{{toc}} !ナショナル・トラスト :'''英語名''':National trust !PCが予め知ってていい情報 *「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。  「ナショナル・トラスト」は、[[U.K.(連合王国)]]で生まれた、自然保護、及び、歴史記念物の保護活動。  広く募金を募り、価値ある自然環境や歴史的建造物を保存することが活動主旨は。多くの場合、保護対象を公開しつつ、次代に引き継いでいくことが目指される。  「ナショナル・トラスト活動」と総称し、同種の団体とそれらの活動も一括することがある。また、ナショナル・トラスト活動の保護対象を指して「ナショナル・トラスト」と呼ぶこともある。  「ザ・ナショナル・トラスト(The National Trust)」と表記すると、U.K.のナショナル・トラストである“National Trust for Places of Historic Interest or Natural Beauty”を意味する。([[スコットランド]]では、ザ・ナショナル・トラストから分離し協力関係にある別組織が営まれている)  現在、世界各国に同様の目的の民間団体が生まれており、これらも「ナショナル・トラスト活動」と一括される。しかし、各国の法制に併せて、その活動内容にはかなりの相違も見られるのが実情。  多数の市民から寄せられた資金で、土地、建物を取得し管理をおこなうことが共通の基本方式になっている。しかし、資金を集める方法や実行団体の性格などに応じ様々な活動がある。(例えば、日本では、対象物件やその敷地の買い上げを自治体に求める方式の活動が盛ん) !追加情報 *「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。 :'''小辞典版推奨判定''':「情報+知性 目標値8〜10」「歴史+知性 目標値10〜12」 ::'''やや詳しい情報''' [[U.K.(連合王国)]]では、政府はナショナル・トラストに類した活動に経済援助をしないが、幾つもの法的特権を認めることが、基本政策になっている。U.K.らしいD.I.Y.(Do it youraself)の政策と言える。 ::(実際は、半官半民の「イングリッシュ・ヘリテイジ」もある) :: 例えば、U.K.のナショナル・トラスト活動では、保存対象に資産としての譲渡不能を宣言する権利が認められている。この宣言を受けた対象は、以降、売却されず、抵当の対象にもできず、国会での特別の議決がなければ、強制徴用されることもない。所有者が、ナショナル・トラスト団体へ所有権の一部を委ねても、保護について将来に渡る信頼感が持てるよう、政府が保証を与えた型になっている。 :: 現在、U.K.各地で保護されている歴史的景観、あるいは歴史的建造物の内には、ナショナル・トラスト活動によって民間保護されているものが少なくない。また、U.K.のナショナル・トラスト活動は、土地や建物だけでなく、家具や絵画などにも適用されている。さらに、ナショナル・トラスト団体に寄贈された資産は、税制上の優遇も受ける。 ---- *「難易度が、ある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。 :'''小辞典版推奨判定''':「情報+知性 目標値10〜12」「歴史+知性 目標値12〜14」 ::'''さらに詳しい情報''' [[U.K.(連合王国)]]のナショナル・トラストは、1894年から、今で言うNGOに相当する民間法人組織が創設され、営まれている。 :: 運動の前身としては、1865年に結成された「共用地保存協会」、1877年に結成された「古建築物保存協会」の活動があった。 :: 現在は、スコットランドを除いた[[U.K.(連合王国)]]全域で200万人を超える会員を擁している。 ::(ナショナル・トラスト・フォー・スコットランドは、U.K.のナショナル・トラストから分離した団体だが、相互会員協定が結ばれている) :: 他に、半官半民の「[[イングリッシュ・ヘリテイジ]]」、ウェールズの「CADW(カデュー)」、スコットランドの「ヒストリック・スコットランド」が、各地の史跡や文化財を保護している。また、野生動物、自然環境、歴史的景観を保護している民間、及び、半官の団体としては「フレンド・オブ・ジ・アース」「グリーン・ピース」「王立鳥類保護協会」「ワイルドライフ・トラスト」「ウッドランド・トラスト」などがある。 :: 一説に、U.K.