{{toc}} !グイマーのステップ・ピラミッド {{br}}(Step Pyramids Of Guimar) 簡易版 !簡易版です。気づいたとこの増補、改訂、優先に大歓迎。 !PCが予め知ってていい情報 *「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。  「グイマーのステップ・ピラミッド」は、[[アフリカ大陸|アフリカ]]の西近海で[[北大西洋|大西洋]]に浮かぶ[[スペイン領|スペイン]]領[[カナリアス諸島]](カナリア諸島)に遺る[[遺構群|遺構]]。諸島内の[[テネリフェ島]]に位置。  比較的簡素な作りだが、[[メソ・アメリカ]]の古代文明で建造された多段式祭壇に、外形が極めて類似した[[ステップ・ピラミッド]]が複数、遺っている。現存するものは6基だが、残念なことに、往時の形状はとどめていなかった。1基のみ、全体が推定復元されている。  1991年の再調査で、この遺構が意図的な建造物だったことが解明された。しかし、かえって遺構の建造者、建造経緯などが謎として提出された型になっている。2006年現在、この謎について定説は、専門的な研究者の間でも成り立っていない。  現在までの歴史整理では、[[遺跡]]自体が場違いなものとしか言えない。遺跡自体が[[オーパーツ]]と言える事例の1つになっている。  1998年以降、遺構群の周辺は、65,000平方mを敷地にした自然保護公園とされている。 '''【参照イメージ】''' *[[Pyramids of Guimar|http://commons.wikimedia.org/wiki/Pyramids_of_G%C3%BC%C3%ADmar]]([[Wikimedia Commons]]) '''【参照地図】''' *[[カナリア諸島 地図|http://www.supertravelnet.com/maps/index.php?action=showmap&country=259_9006_5&language=33]]([[Super Travel Net]]) !やや詳しい情報 *「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。  ステップ・ピラミッド群が存在するグイマーは、スペイン領の[[カナリアス諸島自治県]]に属す[[テネリフェ島]](諸島中央部に位置)東岸で、南北概ね中央に位置する地方自治体。山地から海岸に向かって開けている扇状地もグイマー谷と呼ばれている。  遺構群を擁す自然公園は、扇状地の内陸寄りで基幹道路沿いに位置するグイマーの町の、郊外に設けられている。 ----  遺構の存在は、かねてから知られていたが、[[ステップ・ピラミッド]]である、と認知されたのは、1991年に[[トール・ヘイエルダール]]がおこなった調査結果が、公表された後のこと。  実は、残存していた遺構の多くは、長年、石材として再利用するため島民によって崩された状態だった。テネフェリ島では、農耕地の縁に風除け用の石積みをおこなう習慣が、古くからおこなわれていたためだ。  つまり、農地を囲む石積を作る石材を調達するために遺構は崩され、遺構自体も、放棄された石積みの類とみなされていた。実際、考古調査によれば、現在の自然公園区画の近傍一帯には、かつて9基のステップ・ピラミッドがあった、と推定されている。かつての部分だけでも残存していたのが6基だったわけだ。  島民に伝わる伝承では、かつては、島の各所に無数のステップ・ピラミッドがあったが、いずれも石材確保のために崩されてしまった、と言う。この伝承の真偽は、ほとんど確認不可能と言われている。 !さらに詳しい情報 *「難易度がある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。  ヘイエルダールによる1991年の調査では、次のような事項が明らかにされ、ステップ・ピラミッド群が、無計画な積み石ではなく、計画的に建造された遺構であることが発見された。 *ステップ・ピラミッドの原形で、構造のコーナにあたった、と推定される箇所の石材には、明らかな加工の跡が見てとれる。 *かつて、ステップ・ピラミッドの基礎を成していたと推定される敷地から、整地がなされた痕跡が確認された。 *石材は、溶岩石ではああるが、近傍から得られる類ではない。  ヘイエルダールは、また、ステップ・ピラミッドが、夏至、冬至の日を確認できるカレンダー機能も備えた構造だった、との考察も公表している。  さらにヘイエルダールは、「仮設」と断ったうえで「カナリアス諸島が、アメリカ大陸と[[地中海]]との間でおこなわれた古代航海の拠点だったのではないか」といった趣旨のコメントも述べている。  