!アルメニア人 アルメニアじん (armenian) 暫定版 !記事内容追加調査中の暫定版です !PCが予め知ってていい情報  アルメニア人は、[[南カフカス地方]]に位置する[[アルメニア共和国]]の基幹民族。  [[イラン=イスラム共和国]]、[[トルコ共和国]]、[[シリア=アラブ共和国]]、旧[[ソ連|ソヴィエト連邦]]諸国などに人口が多い。[[ロシア語]]での民族呼称はアルミャン(armyan)。  [[U.S.A.(合衆国)]]、[[フランス共和国]]他、幾つかの国にもコミュニティーを有す地域がある。かなり[[ワールド・ワイド]]に離散している民族の1つ。 !追加情報 :'''小辞典版推奨判定''':「歴史+知性 目標値10〜12」 ::'''やや詳しい情報''' アルメニア人は、紀元前3世紀に[[アルメニア山地]]を中心に大アルメニア王国を築いたが、7世紀〜15世紀にかけ、この領域はアラブ・イスラム勢、ビザンツ帝国、セルジューク朝、モンゴル征西軍などに次々征服され続けた。 :: この間、特に12世紀頃からアルメニア人の離散が進んだ。古代から商業民族として知られたアルメニア人は、商才、及び独自のネットワークと、[[アルメニア正教]]による結びつきとによって、各地に離散しながらも民族集団としての一体性をよく保った。 :: アルメニア人の商才については、すでに古代ローマ帝国の時代から「3人のユダヤ人も1人のアルメニア人にはかなわない」と評されていた。ただし、キリスト教徒相手の金融業は異教徒であるユダヤ教徒に委ね、手は出さなかったとされる。 :'''小辞典版推奨判定''':「魔術+知性 目標値10〜12」「歴史+知性 目標値12〜14」 ::'''やや詳しい情報''' 大アルメニア王国は、A.D.301年にキリスト教を国教として受け入れ、ローマ帝国に先んじてキリスト教を国教化した国となった。アルメニア正教は、単性説の1種を教義にしている。教義は、コプト正教会、シリア正教会と共通のもので、これらの教会は共同陪餐。 :: アルメニア正教の信徒は、南カフカス地方と西アジア地域のアルメニア人に多いが、東方帰一教会のアルメニア・カトリック信徒もいる。また、欧米諸国に居住するアルメニア人には、プロテスタント諸派の信徒も多い。 :: キリスト教を受容する以前は、ゾロアスター教を主に、ゾロアスター教に彩られた民族の伝統神崇拝を並存させていた。 :: ちなみに、ビザンツ帝国では、アルメニア人は、ギリシア系民族に次ぐ勢いで社会の上層に進出。皇帝になったアルメニア人もいた。ヘラクレイオス王朝、マケドニア王朝の2王朝は、ほとんどアルメニア系の集団によって営まれた。 :: しかし、このように、ビザンツに同化していったアルメニア系集団は、ギリシア語の使用、ビザンツ系正教会の信仰(単性説ではない)の受容などにより、アルメニア人の内の多数派からは、はずれていった。 :'''小辞典版推奨判定''':「言語+知性 目標値10〜12」「歴史+知性 目標値12〜14」 ::'''やや詳しい情報''' アルメニア人が母語使用するアルメニア語は、印欧語族系統の言語の1種。アルメニア語による民族自称は「ハイ」。(アルメニアは「ハイアスタン」と呼ばれる) :: アルメニア語は、多くの語彙をペルシア語、ギリシア語などから受け入れているが、言語系統としては、ギリシア語系統の言語と同じ祖語から別れたもの、と推定されている。 :: つまり、古代ミュケナイ語よりも古い、考古学的には未確認の言語から別れてアルメニア語の原型が生まれ、その後、古代ペルシア語の強い影響を被ったとの推定。 :: 「ギリシア語からの語彙受容」は、その後のビザンツ帝国との接触によるもので、すでに歴史学や考古学でも跡付けられる時代の出来事になる。現在のアルメニア語には、他に、ラテン語、フランク語、トルコ語、ロシア語などからの語彙混入が目立ち、東アルメニア語と、西アルメニア語に大別される。 :: [[アルメニア共和国]]で[[公用語]]指定されている公用アルメニア語は、東アルメニア語をベースにしたもの。西アルメニア語は、主に欧米諸国に居住しているアルメニア人に話者が多い。 :: 文字の面では、古アルメニア語の時代にすでに独自のアルメニア文字が使用されていた。 ---- :'''小辞典版推奨判定''':「情報+知性 目標値12〜14」「歴史+知性 目標値14以上」 ::'''詳しい情報''' 旧ソ連時代の1979年、旧ソ連構成国だったアルメニアには、270万人ほどのアルメニア人が住み、旧ソ連邦全体で450万人ほどが居住した、とされる。これらの人口のかなりの部分は、近代アルメニア共和国の建国と前後して、[[アナトリア]]及び[[イラン高原]]方面から、[[南カフカス地方]]へと再移住した人々だったと目される。1979年頃、イランには50万人ほどのアルメニア人が居住した、と言われる。 :: ちなみに、アルメニア側の主張によれば第1次世界大戦中、オスマン=トルコ帝国当局が関与した[[ジェノサイド]]で、アナトリアに居住していたアルメニア人150万人が虐殺された、と言う。この出来事の政治的評価は、現在も[[アルメニア共和国]]と[[トルコ共和国]]との間の歴史問題となっている。 //(参照⇒ [[アルメニア人ジェノサイド問題]]) :: 現在のアルメニア共和国が、旧ソ連構成国から独立した前後にも、各国から再移住した人口は多く、アルメニア共和国の人口増加の一因になっている。 :'''小辞典版推奨判定''':「交流+知性 目標値12〜14」 ::'''詳しい情報''' 南カフカス地方のアルメニア人の伝統社会では、農耕と牧畜を組み合わせ、養蜂も営む生業形態が主流だった。敷物の手工芸が伝統工芸として知られる。 :: 欧米諸国に居住するアルメニア人の間には、商工業の従事者が目立つ。 :: いずれの集団でも、家父長の権威が強い大家族が伝統的。 :'''小辞典版推奨判定''':「言語+知性 目標値12〜14」「表現+知性 目標値14以上」 ::'''詳しい情報''' 民族集団としてのアルメニア人が形成されたのは、現在では、おそらく紀元前1[[千年紀]]頃のことと推測されている。 :: 古代のアルメニア人が伝えた民族神話や叙事詩には、[[ウラルトゥ王国]]と[[アッシリア帝国]]との交戦を反映したエピソードが散見される。また、[[フルリ人]]との接触経験に由来すると思われるエピソードも少なくない。 :: こうした勢力が古代の[[ウラルトゥ山地|アルメニア山地]]で競い合った頃、ウラルトゥ王国やアッシリア帝国に従属的だった山岳民族の間で、アルメニア人の祖先集団が形成されたのだろう、との推測が持たれている。言語分析に基づく有力説としては、印欧語系統のアルメン族が、ウラルトゥ山地に先住していたハイ族と結びつき、アルメニア人の祖先集団が形成された、と言われている。 :'''小辞典版推奨判定''':「魔術+知性 目標値12〜14」「表現+知性 目標値14以上」 ::'''詳しい情報''' 古代アルメニア神話で語られる神格には、ゾロアスター教以前からの古代ペルシア神話の神格(アルメニア神話同様、ゾロアスター教と融和した古代ペルシア神など)が少なくない。 !GM向け参考情報 !!基礎情報 アルメニア人の人口 ||居住地域||居住国||人口概数||統計準拠年|| ||南カフカス地方||アルメニア共和国||290万人||2005年|| ||南カフカス地方||グルジア共和国||24万9千人||2002年|| ||南カフカス地方||ナゴルノ・カラバフ自治共和国||12万人||不明|| ||西アジア地域||イラク共和国||6万人||不明|| ||西アジア地域||イラン=イスラム共和国||20万人||不明|| ||西アジア地域||シリア=アラブ共和国||10万人||不明|| ||西アジア地域||トルコ共和国||4万5千人||不明|| ||西アジア地域||レバノン共和国||7万5千人||不明|| ||広域||ロシア連邦||113万人||2002年|| ||ヨーロッパ地域||ウクライナ||10万人||2001年|| ||ヨーロッパ地域||ギリシア共和国||3万5千人||不明|| ||ヨーロッパ地域||フランス共和国||2万5千人||不明|| ||北米地域||U.S.A.(合衆国)||38万5千人||2002年|| ||北米地域||カナダ||4万人||2001年|| ||南米地域||諸国||15万人||不明|| ||広域||その他の諸国||10万人||不明|| *数値は、[[Armenians|http://en.wikipedia.org/wiki/Armenian_people]]([[WIKIPEDIA The Free Encyclopedeia(英文版)|http://en.wikipedia.org/wiki/Main_Page]])から参照し、端数を丸めました。 !!用途  アルメニア人は、伝奇ロマンの題材としては、たいへん興味深い民族です。「[[ブルーローズ]]」でも、[[ウラルトゥ王国]]や[[アッシリア帝国]]、[[ビザンツ帝国]]や[[十字軍]]など、様々な題材と関わらせることが可能と思われます。  一方で、[[アルメニア人ジェノサイド問題]]のようなデリケートな歴史問題とも関わっていますので、民族自体を正面きって題材にしていくのは、やや大変です。  例えば、古代や中世のアルメニア人の間で、[[超古代文明]]や[[オーパーツ]]、[[古代シャドウ・ウォー|シャドウ・ウォー]]に関わる秘密などを密かに伝承していた少数のアルメニア人集団、などを想定して、民族自体や、[[アルメニア共和国]]の現状とは、直接は深く絡ませない、といったアプローチの方が楽なように思われます。  もちろん、アルメニア共和国の現状と直接は関わらせなくても、脇から絡めててく手法も否定はしませんが、さじ加減が難しいでしょう。欧米諸国にもコミュニティーはありますので、例えば、シリアからはじめて、U.S.A.(合衆国)の都市に飛び、クライマックスはさらに別の場所に転戦、さらなる謎を孕みつつ決着する、なーんてのプランの方が楽にシナリオに活用できそうです。 !リンク *[[小辞典]] //関連項目 //資料リンク !活用や検討 !!活用 ---- !!検討 *検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで) ----