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クローズアップ

クローズアップとは

 続・月夜埜綺譚で追加される新概念で、進行管理系の一つであり、ターン進行?より細かく、戦闘進行よりもゆるやかな、全ての状況をカバーする時間単位を扱うものである。また、従来のシステムで“競合ロール”、および“イベント進行”と呼ばれていたものを、一つの概念として収斂したものでもある。

クローズアップの手順

 以下に書かれるのは通常のクローズアップの手順である。もっとも、クローズアップは可塑性の高いルールであり、簡単な追加要素を加えることで様々なバリアントを生み出すことができる。(それをルール的にも推奨する。)実のところそれは、GMの負荷をあげるものになっているかも知れないが、以前に比べればましだよ、とも思う。

1・クローズアップの宣言

 GMが展開上必要と感じたとき、または、PLがある成果を欲したとき“クローズアップ”で処理することが展開上正しいとGMが判断したとき、GMがクローズアップの開始を宣言する。

 クローズアップ開始の際、GMは以下のものを宣言すること。

目的
クローズアップの目標段階にPCたちが達したとき、何が得られるかをあらかじめ提示する。(※ これは、プレイヤーが何を欲しているか、に準拠すること。そうじゃないクローズアップはオプショナルな運用である。)
目標段階
クローズアップの目的達成に必要な```成功段階```を公開する。(※ 成功数、とも。1回の成功と1段階のレイズを「+1」と数え、失敗を「-1」と数える。)
残り時間
目標段階に達するのに、何回(スパン?)の行動機会があるかどうかを公開する。残り時間のうちに目標段階に達しない場合、クローズアップは失敗として終了する。
タイムスパン
1回の行動機会がゲーム内時間のどのくらいの時間を意味するかを宣言すること。これは難易度には関係ないが、行動選択の“質”に変化を及ぼす。
開始時状況
クローズアップがどういう雰囲気のもと、どういう状況の下に行われているかを「能力値」で宣言する。
要素
ほかに、行動を左右させそうな要素があったら公開しておく。

※そのほかに、必要なら課題のウィークポイントを決定しておき、PLがそこに触れるうまい行動選択を行った場合は、難易度を引き下げるものとする。

ex.

GM「追っかけるね? 了解。じゃあ、赤いカウンタック<ペリカン号>の追跡を始めます。目的は「ペリカン号の捕獲」。目標段階は「4」。残り時間は「2スパン」で、1スパンは「15分」を意味します。状況は「鋭」。とりあえずみんなは稗田先生(PC)の運転する自家用車に乗っている。よろしいですね? 」

クローズアップの進行と経過

 ゲームマスターの宣言した条件に従い、プレイヤーが行動宣言を行っていく。1スパンについて各プレイヤーは1回の行動宣言を行うことができる。とくに行動順位に決まりはないが、あとから行動順位をひっくり返して行動することはできない。事象は、行動順に発生する。(〜の前に〜をしてたことにしていい? は禁止、ということ。)

 クローズアップ時の行為ロールには以下の特性がある。

  • 難易度の基準が「19」となる。(※ 通常は15)
  • GMが宣言した状況と異なる能力値でロールを行う場合は、難易度が1段階難しくなる。(※ 普通の場合は「23」に)
  • 行為に成功すると、成功数に「+1」される。
  • 行為にレイズ成功すると、レイズの一段階ごとにさらに「+1」される。ただしレイズで成功数の上昇以外のオプションを選ぶときは、それに用いたレイズ段階は使用できない。
  • 失敗すると成功数が「-1」される。
  • 「支援行動」を宣言してロールを宣言して成功すると、成功数は上昇しないが、特定の一人のキャラクターの次の行動の難易度が1段階有利「+3」になる。これもレイズ1段階につき1段階ずつさらに上げることができる。

ex. (PC一行は、謎の赤いカウンタック<ペリカン号>を追いかけている。)

芹沢(PC:警察官)「追いつけばいいんだよな。どーせ警察も追いかけてる連中だ。職場の警察署に連絡して、この先の道路に緊急配備網を強いてもらおう。<ペリカン号>をとらえることの捜査上の有効性を上司に説得する感じで、コミュニティ:警察でどうだ?」

