{{toc}} !マグレブ (Maghreb) !PCが予め知ってていい情報 *「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。  「マグレブ」は、[[北アフリカ]]の中部から西寄りの一縁の広域を指す地域名。  中世アラブ人が用い始めた地域名で、元々はアラビア語で「日没の方向(西)」を意味した。アラビア語では「マグリブ」、マレに「マグレボ」とも。アラビア語の「マグリブ」は、イスラム教徒が重視する信仰習慣の1つ「日没時の礼拝」も意味する。  英米語の「マグレブ」は、スペイン語の「マレコシュ」から変化したもの。(ただし、スペイン語の「マレコシュ」は、主に現在の[[マラケシュ]]を意味した)  地域名の「マグレブ」は、[[第2次世界大戦]]の前後には、フランス領北アフリカだった地域を指して使われることが多かった。2次大戦後、地域で諸国が独立するにつれマレにしか用いられなくなった。  しかし、1989年に北アフリカのアラブ国家の首脳が協議し、共通の文化背景、歴史背景を基盤にした経済協力機構として、[[アラブ・マグレブ連合]]が1990年に結成された。 !追加情報 *「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。 :'''小辞典版推奨判定''':「情報+知性 目標値10〜12」「歴史+知性 目標値12〜14」 ::'''やや詳しい情報''' 地理的な意味での「マグレブ」は、大まかには「北アフリカの西部」を指し、特に「[[アトラス山脈]]を中心にした一縁」とイメージされがちだ。 :: 広義には「[[サハラ沙漠]]以北で、[[ナイル川]]流域よりも西のアフリカ」とされる。 :: 現在、現存する国家で言うと、[[モロッコ王国]](と[[西サハラ地域]])、[[アルジェリア民主人民共和国]]、[[チュニジア共和国]]、[[社会主義人民リビア=アラブ国|リビア=アラブ国,社会主義人民〜]]の領域、とされることが多く、[[モーリタニア=イスラム共和国]]は、含めたり含めなかったりする。モーリタニア領までを含めた「マグレブ」は、最広義の地域区分と言えるだろう。(モーリタニアは、多くの場合[[西アフリカ]]に区分される) :: 細かく言えば、アラビア語で「バルカ」と呼ばれる[[キレナイカ]]地方は、本来はマグレブに含まれなかった。歴史的には、「マグレブ」は、[[トリポリアタニア]]及び、[[フェザーン]]以西の北アフリカを指した。つまり、「ナイル川より流域より西」とは言っても、現在も、中世も、[[現エジプト領|エジプト=アラブ共和国]]は含まれなかった。(古代には、マグレブにあたる地域概念はなかった) :'''小辞典版推奨判定''':「言語+知性 目標値8〜10」「交流+知性 目標値10〜12」 ::'''やや詳しい情報''' アラビア語では、しばしばモロッコ王国の略称として「マグレブ」を用いることがある。 :: モロッコ王国のアラビア語正称が、「アル=マムラカ・アル=マグリビーヤ(日の没する地の王国)」であるためだ。「マグレブ」をモロッコの略称に使う用法は、欧米語ではほとんど用いられない。 :'''小辞典版推奨判定''':「交流+知性 目標値10〜12」「言語+知性 目標値12〜14」「歴史+知性 目標値12〜14」 ::'''やや詳しい情報''' マグレブ地域の住民、出身者は、欧米語で「マグレビアン(Maghrebian)」あるいは、「マグレビ(Maghrebi)」と総称される。時として、ムーア人、とも呼ばれる。「マグレビ」の呼称は、アラビア語の会話でも通じるようだ。 :: マグレビたちは、アラブ人とベルベル人との文化的な混交から生まれた、と目されている。 :: ベルベル系の言語は、現在でもマグレブ地方の各地で用いられている。ただし、ベルベル系の言語は、現在、各所での分化が大きくなっているが、アラブ・イスラム勢の到来以前は、地域の[[共通語]]のように用いられていたようだ。族際語だったのかもしれない。マグレブ地方では、アラビア語のマグレブ方言も、多く用いられている。 :'''小辞典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値10〜12」 ::'''やや詳しい情報''' マグレブにあたる地域は、古代末には、沿岸部が[[カルタゴ]]など[[フェニキア系|フェニキア]]都市国家の領域で、内陸部は、主に現在のベルベル人の祖先集団にあたる古代リビア系遊牧民の領域だった。 :: [[古代ローマ]]が、カルタゴを滅ぼし、沿岸部に入植した後も、内陸部と沿岸部の棲み分け図式は、大枠としては続いた。