{{toc}} !アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群 {{br}}アブ・シンベルからフィラエまでのヌビアいせきぐん {{br}}(Nubian Monuments from Abu Simbel to Philae) !PCが予め知ってていい情報  「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」は、[[エジプト=アラブ共和国]]南部に存在する[[ユネスコ世界遺産]]の登録名。1979年以降、文化遺産として登録されている。  [[アスワン県]]南部で、[[ハイダム湖]]周辺に散在する遺跡群を一括したもの。[[アブ・シンベル神殿]]や[[イシス神殿|フィラエ島のイシス神殿]]が代表格の[[遺構]]として有名。  '''【参照イメージ】''' *[[Nubian Monuments|http://www.homestead.com/wysinger/ancientafrica8.html]]([[Ancient Africa's Black Kingdom|http://www.homestead.com/wysinger/ancientafrica.html]]) *[[Nubian Monuments from Abu Simbel to Philae|http://www.worldheritagesite.org/sites/nubianmonuments.html]]([[World Heritage Site|http://www.worldheritagesite.org/]]) '''【参照地図】''' *[[Aswan Governorate|http://en.wikipedia.org/wiki/Aswan_Governorate]]([[WIKIPEDIA The Free Encyclopedeia(英文版)|http://en.wikipedia.org/wiki/Main_Page]]) *[[Nile South 地図|http://www.supertravelnet.com/maps/index.php?action=showmap&country=152_9003_6&language=33]]([[STN.com|http://www.supertravelnet.com/serv/?country=7_0_2&idcode=20001293&ehto=3&x=a.welcome&tapsvisible=1&language=33]]){{br}}“Nile South”は、STNが採用している便宜的な地域名と見た方がいいでしょう。エジプト・ローカルでは通じるかもしれませんが、そう一般的な地域名とも思えません。 !追加情報 :'''小辞典版推奨判定''':「情報+知性 目標値8〜10」 ::'''やや詳しい情報''' 「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」は、[[アスワン・ハイダム]]の建造に伴い、[[アスワン・ダム]]より上流の人口湖周辺(狭義の[[ヌビア地域|歴史的ヌビア地域]])で水没の危機に瀕した遺跡群の内、移築作業により保全された一群の遺跡を指す。 :: この遺跡群は、[[アスワン県]]の南部で、[[アスワン市]]市街よりも南で、[[アスワン・ダム]](アスワン・ロウダム)の人口湖から、[[アスワン・ハイダム]]の人口湖湖畔に渡って散在している。 :: [[アブ・シンベル神殿]]と、[[フィラエ島]]から[[アギルキア島]]に移築された[[イシス神殿|フィラエ島のイシス神殿]]とが有名。他に、ハトホル神殿、カラブシャ神殿、ケルタッシ神殿、ベイト・アル・ワーリ神殿、ダッカ神殿などが移築された。 :: アスワン・ハイダムは、1960年に着工され、1970年に完工。 :: 「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」の移築は、アスワン・ハイダム起工が報じられた後に[[ユネスコ]]が提唱。各国の協力を得て1960年代から1980年頃にかけて実行された。移築が不可能と判断され、レリーフなどを分解し、一部保存のみに断念された遺跡も少なくはなかった。 :'''小辞典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値10〜12」 ::'''やや詳しい情報''' 「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群(Nubian Monuments from Abu Simbel to Philae)」、今更だが、何かと誤解を招き易い件名になっている。60年代当時の[[ユネスコ]]のあわてぶりが想像される。 :: まず、“Nubian Monuments”だが、これは「ヌビア地域の記念建築物(Monuments at Nubian-area)ととるべきで、保全されたいずれの[[古代遺構|遺構]]もヌビア系(nubian)文物ではない。