{{toc}} !クラテル *[[シームレス・ワールドの用語|小辞典ワールド編]]解説。 :'''英語表記''':Krater :'''フランス語表記''':Crat?re :'''スペイン語表記''':Cr?tera :'''ロシア語表記''':Кратер :'''アラビア語表記''':(調査中) :'''中文表記''':(調査中) ![[PC|プレイヤー・キャラクター]]が予め知ってていい情報 *「判定処理なしに、[[PC|プレイヤー・キャラクター]]が知ってることにしていい」情報とします。  特に無し。  「クラテル」については、[[「関連技能を持たないPCは、予備知識なし」の処理|+αのワールド用語]]でも不自然ではないと思われます。 !追加情報 *「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。 :'''小事典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値=8〜10」「表現+知性 目標値=10〜12」「情報+知性 目標値10〜12」 ::'''簡単な情報''' (必要に応じて[[ゲーム前ブリーフィング]]や[[ブレイク]]を使い[[GM|ゲーム・マスター]]から素で[[プレイヤー]]に伝えてもいいかもしれない) :: 「クラテル」は、主にポリス時代のギリシア文化圏で作られた壷の1種。([[暗黒期の古代ギリシア]]でも、早い作例はある) :: ポリス時代の古代ギリシアでは、一般に濃縮して保存したワインを水で割って飲んだ。クラテルに、濃縮ワインと水とを1:1〜1:3程度で入れた後、攪拌。飲用酒を造り、椀ですくって飲んだ。クラテルは、主に宴席で用いられた。「混酒器」とも呼ばれている。 :: スキタイ文化圏やケルト文化圏などに輸出された例も知られる。 :'''小辞典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値10〜12」「表現+知性 目標値12〜14」 ::'''やや詳しい情報''' クラテルには陶器で作られた物、青銅で作られた物などがあった。 :: 普通、幅の広い口縁部と胴部、頑丈な脚部を持ち、器形に応じた、以下の4タイプの作例が多い。 ::'''4タイプのクラテル''' *鐘を逆にしたような形状の「ベル・クラテル」 *全体的に花萼のような形状を示す「カリュクス・クラテル」 *円柱状の把手を持つ「コラム・クラテル」 *渦巻状の把手を持つ「ヴォルト・クラテル」 :: 他に、製作時期や製作地域は限られるが、4タイプ以外の形状のクラテルも少数派として存在する。 :'''小辞典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値12〜14」 ::'''詳しい情報''' クラテルの4大タイプでは、最も古いのが「コラム・クラテル」。コリントス地方が発祥地と目される。 :: 「ヴォルト・クラテル」は紀元前6世紀の第2四半期頃から見られ、一般化したのは紀元前5世紀以降。黒絵式の作例は少ない。 :: 「カリュクス・クラテル」は紀元前6世紀の第3四半期から見られ、赤絵式が多い。 :: 「ベル・クラテル」は、紀元前6世紀末頃から見られ、黒絵式の作例は知られていない。 //---- //*「難易度がある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。 ![[GM|ゲーム・マスター]]向け参考情報 *[[GM|ゲーム・マスター]]向けの補足情報、[[マスタリング・チップス|チップス集]]、[[アイデア・フック]]など !!捕捉情報 :'''コラム・クラテル''': 「コラム・クラテル」は、口縁部から左右に突き出した把手が、2本ずつの円柱状の支柱に支えられたタイプ。 :: 末期のコリントス式やラコニア式に見られたものが[[アッティカ]]で模倣された。黒絵式のクラテルでは最も作例が多い。赤絵式も作られたが紀元前5世紀半ば頃には作られなくなっていった。 :: 器の高さは、40〜50cmほどの物が多い。 :'''ヴォルト・クラテル''': 「ヴォルト・クラテル」は、把手の口縁部に接する箇所が渦巻状になっているタイプ。紀元前6世紀末頃から多く作られるようになったが、それ以前からも作例は知られる。 :: 主に南イタリアのギリシア・ポリスで、アッティカ美術の影響を被った工人、特にアプリア系の職人に作られた。他のクラテルに比べれば数は少ない。 :: 器の高さ70cm前後の物が多いが、後期の作ほど細長い形状になる傾向がある。アプリア系の物には1mを越える高さの作例も少なくない。 :'''カリュクス・クラテル''': 「カリュクス・クラテル」は花萼のように開いた胴部を持つタイプ、下部に取り付けられた把手も特徴。赤絵式の作例が多いが、黒絵の時代にも作られてはいた。 :: 器の高さは、40〜50cmほどの物が多いが、後期の作例ほど細長くなる傾向がある。赤絵式末期には60cm以上の高さの作例も知られている。 :'''ベル・クラテル''': 「ベル・クラテル」は、鐘を逆さにしたような形状で、口縁部近くの小さな把手も特徴。 :: 赤絵陶器の初期から作られはじめ、黒絵式の作例は知られていない。紀元前5世紀前半までの作例は多くはないが、以降は最も一般的なクラテルになり、多数作製された。 :: 器の高さは、40〜50cmほどの物が多い。紀元前5世紀終盤頃、胴の下半部が急にせばまった後、細長く伸びる形状が流行した。 :'''その他の少数派クラテル''': クラテルには4大タイプの他に少数派タイプも知られている。少数派タイプの内でも代表的なものは「スキュフォス・クラテル」や「レベス(ディノスとも)」。 :: 「スキュフォス・クラテル」は、胴部が半球形で、大きなつまみの付いたドーム型の蓋を持ち円錐形の脚部を伴っている。黒絵式の初期作のみが知られている。脚部までを含めた高さ、およそ1m前後の物が多い。 :: 「レベス」または「ディノス」の通称で知られたタイプは、大きな鉢状の胴を持ち、容器の底部は丸い。揃えて作られた脚台に据えて用いられた。レベスは黒絵式の初期に比較的多く作られ、赤絵式でも作られたが、作例はきわめて少ない。 :: ちなみに、「ディノス」は本来、カップ状の器形の容器に用いられた呼称で、混酒器には限らなかった。「レベス」の方は、このタイプの混酒器の呼称。容器の高さ20cm前後で、脚台を含めると70cm前後の物が多かった。 !リンク *[[+αのワールド用語]] *[[小辞典]] !!資料リンク *[[Wikipedia英語版:Krater]] *[[WikimediaCommons:Category:Kraters|http://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Kraters]]{{br}}クラテル関連のファイル集アーガイブ。 !活用や検討 !!活用 *このページの記事を踏まえた、[[アイデア・フック]]、使ってみた[[シナリオ]]、セッション・レポ、などなど {{comment}} !!重要な改訂の情報 *内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。{{br}}(誤字脱字の訂正や、文章を整える程度では記録不要) {{comment}} !!検討 *このページの記事内容についての質問、重要な疑問、改訂の要望など *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は、随時書換え対象になりえます) {{comment}}