ユラハート

　昔、ユラという名の素晴らしい武器鍛冶の腕をもつ女性がいたが、彼女は女性であるという理由から、その地の鍛冶ギルドに入会を拒まれた。
　すると彼女は、ギルドの最も腕のよい職人に剣を作る勝負を挑んだという。
　彼女は何週間もかけて、非の打ち所がなく美しく優れたレイピアを作り、勝負に勝った。
　しかし、「女ごとき」に負けたことを恨んだその職人が雇った刺客により彼女は殺されたという。
　以来、ユラの話を聞いた多くの女性が職人となり、彼女の剣の複製のような、同じ印の入ったレイピアを数多く作った。
　彼女の作ったオリジナルと、そうした多くの複製品とは、鍛冶師ユラの心が宿っているという意味をこめて、「ユラハート」と総称されている。
　ユラを殺した職人は、それらのユラハートのうちの一本によって斬り殺されたのだ、と逸話は伝えている。

【註釈】
　伝承知識または全般知識で11以上でこの物語を、13以上でユラハートに刻まれる独特の印を知っています。
　ユラハートのオリジナルは素晴らしい装飾の施された最高品質のレイピアですが、現在は行方が分からなくなっています。
　複製品は、品質も価値も物によって様々です。

＜発案者：ローレンシウ＞