{{toc}} !マンディリオン *[[シームレス・ワールドの用語|小辞典ワールド編]]解説。 :'''英語表記''':Mandylion :'''フランス語表記''':Mandylion :'''スペイン語表記''':Mandylion :'''ロシア語表記''':Мандилио?н :'''アラビア語表記''':(調査中) :'''中文表記''':(調査中) ![[PC|プレイヤー・キャラクター]]が予め知ってていい情報 *「判定処理なしに、[[PC|プレイヤー・キャラクター]]が知ってることにしていい」情報とします。  特に無し。  「マンディリオン」については、一応、[[「関連技能を持たないPCは、予備知識なし」の処理|+αのワールド用語]]でも不自然では無い扱いとしておきます。  あるいは、「キリスト教の宗教画の1種だったと聞いた覚えがある」くらいの扱いでもいいかもしれません。[[GM|ゲーム・マスター]]の裁量に従ってください。 !追加情報 *「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。 :'''小辞典版推奨判定''':「表現+知性 目標値8〜10」「歴史+知性 目標値10〜12」 ::'''簡単な情報''' (必要に応じて[[ゲーム前ブリーフィング]]や[[ブレイク]]を使い[[GM|ゲーム・マスター]]から素で[[プレイヤー]]に伝えてもいいかもしれない) :: 「マンディリオン(マンディリオゥン)」は、[[正教会]]で、重んじられた[[イコン(聖像画)]]の1種。 :: イエス・キリストの肖像を、描いたイコンの総称になる。独特のスタイルが共通する。 :: 「マンディリオン」は、アラビア語、あるいはアラム語をルーツにした呼称で、「小さなハンカチ」といった意味。 :: この呼称は、「十字架の磔刑にかかる前のイエスが、塗れたハンカチで顔を拭ったところ、布に肖像が現れた」と伝えられる聖書外伝承に由来する。[[エデッサ|古代エデッサ]]の[[アブガル王|アブガル5世]]と、「[[エデッサのマンディリオン]]」にまつわる伝承だ。 :: ただし、「マンディリオン」で、同タイプのイコンを指すのは、美術史などの用語法。正教の伝統では、「マンディリオン」と言えば、「エデッサのマンディリオン」のみを指した。 :: 正教会の伝統では、美術史で言う「マンディリオン」の類は、「アキロポイエタス(Achieropoietos)」と呼ばれる。こちらは「人の手に依らない」の意味。 :: マンディリオンの伝承に類似した聖書外伝承には、西方キリスト教でよく知られた「ヴェロニカのヴェール」がある。「マンディリオン伝承」と「ヴェロニカ伝承」は別系統の物語。 :'''小辞典版推奨判定''':「表現+知性 目標値10〜12」 ::'''やや詳しい情報'''  「『マンディリオン』と呼ばれる幾つものイコンは、オリジナルと信じられた『エデッサのマンディリオン』をイメージして描かれたものです。『エデッサのマンディリオン』が、『人の手に依らない』聖画像と信じられたわけですな。 :: とは言うものの、多数のイコンを描いた修道士たちは、オリジナルのマンディリオンを、今風に模写しようとしたわけではございません。 :: オリジナルを通して、彼らに示された([[直観|直観技能]]された)救世主の姿を伝えようとしたのです。 :: 伝統的なイコンの習慣では、制作者のサインは裏面に記されますが、『誰某(製作者)の手を使って、聖霊によって描かれた』のように記すのが慣わしでした。 :: イコンを制作した修道士たちも、イコンを崇敬した東方正教の信徒たちも、イコンを通じて宗教的な幻視体験を得ようとした、と言ってよろしいでしょう。 :: マンディリオンに限らず、イコンの類のよさは、なかなか伝わりません。別に、信仰心が薄くとも構わないと思います。ただ、薄暗い聖堂の内で、蝋燭の明かりで見ますと、一番よく鑑賞できますな」―― ''趣味の古美術商'' ::'''【参照イメージ】''' *[[Mandylion|http://ikonmaleri.no/galleri/kristus4_eng.htm]]([[IKONOMALERI|http://ikonmaleri.no/]]) *[[Category:Mandylion|http://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Mandylion]]([[Wikimedia Commons|http://commons.wikimedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8]]) :'''小辞典版推奨判定''':「表現+知性 目標値12〜14」 ::'''やや詳しい情報''' 「『マンディリオン』では、様式化されたイエス・キリストの肖像を円盤状の聖光(ヘイロー)で囲み、背景には、より、リアリスティックな描法で布(ハンカチ)を描きます。 :: 首から下は描かないのが基本ですな(一部に、首を描いた作例もあります)。これは、もちろん、イエスがハンカチで顔を拭ったところ『人の手に依らず』肖像が現れた、との伝承に基づきます」―― ''趣味の古美術商'' :'''小辞典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値12〜14」 ::'''やや詳しい情報''' 3世紀〜4世紀頃までは、ユダヤ教以来の偶像禁止に従いシンボルで表されることが多かったイエスだが、4世紀には肖像が描かれるようになっていた。 :: エデッサの[[アブガル5世]]とマンディリオンについての伝説は、4世紀には最も古く筆記された例がある、とも言われるが[[疑問視する説もある|定かでない]]。 :: 古い伝承は、アブガル王とイエスとの間の往復書簡についてで、マンディリオンについての言及はないからだ。 :: あるいは、現在伝わってないだけで、3世紀後半頃にもイエスの肖像が描かれていたのかもしれない。少なくとも、3世紀末〜4世紀頃にかけて、キリスト教会、信徒団の内外で、イエスの肖像を描くことについての議論が始まっていた。 :: 正教圏で盛んにイコンが描かれるようになったのは8世紀以降だが、イコンを描く風習がいつ頃からはじまっていたかについては[[諸説ある]]。マンディリオン・スタイルのイコンが描かれはじめたのが、いつの頃からかも[[よくわからない|定かでない]]。 :: イコンを、「人の手に依らないものだ」とする神学的な見解が、公に唱えられたのは、おそらく6世紀の末頃と思われる。もちろん、それ以前からイコンの類は描かれており、6世紀以降の、イコンに反対する宗教活動は断続し、繰り返し論争が起きた。 //---- //*「難易度が、ある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。 ![[GM|ゲーム・マスター]]向け参考情報 *[[GM|ゲーム・マスター]]向けの補足情報、[[マスタリング・チップス|チップス集]]、[[アイデア・フック]]など !!運用  一応、「[[関連技能を持たないPCが知らない|+αのワールド用語]]でいてもおかしくない扱い」にしておきましたが。運用には融通を利かせていいと思います。  特に、ギリシア国籍やロシア国籍のキャラクターは、知ってることにしてもおかしくはないと思います。「アキロポイエタス(マンディリオン)がどんなものか」までなら、東欧出身のキャラクターまで「予め知ってる」ことにしてもおかしくないかもしれません。  [[アブガル王の伝承|アブガル5世]]は、西欧でもアイルランド教会などでは重んじられたようです。しかし、一般には、西欧の信徒の間では[[ヴェロニカの伝承|ヴェロニカのヴェール]]の方が、より人気があったらしい。現在でも、「ヴェロニカのヴェール」の方が、より広く知られているようです。 !リンク *[[小辞典]] *[[+αのワールド用語]] !!関連項目 *[[アブガル5世]] *[[ヴェロニカのヴェイル]] *[[エデッサのマンディリオン]] !!資料リンク *[[The Mandylion|http://www.printeryhouse.org/mall/Icons/Portraits/a12.asp]]([[SPIRIT RESTRATION.org|http://spiritrestoration.org/index.html]]) *[[Wikipedia英語版:Image_of_Edessa]] !活用や検討 !!活用 *このページの記事を踏まえた、[[アイデア・フック]]、使ってみた[[シナリオ]]、セッション・レポ、などなど {{comment}} !!重要な改訂の情報 *内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。{{br}}(誤字脱字の訂正や、文章を整える程度では記録不要) {{comment}} !!検討 *このページの記事内容についての質問、重要な疑問、改訂の要望など *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は、随時書換え対象になりえます) {{comment}}