{{toc}} !カフカス地方 カフカスちほう (Region of Kavkaz) !PCが予め知ってていい情報  「カフカス地方」は、[[黒海]]東岸と[[カスピ海]]西岸との間で、カフカス山脈([[大カフカス山脈]])を中心に、北側の[[北カフカス地方]](ブレドカフカジエ、前カフカス地方)と、南側の[[南カフカス地方]](ザカフジエ、後カフカス地方)とを併せた一帯。つまり、[[西アジア]]と[[ヨーロッパ・ロシア]]とに渡る広域地域概念。  南カフカス地方で[[グルジア共和国]]、[[アゼルバイジャン共和国]]、[[アルメニア共和国]]が、旧ソ連邦崩壊に前後しそれぞれ独立したのに対し、北カフカス地方は現在も[[ロシア連邦]]に属す。  そのため、単に「カフカス地方」と言ったときに、南カフカス地方が意味されていることも少なくない。  「ブレドカフカジエ(前カフカス地方)」、「ザカフジエ(後カフカス地方)」の、「前」「後」は、ロシア側からみた遠近に基づく。英語読みでは、「コーカサス地方」。 '''【参照地図】''' *[[Caucasus|http://www.history.upenn.edu/coursepages/hist086/material/caucasus.gif]]{{br}}(カフカス地方地図,[[DEPARTMENT of HISTORY|http://www.history.upenn.edu/]],UNIVERSITY OF PENNSYLVANIAの[[ORIENTATIONS|http://www.history.upenn.edu/coursepages/hist086/material/slideshow2.htm]]) *[[Caucasus Mountains|http://www.peakbagger.com/range.aspx?rid=38]]([[Peakbagger.com|http://www.peakbagger.com/default.aspx]]) !追加情報 :'''小辞典版推奨判定''':「情報+知性 目標値10」、「歴史+知性 目標値12」 ::'''やや詳しい情報''' カフカス地方に含まれる[[南カフカス地方]]には、地理学上は[[小カフカス山脈]]も含まれる。 :: 従って、広義の[[小カフカス山脈]]に属す[[アララト山]]一帯にあたる、現[[トルコ共和国領]]東端や、[[イラン=イスラム共和国]]北西部も、地理学上はカフカス地方に含めることもある。 :: しかし、現状の国際政治の実際では、カフカス地方、[[南カフカス地方]]と言った場合は、[[アルメニア共和国]]領や[[アゼルバイジャン共和国]]領までを指す、との暗黙の前提で用いられることが多い。 :: 1999年以降、[[大カフカス山脈]]の一部である西カフカス山脈は、[[ロシア連邦]]の[[ユネスコ世界遺産]](自然遺産)に登録されている。 ---- :'''小辞典版推奨判定''':「言語+知性 目標値12」、「交流+知性 目標値14」 ::'''詳しい情報''' カフカス地方は、少数民族、少数派言語が多数現存していることで有名な地域。言語学では「言語学上のガラパゴス」の異名で呼ばれる。 :: 多数の少数言語は、カフカス諸語(イベロ・カフカス諸語)、印欧語族に属す諸語、アルタイ諸語に大別され、総数は、50以上とも100に及ぶとも言われる。 :: 現状では、全般にロシア語が共通語的に広く通用する。南カフカス地方では、ロシア語に次いで、ペルシア語、トルコ語が通用する範囲が広い。アラビア語も、南カフカス地方では、ペルシア語、トルコ語に準じて通用する。英、仏、独などの言語の通用範囲はアラビア語以下である。 '''【参照地図】''' *[[Image:Caucasus-ethnic|http://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/f/fa/Caucasus-ethnic.jpg]]{{br}}(カフカス地方、及び周辺の民族分布概略,[[Wikimedia Commons]]) !GM向け参考情報 !!用途  カフカス地方は、カフカス山脈([[大カフカス山脈]])があるだけでなく、全般に山がちな土地が多く、冒険の舞台にはことかきません。  遺跡の類は、比較的マニアックなものが多くなりますが、おそらくはヒッタイト人が[[アナトリア]]高原に侵出していったルートであり、キンメリア人、スキタイ人、メディア人、ペルシア人が南下したルートです。古代史ロマンのネタにはことかきません。  はっきり書くと、山間には僻地が多いので、[[UFO]]が飛んでこようが天使が降臨しようが、場所さえ選べば、異常な事態をおこして事後収拾に困ることも少ないでしょう。  少数民族の存在も、古代史ロマンと絡めた伝奇物語風の題材にはうってつけです。  グルジア、チェチェン、アゼルバイジャンと言った火種を抱えた国が多く、カスピ海沿岸からの石油や天然ガスのパイプラインも敷設され、陰謀の題材にも困りません。