GM「いいね。だが簡単でもないかな。警察・鋭で19ください。」

芹沢「(ころころ)おっし! 成功!」

GM「成功に「+1」。残り3です。」

柱崎(PC:リーマン)「じゃあ地図を見て、運転手の稗田先生に支援行動。えーっと、鋭く見るってどういう感じかな?」

GM「言いたいことはわかった(笑)。土地勘・鋭で19」

柱崎「(ころころ)うぃです。成功だね。」

音無(PC:女子高生)「よぉーっし、<ペリカン号>の運転手を「幻惑」してやる。おねがい!冥麿(めいまろ。音無が持つ「護法(メタコネクション)」)…」

柱崎「ちょい待ち。冥麿の能力値って“芸”だろ? 状況は“鋭”だから難易度23になっちゃうよ?」

音無「ぐ…それはたしかに…。ベットすれば行けるけど、まだ冥麿は温存かなあ…。んーーーー(キャラクターシートをのぞき込む)。残念。今回は、パス…。」

稗田(PC:高校教師)「りょーかい。残りは「3」か。ここは一気に決めたいね。ぎゅぎゅんとステアリングを握って、アクセルを踏み込む!」

GM「うむ。制御・普通乗用車・鋭で19」

稗田「ここで2ベット2レイズ! 柱崎くんの援護もあって、実質修正は「+1」。行けえ!(ころころ)」

一同「(ごっくん)」

クローズアップに用いるレイズオプション

 クローズアップのロールにおいても、レイズを用いることができる。ただし原則として、クローズアップは“ある一つの目的を目指して参加者全員で当たる事態”であるため、特別な目的を宣言しない限り、レイズは成功数への寄与として用いられることとなる。

 クローズアップ時に考えられる定番のレイズオプションを以下に述べる。

追加成功[1段階消費]
レイズ1段階を、成功数の「+1」とする。重ねがけしてもかまわない。
状況転換[1段階消費]
クローズアップの「状況」を、リアリティ等の束縛に関係なく、任意のものに変化させる。(描写なしでもかまわないが、どういう演出で転換されるのかを描写した方が面白いと思う。)
追加支援[1段階消費]
「支援行動」の対象となるキャラクターのロールに対して、1度だけ、「+3」修正を加える。重ねがけしてもかまわない。

(思いついたら追加。ただ、別に普通のレイズも使えるのだよな。3〜4段階のレイズを使って、クローズアップの状況を根本から入れ替えるような奇跡を起こす、っていう戦術も、このゲームではありなんだよな、とも思う。)

クローズアップの終了

 成功数が必要に達するか、残り時間が尽きるとクローズアップは終了する。成功すれば、プレイヤーの望む形が得られた状態で次のターンへと進む。(※このとき、原則としてターンをまたがないことに注意。また通常、クローズアップが終了すると、そのターンは終了する。これらの条件の外にあるバリアントも存在する。)

 失敗した場合は、状況から考えられる変化をマスターが描写し、次のターンへと移行する。

クローズアップのバリアント

非公開情報を含むクローズアップ

 要するに、クローズアップ時に宣言しなければならない情報のうち、「必要成功数」「残り時間」のいずれか、または両方を秘匿して行うクローズアップのこと。

(※ 他は秘匿することはほぼあり得ない。もっともクローズアップが成立している背景そのものについて秘匿していることはあり得るが、その場合は、次項の「必要成功数、残り時間が増減するクローズアップ」を適用のこと。)

 ルール的に禁止はしないが、ゲームの公平性(という雰囲気)を保つことが難しくなるため、明確な理由がない限りは使わない方がいい。

必要成功数・残り時間が増減するクローズアップ

 必要成功数・残り時間のうち一つ、または双方が増減するクローズアップもルール的に許可されている。これは、クローズアップに、PCたちがいるクローズアップの外にある要素が何らかの形で関連するときに用いられる。

 どういうふうに適用するにせよ、プレイヤーの同意を得るため、次の説明を開始前にやっておく必要があるだろう。

  • 増減する要素は何か。
  • なぜ要素が増減するのか。(ex.凄腕のドライバーだ、いつお兄様が帰ってくるのかわからない、実は背後で君たちを追いかけている者がいる。)

必要成功数が増減するクローズアップ

 これは、PCたちが行うクローズアップの目的について、同様の、ないしは反する目的をもった集団が、能動的な行動を行っている状況で用いられることが一般的だろう。

 たとえば、カーチェイスである。相手の腕前などを表現する場合に以下のようなランダマイザを用いて成功数を増減させる等考えられる。

カーチェイス「あのハチロク、なんて速さなんだ!」表

 GMは毎スパンの最後に1d6で以下の表を参照すること。

1
おっと! ブレーキミスしてやがる! 行けるぞ!(必要成功数・-1)
2
くそ! なかなかの腕前だ!
3
この慣性ドリフト、本当に素人なのか!?
4
あのハチロク、なんて速さなんだ!
5
嘘だろ! L字溝を使ってドリフトしてやがる!(必要成功数・+1)
6
速すぎる! テールが見えなくなりやがった…(必要成功数・+2)

