クローズアップのデザイン
クローズアップのデザイン、とは
月夜埜綺譚は、とっさの難易度宣告がとても大変簡単である。とりあえず基本難易度(通常時15、クローズアップ/戦闘時19)。能力値宣告は、プレイヤーの行動が悪い方向に暴走していない限りは、プレイヤーの意図をくんで有利なものを選んでやればいい。なぜこんなことが許されるかと言えば、月夜埜綺譚における行動の難易度は、実にプレイヤー自身がキャラクターと相談しながら決めるものだからである。
しかし残念ながらこれにも限界は存在する。「クローズアップ」と「戦闘」である。これら二つは、まあそれなりに設計というものを要求される。戦闘のデザインはまた別項で扱うとして、戦闘よりも使用頻度が高いであろうクローズアップのデザインについて論じてみる。
以下、その指針として考えている範囲を。
クローズアップはどのようなシーンに用いるべきか
ゲームマスターの運用としてのクローズアップは、以下の特性を考慮して使うものとしてデザインされている。
- 全員が登場したい舞台
- 全員が一丸となって目標に当たるシーンは一回は必要である。また、月夜埜綺譚は“あるシーンを1ターン一緒にこなす”ことにより、PC・NPC問わず仮コネクションを結ぶことができる。コネクションの運用を厳しくするとなかなかゲーム的に面白いので、こういうのを有効に使うのもよい。
- 戦闘以外の、ゲームのクライマックスシーン
- 月夜埜綺譚のプレイヤーキャラクターは、ルールの範囲内でどんな奇跡でも起こすことが出来るが、実のところ、ルールを用いないと奇跡を起こすことが許されないのである。というわけで、全員登場、かつ奇跡を起こすようなクライマックスシーンで用いられるために、まさにキャラクターの資源を有効活用するしーんとして用いるべし。
- カレンダー進行が使えない展開で
- カレンダー進行が使えないタイプのシナリオ、というのもなかなか面白いように思う。温泉旅行とか洞窟探検とか。こういう場合は、のっけからクローズアップ進行で物事が進んでいくのがよいと思われる。月夜埜綺譚の特性から考えて、おそらく進行管理がない状態ではゲームが進みにくいと考えられるので。
(まだつづく)
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参照:[続・月夜埜綺譚 開発ノート]