{{toc}} !ティアマト女神 {{br}}ティアマトめがみ {{br}}簡易版 !簡易版です。気づいたとこの増補、改訂、優先に大歓迎。 :'''英語表記''':Tiamat(ティアマト,又はティアマットとも) :'''フランス語表記''':Tiamat !PCが予め知ってていい情報 *「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。  「ティアマト女神」は、バビロニア神話で、原初の世界−−つまり、世界が現在のようになる以前に、はじめから存在していた塩水海洋を体現するとされた女神。やはり、原初から存在していた[[アプスー神|アプスー]]の配偶神とされた。  その崇拝は、あるいは、[[アッカド時代]]にまで遡るかもしれないが[[定かではない|定かでない]]。 !やや詳しい情報 *「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。  [[古バビロニア王国]]で重んじられた『[[エヌマ・エリシュ]]』の物語では、ティアマト女神は、[[アプスー神|アプスー]]との間に、ラフム神とラハム女神とを生んだ。ラフム神とラハム女神とは、天の霊アンシャルと地平線の霊キシャルとを生み、アンシャルとキシャルとは、[[天神アン|アン神]]を生んだ。  別のバビロニア神話では、アンシャルとキシャルからは、アン神と[[大地の女神キ|キ女神]]とが生まれた、とされることもある。  さらに後、若い世代の神々(イギギ神群)にアプスー神が殺害される。ティアマト女神は、復讐のため怪物、または魔神の軍団を呼び出して、若神たちに挑むが破れる。 ----  ティアマト女神の神格が、いつの時代まで遡るかについては[[諸説あって|諸説ある]][[定説を見ていない|定かでない]]。この話題は、『[[エヌマ・エリシュ]]』の物語の成立時期の解明に関わって、神話研究者や考古学者の間で、諸説の議論が交わされている。  『エヌマ・エリシュ』は[[アッカド語]]で記されているので、ティアマト女神の神格化も、[[アッカド時代]]か、その少し後までは遡り得るかもしれない。しかし、現在までのところ、確証は乏しい。  研究者の間では、「女神の神格化は[[シュメール時代]]まで遡る」と見る意見も聞かれる。どちらかと言えば、こちらの説は、少数派の意見かもしれない。例えば、シュメール神話では、原初の海洋を体現する神格としては[[ナンム女神]]が知られている。  ナムム女神とティアマト女神のイメージは、知られる神話を読む限り異なる面が多い。ナンム女神をティアマト女神の前身と見ることは難しい。  ティアマト女神の神格が、シュメール時代まで遡り得るとする説は、主に、女神の神名がシュメール後で解釈できるとの語義議論に基づく。シュメール語語義の解釈によれば、“Tiamat”は、ti=生命、amat=母から成り、「生命の母」を意味する、とされる。  しかし、アッカド語もシュメール語もかなり後の時代まで古典語、典礼語として用いられていた。神名が、古い言葉で解釈できるとしても、それは、神格自体が古いことの確証とはなり難い。  ティアマト女神崇拝の証拠がある[[遺跡]]などがシュメール時代にまで遡る、と確認されているわけでもない。少なくとも、判断保留としておくのが慎重な意見とは言えるだろう。 ----  ティアマト女神は、現在、しばしば「竜のような姿をしていた」と紹介されることがある。しかし、これは後世の人間が読み込んだ連想であり、『エヌマ・エリシュ』の知られている物語自体には、そのような描写は見られない。ただし、「尾」を持っているとの記述は見られる。  あるいは、[[キングー]]をはじめ怪物(魔神)の軍勢を呼び出したこと、神名が「生命の海」を意味したことなどから、後世の人間が竜のような姿を連想したのかもしれない。  ティアマト女神のシュメール語による尊称「ウンム・フブル(Ummu-Hubur)」は、「万物を形象りしもの」を意味した。つまり、女神は「原初の海洋を体現」し「万物を生んだ混沌」といった性格を、はじめから持っていた神格だった。それだけに、「混沌の竜」といった連想を招き易かったのだろう。  例えば、[[ベロッソス]]が記した『メソポタミア誌』では、ティアマト女神は「タラッテー」として記されていた。これは「海の女神」を意味した古典ギリシア語「タラッッサ」を踏まえた神名と思われる。 !さらに詳しい情報 *「難易度が、ある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。  『エヌマ・エリシュ』の物語では、ティアマト女神は、そもそもの[[天命の書板]]の所有者とされていた。女神は、海の怪物たちを若い神々に挑ませる時、「3枚の天命の書板」を怪物軍の司令官に選んだ[[キングー]]に授けた。この書板は、その後[[マルドゥック神]]の手に渡った、と語られる。  また、若い神々との戦いに敗れた後、2つに割かれたティアマット女神の体から天と地がしつらえられて、世界が今あるように整えられたこと、女神の2つの目が、それぞれ[[ティグリス川]]と[[ユーフラテス川]]の水源とされたこと、なども『エヌマ・エリシュ』に記されている。 !GM向け参考情報 *GM向けの補足情報、[[マスタリング・チップス|チップス集]]、[[アイデア・フック]]など  「増補待ち」。 !リンク *[[小辞典]]{{br}}⇔ [[小辞典ワールド編]]{{br}}⇔ [[神話、伝説のキャラクター]] !!関連項目 *[[エヌマ・エリシュ]] *[[天命の書板]] !!資料リンク *[[Wikipedia英語版:Tiamat]] !活用や検討 !!活用 *このページの記事を踏まえた、[[アイデア・フック]]、使ってみた[[シナリオ]]、セッション・レポ、などなど {{comment}} !!重要な改訂の情報 *内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。{{br}}(誤字脱字の訂正や、文章を整える程度では記録不要) {{comment}} !!検討 *このページの記事内容についての質問、重要な疑問、改訂の要望など *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は、随時書換え対象になりえます) {{comment}}