残り時間が増減するクローズアップ

 PCのクローズアップに直接寄与しないアクションによって、残り時間を増減させることを許してもよい。ほか… (未了)

残り時間がいつ切れるかをランダマイザで決定するクローズアップ

 明確な残り時間ではなく、いつ残り時間が来るかわからない状況でクローズアップを行うことは、スリリングでよいだろう。(馬場講座的?(笑))

 やることとしては、たとえば1d6で1をふったら終了、とかでよいと思う。ただこれに理由をきちんと表現すること。たとえば「とある女の子を説得しているときに、いつ彼女の彼氏が帰ってくるかわからない」とか。

複数の必要成功数が設定されたクローズアップ

(未了)

クローズアップ進行を用いないクローズアップ

(未了)

その精神論(笑)

 月夜埜綺譚はもともと、物語性の強いセッションを生成することをある程度システム化したものであるが、その手法としては、主に“キャラクター能力を有効に使うことが、キャラクターの表現を半ば以上生み出すこと”を背景に、“物語を提案する強力な権限をプレイヤーに与えたこと”による。これは逆説的に言えば、有利なロールプレイを行う機会をキャラクターを記述する数値によって保証した、とも言える。

 クローズアップは、小規模の戦闘や、交渉、情報収集、説得などのよくある状況で、ターン進行のような一度のおおざっぱなロールで解決するのが美しくない流れに置いて使用されることを目的として作られるルールである。数値によるロールを必要とすること、時間管理をすること、そしてより条件が厳しくなることにより、プレイヤーはより深いキャラクターの理解を必要とされる。

 という感じ。

コメント

  • なんかに似ているなあ、と思っていたら、Aの魔方陣でもロータスシティでもなくて、ガンドックも似ているかも知れないけどよく知らなくて、サタスペだった。まあ表現の目標とか実装とかはいろいろ違うのだけど、なんていうかルールの精神の背後にあるものをだいぶパクっているような気がする(苦笑)。まあよいものはよいということで。(はるを)
  • TORGのドラマチック進行?のパクリ?(外野A)
  • んー似てるんですかねえ。TORGって実は人のやったリプレイとかしか読んでないから、詳しくはよくわからんのですが。それとも下の方の精神論をパクリって言われてるんだったりして。…んむ。しかし、どこまで似てるとパクリと言うことになるんだろう。と考え始めると眠れなくなりそうだ。(はるを)
  • そうではない。要するにこのようなコンセプトは誰でも考えるし、そのルール実現方法も、概ね似たにようになる。TORGもこのクローズアップと酷似した「ドラマチックシーン展開」というルールがあり、ほぼこのクローズアップと同様の展開になる。それを実際にパクッタかどうか、は大した問題ではない。ただ、在るルールがあり、その背後にある思想と、その実際の運営ルールの二ヶ所において、実際に似たものとなれば、それはわたしはパクッた、影響を大きく受けている、と思うだけのことで、特に気にする必要はないと思う。ただ、今までにあるルールや、システムの勉強はもっとしておいても問題はないかもしれない。恐らく自分で考えるよりも楽な場合が多い(外野A)
  • なるほどです。んむ、たしかに日本でTRPGやるうえでTORGを知らないのはまずいな、というのを含めて、なるほどです。……ちなみに楽なのは仰るとおりなのでバックグラウンドで研究は進めていますが、なかなか世界のTRPGシーンは広く、手が及ばないものはまだまだありますね。(はるを)
  • 物理的に可能であれば、TORG,SHADOWRUN,RUNEQUEST(HEROWARSではないベーシックルールを知利用したもの),T&T,D&Dクラシック,AD&D,トラベラーは、調べておいた方が良い。特にTORGとSHADOWRUNは、FEAR製TRPGに決定的な影響を与えている(外野A)
  • ご進言ありがとうございます。とりあえず、このなかで読んでない(っつーか遊んでない)のはTORGくらいですか。AD&Dとかは解析するほどは遊んでないけど、なんとかなるかな? あ、SHADOWRUNは日本語で出たやつしか読んでないな。ちなみにTORGは今度新版が出るらしいから、そのときに読もうと思ってました。あ、英語で読め、ですかね? やっぱり(笑)。…このへんの関係だと、BRP方面の「クトゥルフの呼び声」は、かなりいろいろもらってますね。(はるを)
更新日時:2005/12/05 00:31:59
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参照:[「続・月夜埜綺譚」の重要変更点] [続・月夜埜綺譚 開発ノート]