次に「アブシンベル・からフィラエまで」は「エジプトのヌビア地域」ではあっても、[[歴史的ヌビア地域]]の全体からみると極一部に過ぎない。 :: もちろん、遺跡群がヌビア文化と無関係とは言えない。もともと[[アスワン一帯]]の土地は、ヌビア文化と古代エジプト文化とが入り混じった土地だからだ。また、古代ヌビア文化が、エジプト文化を租借しながら独自の文化を生み出して行ったことも確かだ。 :: しかし、[[下ヌビア|歴史的ヌビア地域]]に遺る、よりヌビア的な[[遺跡]]と比較すると、「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア記念建築物(Monuments)」はあまりにエジプト的だ。 :: 「古代エジプトの貴重な遺産」ではあっても「古代ヌビア文化の典型」ではない。 :: 1960年代の前半は、移築の予備調査と並行して、ヌビア遺跡地帯の発掘調査もダム工事と競争しながら取り組まれた。現在移築保全された遺構群も貴重だが、人口湖の湖底に沈んでしまった[[遺跡地帯]]の発掘記録も、ユネスコの達成として記憶されるべきである。 !GM向け参考情報 !!用途  アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群は、一般人が「遺跡」と聞いてイメージする石造りの大きな[[遺構]]が多く、観光スポットになっています。  遺跡群が散在する、アスワン・ロウダムから、アスワン・ハイダムにかけての一縁は、[[カイロ]]からギザにかけての一縁、[[ルクソール]]に継ぐ、エジプトの観光スポットになっています。[[アレクサンドリア|アレクサンドリア,エジプトの〜]]に匹敵するかもしれませんが、アレクサンドリアの方が長期滞在の外国人も多いリゾート地であるのに対し、より観光地らしい地域とは言えます。[[エジプトの外国人単独行動制限地域]]からは外れていることも大きいです。  交通の便も比較的よく、観光客的な視点から上辺だけを見ると、一見「風光明媚なのんびりした観光地」に見えるはずです。特に、ハイダム湖を行きかうファルーカや、フェリー客船はのんびりした雰囲気をかもし出すことでしょう。  しかし、しかし、[[プロの調査員|ブルーローズのメンバーシップ]]の目から見れば、ハイダムは軍事拠点、防衛拠点であり、[[スーダン|スーダン共和国]]国境の国境警備も厳しい地域であるはずです。  考古学的には、実は[[ユネスコ世界遺産]]に指定されている[[遺構]]の多くは、[[中王国時代|古代エジプトの中王国時代]]以降の構築物です。地域はさらに古くに遡りますが、一般観光客の多くは、そこまでは意識していないでしょう。  例えば、ハイダム湖に沈んでいる、より古い遺跡を絡めた[[シナリオ]]などは「[[ブルーローズ]]」らしいかもしれません。正規の調査をするとなると、申請や認可などが大変で、エジプト当局からいろいろ制限もつけられそうです。しかし、[[陰謀組織]]が密かにおこなう不正規発掘なら、そうしたことも気にする必要はありません(もちろん、当局にかぎつけられないような警戒は必要ですが)。  PCチームがそうした不正規調査を阻止した、と思えるところから、[[オーパーツ]]かもしれない謎の出土[[遺物]]を追う[[ワールド・ワイド]]な冒険がはじまる、なんて[[シナリオ]]はおもしろそうです。 !!関連遺跡 :[[アブ・シンベル神殿]]: [[古代エジプト]][[第19王朝|古代エジプト第19王朝]]の[[ラメセス2世]]命で建立された[[ラー=ホルアクティ神]]の岩窟神殿。現在は、移築され[[ハイダム湖]]西岸の南部に位置している。 :[[ハトホル神殿]]: ラメセス2世の命で、[[ハトホル女神]]と王妃[[ネフェルティティ]]とに献じて建立された岩窟神殿。現在は、[[アブ・シンベル神殿]]の南に隣接する位置に移築されている。 :[[フィラエ島のイシス神殿]]: 現在は、[[アスワン・ロウダム]]の人口湖湖上の北東部で、フィラエ島に隣接したアルギア島に移築されている。イシス神殿自体は、[[プトレマイオス朝]]時代に大々的に増築された物だが、細かく[[分析|分析技能]]すると、いわゆる[[ヘレニズム]]期の建築スタイルが、それ以前の伝統エジプト建築から変遷した様子が察せられる遺構で貴重。 :: 建築複合の内には、「[[ネクタボ1世]]のキオスク」など、プトレマイオス朝以前の構築物や、「[[トラヤヌス帝|トラヤヌス]]のキオスク」などローマ時代の構築物も複合している。 !リンク *[[小辞典]]{{br}}⇔ [[小辞典ワールド編]]{{br}}⇔ [[遺跡]],[[ユネスコ世界遺産]] //関連項目 !資料リンク *[[Nubian Monuments from Abu Simbel to Philae|http://whc.unesco.org/pg.cfm?cid=31&id_site=88]]([[Unesco World Hertage Center|http://whc.unesco.org/]]) !活用や検討 !!活用 !!検討 *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで) ----