マグレブ地方の古代リビア系遊牧民の歴史は、文献記録に乏しく、知られる記録は、ギリシア、ローマ側による、異文化からの記録が主になっている。マグレブにあたる地域の古代史解明には、考古学的手法による解明が期待される。 !GM向け参考情報 *GM向けの補足情報、マスタリング・チップス、アイディア・フックなど !!補足情報  「マグレブ」のことを「西方アラブ世界」と意訳することも、ままあるようです。「アラブ諸国が成立した、広域地域の西部」と言う意味でしょう。この言い方は、アラブ人居住圏の広がりを、アラビア半島を中心に考えるとき、大づかみに直観し易い言い方かもしれません。  何より、元々アラブ人が「マグレブ」に込めていた語感をイメージし易いところがいいと思います。  ただ、逆を言えば、アラブ人居住圏の地理的イメージがあやふやだと、かえって勘違いを招く危険性もあるので要注意です。  とりあえず、欧米人設定のキャラにとっては「フランス領北アフリカだった地域を指す半ば歴史的な地域名」ってとこから押さえてくと、いいのではないでしょうか(?)。 !リンク *[[小辞典]]{{br}}⇔ [[小辞典ワールド編]]{{br}}⇔ [[ランド・マーク]] !!関連項目 *[[アラブ・マグレブ連合]] *[[北アフリカ]] !!資料リンク *[[Wikipedia英語版:Maghreb]] !!補助資料 !!!あれば便利な補助資料 :旅行人ノート『アフリカ 改訂版 アフリカ大陸37カ国ガイド』:旅行人編集室 編著,旅行人,Tokyo,1999.{{br}}ISBN 4-947702-24-9 *{{isbnImg('4947702249')}} *[[bk1の購入案内をみる|http://www.bk1.co.jp/product/1711558/p-sf0023]] :『マグレブ紀行』(中公新書):川田 順造 著,中央公論新社,Tokyo,1999.{{br}}ISBN 4-12-170246-8 *{{isbnImg('4121702468')}} *[[bk1の購入案内をみる|http://www.bk1.co.jp/product/1701274/p-sf0023]] :暮らしがわかるアジア読本『アラブ』:大塚 和夫 編,河出書房新社,Tokyo,1998.{{br}}ISBN 4-309-72465-5 *{{isbnImg('4309724655')}} *[[bk1の購入案内をみる|http://www.bk1.co.jp/product/1563346/p-sf0023]] !!!エクストラの補助資料{{br}}(なくても平気だけど、あると面白い)  「増補待ち」 !!!モア・ディープな補助資料{{br}}(凝ったシナリオ向け) :『マグレブ 複数文化のトポス ハティビ評論集 』:アブデルケビール・ハティビ 著、沢田 直 編訳、福田 育弘 訳,青土社,Tokyo,2004.{{br}}ISBN 4-7917-6134-0 *{{isbnImg('4791761340')}} *[[bk1の購入案内をみる|http://www.bk1.co.jp/product/2465446/p-sf0023]] :『北アフリカ地域統合と民主化 アラブマグレブの選択』:吉田 啓太 著,彩流社,Tokyo,2005.{{br}}ISBN 4-88202-983-9 *{{isbnImg('4882029839')}} *[[bk1の購入案内をみる|http://www.bk1.co.jp/product/2544278/p-sf0023]] !活用や検討 !!活用 *このページの記事を踏まえた、[[アイディア・フック]]、使ってみた[[シナリオ]]、セッション・レポ、などなど {{comment}} !!重要な改訂の情報 *内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。{{br}}(誤字脱字の訂正や、文章を整える程度では記録不要) *2006-10-01 (日) 05:52:24 鍼原神無 : 解説記事の内容を、少し詳しく補完しました。 *2007-02-13 (火) 00:30:43 鍼原神無 : 解説記事を、少し詳しく補完しました。 {{comment}} !!検討 *このページの記事内容についての質問、重要な疑問、改訂の要望など *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は、随時書換え対象になりえます) {{comment}}