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2008年12月7日のセッション

2008年12月7日のセッションレポートです。

Child Loves Parents, so They Do.

ヴァンパイアの愛とは何か。

キャスト

PC

アンジェリカ・ブラックバロン…ヴァンパイア夫婦の「子供」

レイラ・スチムホート…元アスリートな武闘派ヴァンパイア

エリージュ・ディネズ…過酷な過去を持つ美貌のヴァンパイア

NPC

ガブリエル…セントポールの公子

ターニャ・シャーンイェルム…ガブリエルの「寵姫」

アンドレイ…ターニャのグール。町のギャングと繋がりを持つ。

カルロ・ストランツァーニ…ランケア・サンクタムの大立者で、公子の代弁者。

アンジェリカの「両親」…アンジェリカを血族社会に招き入れたヴァンパイアの「夫婦」。

アンジェリカの家族…アンジェリカが人間だったころの家族。両親と妹ひとり。

サウザントマン…謎の男。自らを人間でも血族でもないと語る。

導入

まずは主役三人の日常を描くところから。

エリージュの場合

 エリージュはリズという名のグールと共に暮らし、町の黒社会をテーマにしたフリーライターを営んでいる。そんな彼女の元にエリック・ジョーンズと名乗る男からコンタクトがあった。エリージュの過去を調べ上げ、是非とも独占取材をさせて欲しいというのだ。最初は断ったエリージュであったが、エリックはその調査能力でエリージュの寝処までやってきてしまう。なんとかエリックを追い払ったエリージュであったが、今後この男が闇の生を生きる上で障害になるであろうことは明白である。

レイラの場合

 レイラは困惑していた。今まで手紙のやりとり程度の付き合いしかなかった家族なのだが、弟が突然自分の処へ尋ねてくるというのだ。幸いレイラにはアスリートとして活躍していた頃の付き合いでスポーツ関係者と協力関係にあったため、彼に頼んで相手をしてもらうことにした。そして、ふらりと街に出たレイラは、奇妙な男と出会う。まるでうわごとのように「愛」という単語を呟くその男は、サウザントマンと名乗った。そして、その男はレイラのことを一目でヴァンパイアだと見抜いたのである。サウザントマンは、会いたいときにはいつでも会えると言い残し、謎だけを残して去った。

アンジェリカの場合

 アンジェリカがヴァンパイアの「夫婦」の養子となってからもう10年が経っていた。「両親」はアンジェリカのことを今でも大変よく愛しているし、アンジェリカもその愛に満足していたが、やはり残してきた家族のことは心残りである。たまに自分の家に行って窓から覗くと、両親は少し年をとり、妹はもうかつての自分より成長している。一見幸せな家庭に見えるが、娘を失った悲しみは消えることはないだろう。だが、そこに出て行くわけにはいかない。7歳で行方不明になった当時の姿で両親の前に現れたとして、どうなることであろうか。複雑な想いを胸に抱いて、アンジェリカは「両親」の元に戻るのであった。

展開

主にアンジェリカ中心にストーリーは展開する。レイラがその手助けをする形になったが、エリージュのPLはキャラ立てとシナリオの刷り合わせが上手くいかず、苦しんでいたようである。また、伏線的展開としてサウザントマンがしばしば姿を見せる。

公子の命令

 アンジェリカの「両親」の元に、公子からの命令が下る。それは、自らの「寵姫」としてアンジェリカを差し出せというものであった。冷酷で残虐と知られる公子に子をとられるとあっては、いてもたってもいられない。彼らはアンジェリカを連れて街を逃げ出す計画を立てるが、失敗して「両親」が処罰されるのを恐れたアンジェリカは自ら公子の下に赴く決意をする。

相談

 アンジェリカはレイラ、エリージュとコテリエを結成していたため、この問題について相談しあった。しかし、人間のあり方に絶望しかけているエリージュは、アンジェリカの両親への愛情などに無関心を装っている。一方、レイラは積極的にアンジェリカをサポートしようとする。

公子との対面、ターニャ・シャーンイェルムとの顔合わせ

 エリュシオン(セントポール大聖堂地下)に赴いたアンジェリカは、公子ガブリエルと対面する。また、そこには第一の寵姫であるターニャ・シャーンイェルムもいた。公子ガブリエルはアンジェリカに自分の血を吸って絆を結ぶように命令するが、それを拒絶するアンジェリカ。ガブリエルは怒りを覚えるが、その場は平静を繕っていた。部屋の外で待ち構えていたターニャは意地の悪い笑みを浮かべていた。