ただし、場所によっては、あまり派手なことを起こすと、政治的波及効果を、[[キャンペーン・プレイ]]の内で収拾するのには苦労するかもしれません。陰謀組織もあからさまな部隊の活動は一般人に目撃されないよう注意していることでしょう。  最後の点は、シナリオ・メイクのときの注意ポイントの1つになると思われます。 !!地勢大観  ここでは、地勢の大観のみをし、域内各地の詳細は関連の別項目に譲ります。  カフカス地方は、[[大カフカス山脈]]を境に、[[北カフカス地方]](ブレドカフカジエ、前カフカス地方)と、[[南カフカス地方]](ザカフジエ、後カフカス地方)とに大別される。 :'''北カフカス地方''': 北カフカス地方には、[[ロシア連邦]]の[[南連邦管区|ロシア連邦の南連邦管区]]の一部が含まれる。 :: ロシア連邦構成国の内、北カフカス地方に位置するとされるのは、[[アドゥイゲ共和国]]、[[イングーシ共和国]]、[[カバルダ=バルカル共和国]]、[[カラチャイ=チェルケス共和国]]、[[北オセチア=アラニア共和国]]、[[ダゲスタン共和国]]、[[チェチェン共和国]]の7カ国。[[カルムイキア共和国]]も遠くはない。 :'''南カフカス地方''': 南カフカス地方は、山がちな地勢で、[[トルコ共和国]]領の[[アララト山]]周辺山地から、[[イラン・イスラム共和国]]領の北西端に隣接しつつ[[カスピ海]]西岸に至る[[小カフカス山脈]]が、グルジア中部の[[スラム山脈]]により、[[大カフカス山脈]]と連接されている。 :: スラム山脈は、黒海東岸、グルジア西部の[[コルヒダ低地]]と、カスピ海西岸、[[アゼルバイジャン|アゼルバイジャン共和国]]東部の[[クラ=アラクス低地]]とを扼す形にもなっている。 :: 南カフカス地方の主要部分は、グルジア、アゼルバイジャン共和国とアルメニア共和国とに占められる。グルジア領内には、旧[[南オセチア自治州]]領域や、事実上の独立国[[アブハジア自治共和国]]も含まれる。またアルメニア、アゼルバイジャン両国が旧ソ連から独立して以来、帰属を巡って対立が続いている、[[ナゴルノ・カラバフ共和国]](自称)や、[[ナヒチュヴァン自治共和国]](いわゆるアゼルバイジャン飛び地)も、南カフカス地方に属す。 :: 他に、地理的な意味では、トルコ領の一部も、南カフカス地方に含まれるが、政治的には含めて論じないことの方が普通。 '''【参照地図】''' *[[Caucasus-Region|http://www.carto.net/patterson//gallery/caucasus.jpg]]{{br}}(カフカス地方、及び周辺の地勢,[[Natural Earth Gallery|http://www.shadedrelief.com/natural/pages/gallery.html]],[[Natural Earth|http://www.shadedrelief.com/natural/index.html]]) !!交通路  交通路も、各関連項目に譲ります。 !!古代史などとの関わり  大カフカス山脈、小カフカス山脈と言っても、それぞれに鞍部はあり、地元では、それぞれがさらに細かい山域に細分されています。  ヒッタイト人やスキタイ人と言った、古代民族は、こうした鞍部を経由して東西に進出していきました。  特に、大カフカス山脈の東部と西部との鞍部が「カフカス回廊」と呼ばれます。古代から、キンメリア人、スキタイ人、メディア人、ペルシア人などが[[ヨーロッパ・ロシア]]から南進していったルートと、目されています。 !リンク *[[小辞典]]{{br}}⇔ [[小辞典ワールド編]]{{br}}⇔ [[ランド・マーク]] !!関連項目 *[[カフカス山脈]] *[[北カフカス地方]] *[[小カフカス山脈]] *[[スラム山脈]] *[[大カフカス山脈]] *[[南カフカス地方]] !!資料リンク *[[Wikipedia英語版:Caucasus]]{{br}}[[Wikipedia日本語版:カフカス]] *[[ロシアのカフカス地方|http://www.toonippo.co.jp/news_hyakka/hyakka2004/0903_6.html]]([[Web東奥|http://www.toonippo.co.jp/index.asp]]の[[ニュース百科|http://www.toonippo.co.jp/news_hyakka/index.html]]) *[[カフカス|http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%AB%E3%82%B9]]([[ウィキペディア|http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8]]) //[[日本カフカスクラブ|http://www5e.biglobe.ne.jp/~kafkas/index.html]] *[[「DNA解析がヒト進化の歴史を解明する -2万9千年前のネアンデルタール人の骨-」|http://www.appliedbiosystems.co.jp/website/jp/biobeat/contents.jsp?BIOCONTENTSCD=3224&TYPE=B]]([[Applied Biosystems|http://www.appliedbiosystems.co.jp/website/jp/home/index.jsp]]) *「焦点 カフカスの民族衝突」[[「ナショナル ジオグラフィック 日本版」1996年2月号 第2巻第2号 通巻No.11|http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/bn/199602.shtml]]([[「ナショナル ジオグラフィック日本版」|http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/]]、[[バックナンバー|http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/bn/index.shtml]]){{br}}(コンテンツの紹介ではなく、参考資料の紹介です) *[[ロシア連邦関係の最近のニュース|http://news.google.co.jp/news?hl=ja&ned=jp&ie=UTF-8&q=%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2]]{{br}}[[グルジア関係の最近のニュース|http://news.google.co.jp/news?hl=ja&ned=jp&ie=UTF-8&q=%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%82%A2&btnG=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E6%A4%9C%E7%B4%A2]]{{br}}[[アルメニア関係の最近のニュース|http://news.google.co.jp/news?hl=ja&ned=jp&ie=UTF-8&q=%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%8B%E3%82%A2&btnG=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E6%A4%9C%E7%B4%A2]]{{br}}[[アゼルバイジャン関係の最近のニュース|http://news.google.co.jp/news?hl=ja&ned=jp&ie=UTF-8&q=%E3%82%A2%E3%82%BC%E3%83%AB%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3&btnG=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E6%A4%9C%E7%B4%A2]]{{br}}([[Googleニュース日本版|http://news.google.co.jp/nwshp?ned=jp&topic=w]]) !!補助資料 !!!+αの補助資料{{br}}(あれば便利な補助資料)  「増補待ち」 !!エクストラの補助資料{{br}}(なくても平気だけど、あると面白い) :『民主化以後の南コーカサス 戦略的利益と民主主義理念の相克』:西村 めぐみ 著,多賀出版,Tokyo,2005.{{br}}ISBN 4-8115-7061-8 *{{isbnImg('4811570618')}} *[[bk1の購入案内をみる|http://www.bk1.co.jp/product/2592583/p-sf0023]] !!モア・ディープな補助資料{{br}}(凝ったシナリオ向け) :『カフカース 二つの文明が交差する境界』:木村 崇、鈴木 董、他 共編,彩流社,Tokyo,2006.{{br}}ISBN 4-7791-1215-X *{{isbnImg('477911215X')}} *[[bk1の購入案内をみる|http://www.bk1.co.jp/product/2734924/p-sf0023]] !活用や検討 !!活用 *このページの記事を踏まえた、[[アイディア・フック]]、使ってみた[[シナリオ]]、セッション・レポ、などなど {{comment}} !!重要な改訂の情報 *内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。{{br}}(誤字脱字の訂正や、文章を整える程度では記録不要) {{comment}} !!検討 *このページの記事内容についての質問、重要な疑問、改訂の要望など *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は、随時書換え対象になりえます) {{comment}}