レベル3異能:世界を侵すこと
レベル3異能、とは
メタエレメント -異能-にあるとおり、月夜埜綺譚の異能は、ある種のコミュニケーション可能性として現れている。世界には我々が無意識閾下に置いているような様々な情報交流手段がある、という前提から、その種々の情報交流手段を用いて、ある熟練を必要とする操作を行い、世界のあり方そのものに干渉・侵襲することそのものをレベル3異能と規定する。
これはエレメントの定義に従い、より専門性を高め効果を狭めた結果でもある。
なにがレベル3なのか
この一般世界には隠されている情報交流を能動的に操作するためには、その情報交流自体を知覚・解釈し、それを操作し、対象に作用させる、というプロセスを必要とする。これらは月夜埜綺譚においては、ほぼ言語のそれをモデルとしている。
レベル3の異能は、レベル1異能:超感覚・メタコミュニケーション可能性やレベル2異能:“流れ”に触れること、遮ることとは違い、その直接的な用法そのものを指している。言語に例えるなら、ビジネス文書とか、純文学とかの具体的な書き方を知っていること、となるだろう。もっとも他にも述べたとおり、別に傷つけたり乱したりするのに、わざわざ高度な読み書きは必要ない。
もっとも言語がそうであるように、明確な意志を持って紡がれたそれは、しばしば語り出した当人を変えてしまう。ましてや、その言葉が何を意味するかを知らずに発するならなおのことである。レベル1、レベル2を取得しなくてもとれるレベル3異能は存在しているが、それらには様々な代償や、危険性を常に内包していることとなる。
伝承の技としての異能
異能がコミュニケーションの一様式である、というのは月夜埜綺譚における根本的な大前提である。異能があくまで人対人のコミュニケーションである以上、その様式を研究し、効率的な運用法と教育法を歴史的に研鑽を積んでいった連中がいてもおかしくはない。
おそらくはシャーマニズムの巫女たちに始まり、様々な世界の「魔法使い」へと広がっていた、様々な系譜。それは伝奇ものの定番でもあるのだが、もしかすると現実の魔法使いたちも似たような連中なのかも知れない。いわゆる“science”では箸にも棒にもかからないような非科学的な呪文や紋章が、人の心には確かな力を持つのを我々は知っている。
伝承系メタエレメントは、名前はなんだが、そういう連中が生み出し使うものとしての“異能”にスポットを当てたものである。その能力は強大でツールとして優れ、けれど歴史の因習からは逃れようもなく…。
取得にはなんらかの理由を、すなわち特殊要件で示される「背景」を持っておかなければならない。それは有用であるだけに、キャラクターをどこか縛るものとしても表現される。
キーワード:
参照:[レベル2異能:“流れ”に触れること、遮ること] [続・月夜埜綺譚 開発ノート] [レベル1異能:超感覚・メタコミュニケーション可能性]