ステップ・ピラミッドを、どのような集団が、どんな経緯で建造したかについて、説得力のある説明を提出した研究者は、ヘイエルダールも含めて、現在に至るまで現れていない。  わずかな発見として、カナリアス諸島の先住民グアンチェス(guanches)が、ステップ・ピラミッドの地下に掘られた洞穴に居住施設を設けていたことが確認された。この施設は、15世紀にイスパニア王国が諸島を征服する以前、ガンチェスの伝統的な統治者だったと伝えられる、10人の部族王の内の1人が使っていたもの、と考えられている。  また、ステップ・ピラッドとしての認知が成されて以降、ローマ時代に[[大プリニウス]]が記した古代記録が再注目されるようになった。それは、「カルタゴの航海者ハンノがB.C.600年頃の前後に、カナリアス諸島を発見したが、その時は無人であり、廃墟と巨大建築物の遺構があった」という伝聞記録だ。  諸島の先住民グアンチェスは、[[北アフリカ]]から移住した[[ベルベル系民族]]の後裔だったと目されている。幾つかの疑問点について、議論もあるが、大筋の合意がなされている見解だ。  彼らがいつ頃、諸島に移住したかは定かに解明されていない。大プリニウスが記した情報を信じるならば、ステップ・ピラミッドの建造者は、グアンチェスの祖先が諸島に移住するよりも前に、少なくとも島に滞在したことがある、ということになる。 !GM向け参考情報 !!アイディア・フック  グイマーのステップ・ピラミッドについては、今のところ建造時期も建造者も建造経緯も、ほとんど定説が成り立っていないようです。  多分、ヘイエルダールのものも含めて、幾つかの仮設は唱えられているだろうとは想像されますが。おそらく、きちんとした議論をはじめるには、関連した情報や証拠が少なすぎるのが現状、と言ったところなのでしょう。  トンデモ・ネタを投入するのに、今が旬ということです。 ----  ところで、2006年8月の報道によれば、諸島の先住民グアンチェスのミイラが1体、近くスペイン本土のマドリード博物館から、カナリヤ諸島のテネフェリ博物館に返還される見込み、だそうです。ただし、スペイン議会の承認が必要なので、具体的な日程は未定とのこと。  「スペイン(イスパニア)による征服以前に、既にミイラとして埋葬されていた重要人物の可能性もある」そうです。「[[ブルーローズ]]」の題材としては、「可能性もある」はいいですね。「[[定かでない]]」ってことですから。 '''【参考情報】''' *[[先住民のミイラ、諸島に返還についての報道 2006年8月22日報道|http://www.cnn.co.jp/science/CNN200608220013.html]]([[CNN.co.jp|http://www.cnn.co.jp/world/world.html]]) !リンク *[[小辞典]]{{br}}⇔ [[小辞典ワールド編]]{{br}}⇔ [[アーティファクツやオーパーツ・ソース]],[[遺跡]] !!関連項目 *[[カナリアス諸島]] *[[カナリアス諸島自治県]] !!資料リンク *[[Wikipedia英語版:Pyramids of Guimar|http://en.wikipedia.org/wiki/Pyramids_of_Guimar]]{{br}}[[Wikipedia日本語版:グイマーのピラミッド]] *[[自然公園のオフィシャル・サイト|http://www.piramidesdeguimar.net/]]{{br}}英語、スペイン語、ドイツ語からの表示選択可。{{br}}[[What is?|http://www.piramidesdeguimar.net/ingles/pagina.htm]]のページから、[ Infomation ]を経由すると、自然公園のMapが見られる。 !活用や検討 !!活用 *このページの記事を踏まえた、[[アイディア・フック]]、使ってみた[[シナリオ]]、セッション・レポ、などなど {{comment}} !!重要な改訂の情報 *内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。{{br}}(誤字脱字の訂正や、文章を整える程度では記録不要) {{comment}} !!検討 *このページの記事内容についての質問、重要な疑問、改訂の要望など *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は、随時書換え対象になりえます) {{comment}}