ヨックロール

ヨックロール
Yochlol

発案者：ローレンシウ

種　　族：デーモン／異界の生物
Ｍ　　Ｌ：５
出 現 数：単独
編　　成：まれにダークエルフ単体〜数体とともに出現
出現頻度：ごくまれ
知 名 度：１４
行動順位：１０（粘体）／２０（人型）
移動速度：２０
知　　能：高い
反　　応：敵対的、もしくは命令による
生 息 地：地下迷宮、人里、人里遠くの森
知　　覚：魔法
言　　語：下位古代語、エルフ語、その他

【特殊能力】
能　　力：古代語魔法３レベル（魔法強度／魔力＝１３／６）
　　　　　戦闘技能３レベル
　　　　　知識技能３レベル
　　　　　丸呑み（打撃力１０、追加ダメージ５、変則）
　　　　　人型への変化
耐　　性：毒・病気に冒されない
　　　　　精神的な攻撃に耐性（５）
　　　　　武器はクリティカルしない

【戦闘能力】（粘体）
攻撃点／打撃点：「触手（接敵者すべて）：１２（５）／１３」
　　　　　　　　「呑み込み：１２（５）／特殊」
回避点／防御点：「１１（４）／８」

【戦闘能力】（人型）
攻撃点／打撃点：「素手：１３（６）／８」
　　　　　　　　「武器：１３（６）／１１」
回避点／防御点：「１３（６）／７（鎧着用時は軽鎧８、重鎧１０）」

生命点／抵抗値：２５／１５（８）
精神点／抵抗値：２０／１４（７）

【説明】
　常に溶け崩れ続ける積みあがった蝋のように見える、体高２ｍ強の不定形のデーモン。
　大きな目が一つだけついているが、それにもかかわらず魔法知覚を持つ。体からは幾本もの触手が生え、のた打ち回っている。
　
　彼らは体内に一人の人間大の生物を呑み込み、酸で溶かして消化してしまうことができる。取り込まれたものは「締め付け」と同じ扱いで体内からの脱出を試みることも可能である。それ以外の点においては、この能力は「丸呑み」に準じる（誤爆は起こらないが、倒した際の超過ダメージは内部のものに抜ける。また、あえて脱出を試みずにダガー等の武器で体内から攻撃することも出来る）。体内に獲物を取り込んでいる場合、動きが阻害されるためヨックロールの回避点は-2となる。
　また、近くの敵全てを触手で攻撃することが出来、獲物を取り込んでいるときもこれを行える。
　彼らは高い知性を持っているが、貪欲で原始的な食欲と破壊衝動に突き動かされ、暴れ回ることもあるようである。
　
　彼らは不定形の体を使い、人型生物の姿を取る事も出来るが、ほぼ一定の特定の外見にしかなれない。変身には１Ｒを要する。
　その姿は、大抵忘れ得ぬほど美しい人間かエルフ（通常はダークエルフ）の女性である。
　この能力を彼らは主に潜入や誘惑などのために使うが、武器や防具を見につけての戦闘にも使える。
　彼らは変身した時点では裸であり、また人型から粘体に変化すると、身につけていたものは全てその場に落ちてしまう。
　したがって身につけるものがない状態で人型になったり、装備品の面倒が見れない状態で人型から粘体になったりすることは必要に迫られない限りしない。
　
　彼らは殊更魅力的な人型生物の友人や、さらには恋人になったりすることがあるのが知られている。
　ヨックロールが自分からその恋人を裏切って関係を終わらせることはないが、かつて犠牲者の家族や友人だった者達が犠牲者を迫害することによって終わることはしばしばある。彼らは、そのように強い感情の影響で善良な人々や強力な存在の人生が台無しになるのを見て愉しんでいるらしく思われる。実際、もし恋人の知人たちがその人物が選んだパートナーを見ても狼狽していないように思える場合は、ヨックロールはしばしば恋人の傍を離れる。
　友人や恋人を失ってもヨックロールは嘆き悲しんだりしないが、しばしば（勿論その人物が処刑された後で、だが）迫害者たちに完全な怒りをぶつけることはある。
　

　以下の情報は、知名度判定１６以上で判明する。
　
　このデーモンは、比較的新しく生まれてきた新種である。
　古代王国期に、ユルドというヴォエヴォドが、菌類の貴婦人と呼ばれるアークデーモン級の魔神との取引において、カストゥールから入手した実験的な粘体生物を提供した。
　菌類の貴婦人は、菌類や粘体類などを大変好むことを知っていたからである。
　彼女はこの贈り物を喜び、かなりの見返りを与えたが、この粘体生物が自発的に自分に仕えられるほどの知性を持たないことには不満を感じた。
　
　そこで彼女は自分の配下のムルムール種のデーモンに命じ、強制的にこの粘体へ憑依させると、魔術を使って魂をそこに幽閉して融合を永続的なものとした。
　そのデーモンはじきに粘体のもつ原始的な欲求に馴染んでいき、長い年月を過ごすことで、ついに暗い奈落の深みにおいて一体となり、新たな魔神種が生まれたのである。
　このデーモンは現在確認されている限りただ一体のヨックロールたちの上位種であり、”飢餓を与えられし暗黒”と呼ばれている。時間が経てば、ヨックロールたちはより進化し、更に多くの上位種の個体や、将種の個体が出現するかもしれない。
　
　以上のような経緯から、これらのデーモンは他のデーモンとは違い、仮初めの体ではなく物質界で生まれた肉体に宿っている。そのため召喚方法なども特殊と考えられ、元々がヴォエヴォドからもたらされたためかこれらのデーモンがダークエルフの集落などで目撃されることもまれにある。
　彼らは主に集落の有力者の男女に、助言者、暗殺者、そしてたまに愛人として仕える。
　一部の識者たちは彼らを”地上に縛り付けられたデーモン”と呼んでいる。物質界の肉体を持つためか、レッサーバンパイア化したヨックロールすら、今までに数例確認されたことがある。
　彼らは通常のヨックロールにもまして飢餓に駆り立てられ、獲物の血も肉も取り込んで溶かし尽くし、飲み尽くそうとする恐ろしい存在であるという。