本土のおよそ1%にあたる土地が、ナショナル・トラスト活動で保全されている、と言われる。(これは、日本の埼玉県県域に匹敵する面積になる) !GM向け参考情報 *GM向けの補足情報、[[マスタリング・チップス|チップス集]]、[[アイデア・フック]]など  [[U.K.(連合王国)]]の場合、ナショナル・トラストの保護対象は、私有地にある遺跡でも、一般公開が義務づけられています。ただし、この公開は、有償でも構わず、[[セント・キルダ諸島]]のように、観覧員数に制限を加ええている事例もあります。  各ナショナル・トラスト団体と、[[ローズ考古学財団]]との関係は、[[ルールブック]]ではオフィシャル設定されていません。財団の設定に関ることなので、もし、何かの追加設定をするなら、ハウス設定になると思います。  [[シナリオ]]」用のフィクション設定としては、U.K.の地方で、あえてナショナル・トラストに登録されてない史跡が私有地に隠匿されてて、偏屈な貴族の末裔がひっそり護っている、とかを考えてもおもしろいと思います。 !!ナショナル・トラストと財団のハウス設定(例)  もし、各ナショナル・トラスト団体と、[[ローズ考古学財団]]との関係をハウス設定するとしたら、[[U.K.(連合王国)]]領内に限定して、各団体に財団が多額の寄付をしていると設定。財団所属のIDカードを見せると会員扱いになって、ナショナル・トラスト対象地域には無料で入場できる、とかが無難な線でしょうか。  ちなみに、U.K.には「グレイト・ブリティッシュ・ヘリティジ・パス」という制度があります。このパスを購入すると有効期間中各種ナショナル・トラスト団体の管理地域に無償で入場できます。ただし、購入できるのは外国籍の者のみで、購入時にパスポートを提示する必要あります。 !リンク *[[小辞典]]{{br}}⇔ [[小辞典ワールド編]] !!資料リンク *[[Wikipedia日本語版:ナショナル・トラスト]]{{br}}[[Wikipedia日本語版:ナショナルトラスト運動]] *[[Wikipedia英語版:National_Trust_for_Places_of_Historic_Interest_or_Natural_Beauty]] *「[[ナショナルトラスト|http://www.asaint.co.uk/guide/seikatu/culture/culture_9.html]]」([[イギリス生活ガイド|http://www.asaint.co.uk/index.html]]) *「[[ナショナルトラスト|http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1999]]」([[EICネット|http://www.eic.or.jp/]]) !!補助資料 :『ナショナル・トラスト 自然と歴史的環境を守る住民運動ナショナル・トラストのすべて』(新版):木原 啓吉 著,三省堂,Tokyo,1998. *{{isbnImg('4385358753')}} *[[bk1の購入案内をみる|http://www.bk1.co.jp/product/1599016/p-sf0023]] :『イギリスナショナル・トラストを旅する』:横川 節子 著,千早書房,Tokyo,2001. *{{isbnImg('4884924010')}} *[[bk1の購入案内をみる|http://www.bk1.co.jp/product/2015087/p-sf0023]] :『ナショナル・トラストの軌跡 1895〜1945年』:四元 忠博 著,緑風出版,Tokyo,2003. *{{isbnImg('4846103099')}} *[[bk1の購入案内をみる|http://www.bk1.co.jp/product/2344929/p-sf0023]] !活用や検討 !!活用 *このページの記事を踏まえた、[[アイデア・フック]]、使ってみた[[シナリオ]]、セッション・レポ、などなど {{comment}} !!重要な改訂の情報 *内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。{{br}}(誤字脱字の訂正や、文章を整える程度では記録不要) {{comment}} !!検討 *このページの記事内容についての質問、重要な疑問、改訂の要望など *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は、随時書換え対象になりえます) {{comment}}