サウザントマン再び

 ふと外の空気に当たりたくなったアンジェリカが地上の大聖堂へ向かうと、そこに不思議な初老の男がいた。彼はアンジェリカのことを一目でヴァンパイアだと見抜く。レイラの導入部分で登場したサウザントマンである。彼は謎めいた言葉を残し、会いたいときには必ずまた会えると残して去った。

燃える家

 外出していたレイラは消防車のサイレン音を聞く。気になってついていったところ、火事で家が一戸全焼していた。幸い住人は無事だったようだが……この家こそ、アンジェリカがかつて人間だった頃の家族、ブラックバロン家だったのである。

嘲笑と怒り

 エリュシオンにおいてアンジェリカはターニャからブラックバロン家の火事のことを聞かされ、その場で狂乱状態に陥ってしまう。屈強なグールたちに押さえ込まれ、アンジェリカは監禁部屋に入れられてしまう。その後にはターニャの嘲笑だけが響いた。

持つべきは友

 監禁中のアンジェリカと対話する機会を得たレイラとエリージュは、ブラックバロン家がさらなる脅威に晒されないように、周辺を警戒することにした。すると、あらわれたのは4人のゴロツキであった。問い詰めると、彼らはナイフを取り出し襲い掛かってきた。ここで戦闘が発生するが、レイラの八卦掌(カンフーの一流派)とエリージュの銃撃の腕により、勝利する。ゴロツキを問いただすと、なんと彼らはブラックバロン夫妻の殺害を計画していたのである。そして、出てきた名前は、ターニャ・シャーンイェルムの従者、アンドレイの名前であった(この際、レイラはゴロツキとのコネを得た)。

公子の秘密

 この間に、レイラとエリージュはエリュシオン管理人で大立者のカルロ・ストランツァーニと出会っている。彼は存外お喋りな人物で、公子と双子都市(セントポールとミネアポリスのこと)の血族社会の秘密を明かした。詳しくは各項目を参照。

終幕

ターニャとの決着

 エリュシオンに赴いたレイラとエリージュは、ゴロツキたちから得た事実をターニャとアンドレイに突きつけた。焦るアンドレイと、それを冷たい眼差しで刺すターニャ。ターニャは嘲ると同時に、つい嫉妬にかられてやったことよ、ともらすが、悪徳:憤怒をもつレイラは激怒して、ターニャに一撃を与えようとする(幸い、ダイス目が振るわずにこの攻撃は「寸止め」に留まった)。ターニャは震え上がり、二度とブラックバロン家に手出しをしないことを約束した。

サウザントマン、三度

 PC達は再びサウザントマンに出会う。彼は秘密を少しづつ打ち明け始める。それによると、彼はかつてヴァンパイアの苦悩を克服しようとしたが、それに失敗したため、夜の住人ながらにして年老いて朽ちていく存在になってしまったという。レイラはその話に興味を抱く。どのようにすればヴァンパイアの弱点を克服できるのか? サウザントマンはこう話した。「そうだな……まずはあの冷酷な公子に真実の『愛』を教えてみなさい」と。 エリージュは愛などとるに足らないものだと一蹴していたが……。

つまるところ、あなたの語る「愛」とは、いかなるものであるか?

 アンジェリカは単身、公子に謁見することを決意する。危険を冒して自分を守ろうとした「両親」や、自分の家族への感情は真の愛ではないかと説くアンジェリカ。長い説得の末、公子の心がすぐさま変わるわけではなかったが、ガブリエルはこれ以降少し「愛」について考えこむ時間が増えた。

感想など

 STとしては、各PCの個々の日常や、そこに常に危険がつきまとっていることを表現できたのでよかったと思っています。それにしても、休憩時間込みで11時間にも渡ろうかというセッションに付き合っていただいてPLの皆さんには感謝の言葉もありません。  できれば、この街の設定を使って、あと2回ほどのセッションを行い、一つの史劇を完成させたいと思っています。私(ST)が札幌にいられるのも来年2009年の3月までですので、機会も殆どないのですが……。それでもなんとかやってみたいものですね。

 セッション後一週間ほどしてからこのレポートを書いているので、内容に少し混乱があります。間違っている箇所などお気づきでしたら、直接指摘するなり、この下に新しいスペースを作って書き込むなりどうぞ。

更新日時:2008/12/13 04:58:04
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参照:[セッション]