主にコリア湾沿岸を中心とする土着信仰である。{{br}}  ミルリス、ミルリース、ミルリフなどと呼ばれ、三叉の矛を携え二股に分かれた海蛇の尾を持つ人間の男性の姿で描かれる。航海と漁の安全を保障すると伝えられ、都市部では「単なる伝承、迷信の類」であると信仰する者も少なくなったが、辺境部の漁村などでは未だ祠が設けられている。{{br}}  祠の内部には三叉の矛を祭った祭壇があり、収穫の一部などの捧げものがなされる。内壁には豊漁祈願や遭難者の無事などを祈る願い事の書かれた羊皮紙や板切れが無数に張ってあるのが一般的である。現在ではその多くは「司祭」の存在しない(いたとしてもいわゆる「奇跡」は行使できない)無人の祠である。ちなみに清掃などの管理は村長あるいは村の有志の手で行われているようだ。{{br}}{{br}}  水神の性質は伝わる地方ごとに微妙に異なり、溺れていたところを助けられた、不漁で困っていた孝行息子に豊漁をもたらしてくれたといったものから、海を汚すものに津波をもたらす荒ぶる神と恐れられていることもある。{{br}}  獲ってはならない魚介類、踏み込んではならない海域・島など禁忌が定められていることもある。そのような地方では、破れば水神の怒りを買い、村を滅ぼされると恐れられ、厳しく制限されている。同様に、人魚は水神の使いであるとされ、食すれば若返る、万病に効くなどと伝えられると共に、決して傷つけてはならないものとされる。ほんの十数年前まで、荒れた海を沈めるために生贄を海に投げ込む儀式を行っていた地方すらある。(邪神ミルリーフと混同されている場合もあるようだ){{br}}  いずれにせよ、水神に対する信仰は「海の守り神」であるに留まらず、多分に「祟り神」として畏敬の念を抱く性質があるものとされる。 <発案者:ステイシス>