人物がナパタの支配者だった(B.C.780年頃〜B.C.656年頃)ことが知られている。このイルルがナパタ朝の開祖だったか、つまり、イルルの代にナパタ勢がヌビア統一を達成したかどうかについては[[諸説ある]]。 :: なお、アメンイルディス1世がテーベのアメン大神殿に迎え入れられた時期の判断についても、同じ碑文の解釈がかかわっている。 :: カシュタのファラオ名を[[カルトゥーシュ]]に刻んだ石碑が、[[エレファンティネ島]]から発見されている。これは、カシュタがファラオを称していた証拠であるだけでなく、上エジプトにも支配的な影響力を持っていたことの証拠と目されている。 :: カシュタの遺体は、ヌビアのアル・クックに埋葬された。 !GM向け参考情報 !!用法  カシュタについては、とりあえず「関連技能を持たないPCが[[予め知らない|+αのワールド用語]]でいても不思議ではない、としています。  細かな運用は、もちろんGMにゆだねられますが、過去のキャンペーン・プレイで古代ヌビア絡みのミッションをこなしたことのあるPCなら、[[歴史技能]]や[[情報技能]]の保持を前提に「予め知ってる(過去に調べたことがある)ことにしてもいいかもしれません。  もちろん、[[ミッションの趣旨]]によっては、PCがミッション指令を受けたときに発令者のNPCからガイダンスを受けた、あるいはサマリー(手短に整理した資料)を配布された、などとするのも手でしょう。  あるいは、[[キャンペーン・プレイ]]の過去のミッションで、[[古代ヌビア|歴史的ヌビア地域]]または、古代のテーベに関わるミッションをこなしたPCがいた場合、歴史技能を取得していることを前提に、「君のキャラは、こないだのミッションのときに調べてたんだけどね」と、簡単な情報を予め知ってるもとして処理する、または、難易度の低い判定で処理するなどしてもいいかもしれません。(例えば、記事の判定目標値目安を2ずつ下げていくとか) !!用途  カシュタは、ファラオを称してヌビアを統治したナパタ朝の支配者ですが、ナパタ朝初代か、2代目かも確定されていません。  本文では、2代目説をメインとし、初代説を異説扱いにしています。これは、カシュタによる上エジプト支配が軍事行動の結果ではなく、おそらく経済的影響力を背景にしたものらしい、という歴史整理を踏まえたためです。ナパタ朝が南方とエジプトとの交易を管理するようになって十数年後に経済的影響力が上エジプトにいきわたったとの想定は、ヌビア統一後十数年で(軍事行動なしに)勢力圏を広げた、との想定よりもっともらしいでしょう。  シナリオでは、「カシュタが初代か? 2代めか?」という歴史上の未確定事項自体を、ミッションに絡めてもいいかもしれません。  例えば、カシュタは実は初代だったのだが、ヌビア統一直後に、軍事行動もなしに上エジプトまで支配権を及ぼしてしまった。実は、その背景にはヌビアとテーベのアメン大神殿の陰謀があったのだ、とか。[[アメンイルディス1世]]をメイン題材にして、カシュタを絡める、との料理法もあるでしょう。 !!事跡  カシュタの事跡は、今のところ「PCが予め知ってていい情報」「追加情報」以上のものは解明されていません。 !!人物像  カシュタの人物像も、今のところ不明瞭です。手がかりとなるような文書は知られておらず、事跡から人物像を想定しようにとしても、事跡自体が充分知られてはいません。  言えることは次のようなことです。 *アメン大神殿との結びつきが強く、アメン神を深く信仰していた可能性は高い。 *自身が、古代エジプト王朝の伝統を継承していると確信していた。 //関連遺物 //ソース案 !リンク *[[+αのワールド用語]] *[[小辞典]]{{br}}⇔ [[小辞典ワールド編]]{{br}}⇔ [[歴史上の実在人物]] //資料リンク !活用や検討 !!活用 !!検討 *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで) ----