!ルナル・サーガの功罪 サプリメント・リプレイ・小説を通して、アートワークがかなり良く統一されていたことは、一風変わった異世界のイメージを伝える上で有効に働いたと言える。 GURPS第3版で標準的とされている総計100CPのキャラクタをPCとするが、このパワーレベルで一般的であるはずの『日常から少し離れたレベルでの冒険』ではなく『偉大な英雄(候補)たちの超人的活躍による冒険』がリプレイ・小説で取り扱われていたため、かなりの齟齬があった。 小説などの状況をシステムで無理なく再現するには200CP以上でプレイすべきである。 [[リプレイ]]の展開は、GM担当の[[友野詳]]によるシネマティックなマスタリング技法(と、CPの数値に捉われない姿勢)に負うところが大きい。結果として、参加するPLたちは非常にそのシネマチックな展開に付き合わざるをえず、第2部などでは様々な軋轢が発生した(第2部主人公ノイエの「おーっと中指がつっちまったぜ」(といってGMに中指をつきたてた例、PCたちの行為の報復処置として殺されたドワーフ少女など))つまりGMのシネマチックなマスタリング、それは最終的には小説として発表されるため、参加するPLたちのモチベーションが大きく阻害された面も否定できない。 つまり主人公格以外のPLたちはシネマチックなマスタリングにおいて脇役でしかないからである。特に第1部では主人公兄妹、SNE社長がプレイしているドワーフ以外は皆悲惨な最期(世界観的には問題ないらしいが)を遂げている。 所属する神殿による特殊武器や特殊呪文などのルナル独自ルールが、原書でのバランスを破るものであったことも指摘できよう。 これらの点より、[[ルナル・サーガ]]は『本来はGURPSでやるものではなかった』と言われる。日本語環境のみでプレイするユーザーにしてみれば特に問題となることは無かったが、様々な抜け穴(脱水魔法によって殺害)など問題も実際に多々内包していた。 しかしルナル・サーガは(それ以外の選択肢が無いからという事実もあるが)日本におけるガープスのファンタジー冒険での標準世界としての地位を確立した世界である。 !話題まとめ !リンク *[[ルナル・サーガ]]