!!食糧生産地 ||食糧生産地(施設)|||| ||要点||・食料・育成中の食料・生産地で働く国民|| ||周辺環境||・食糧倉庫・食糧生産に向いた地形|| ||評価||−|| ||特殊||なし ||||*毎ターン食料+15万tされる。|| ||次のアイドレス||・神殿・農業機械・食糧倉庫・猫神(にゃんにゃん共和国のみ)|| !設定要件・周辺環境 !!生産地で働く国民 [[生産地で働く国民|http://www26.atwiki.jp/minamitennka?cmd=upload&act=open&pageid=23&file=%E7%94%9F%E7%94%A3%E5%9C%B0%E3%81%A7%E5%83%8D%E3%81%8F%E5%9B%BD%E6%B0%91.jpg]] !!食糧生産地 [[食糧生産地byユーラ|http://devil-of-vansisca.hp.infoseek.co.jp/seisanchi4.jpg]] !!食糧生産地の設定 <<< ほねっこ男爵領といえば、豊かな地の恵みである事は今も変わりない。 民を飢えさせない事に全力を注ぐこの国が、改易されてまず最初に始めたことは、 やはり食糧の確保だった。 荒地を開き、段落地を均し、驚くほどの手際のよさで開墾を終えると、 すぐさま幼苗育成のためのビニールハウスを建て、小麦の生育を始めた。 要はスピードだ、と男爵代行火足水極は言った。 だが、直後に、秋に収穫する小麦を育て始めるのにスピードも何もないでしょう、 と言われて即座に凹んでいる。 でもまあ、遅れるよりもずっと良いですよ。 男爵代行火足水極再起動。 感激屋で感動屋だったこの男爵代行は、 ちょっとしたことでよく落ち込んだが、その分、立ち直るのも早かった。 そうさそうさ、拙速は巧遅に勝る。 冬に飢える奴を出してからじゃ遅いんだ。 フォローを入れた藩国民の頭をかいぐりかいぐりすると、火足水極は胸を張った。 そうさ。この国を俺は何処に出しても恥ずかしくない立派な国にしてみせる。 妻に先立たれた子持ち夫のような事を考えながら、ここにほねっこ男爵領の再建が始まった。 春蒔き小麦の育成の条件には、土壌に充分な水分が保持されている事、 梅雨に雨の降りすぎない事、夏季に暑くなりすぎないことなどが挙げられる。 勿論、豊かな地味も欠かしてはならないものだ。 新たなほねっこ男爵領も、概ねこの条件を満たしており、 秋には、充分な収穫が見込まれる筈だった。 だがしかし、火足水極にしてみれば、充分な、程度の備蓄で終わらせるつもりはなかった。 冗談でもなんでもなく、三年は藩国に篭っても充分な量を育てるつもりだった。 何、低温で保存すれば小麦ほどもつ穀物はないんだから、余ったら売ればいいさ、わはは。 そう笑っていたが、目だけがびた一笑っちゃいない。 全てが焼き払われたあの日、あの時の機動兵器襲来のトラウマとも言える。 かなり綺麗さっぱり焼き払われた国土に心を痛め、 避難を優先させたにもかかわらず、出てしまった人的被害に打ちのめされ、 あれだけ心血を注いだパン工場のパンよりも、 愛鳴藩国のホットケーキの方を子供は喜んだ事に止めを刺された。 最後の一つは当たり前の事のような気もするし、 保存食を全部ホットケーキにしたら正気を疑われるだけだと思うのだが、 火足水極は心底傷ついた。 自分の満足のためだけに、子供の事を蔑ろにしたと責められた気がしたのだった。 やはり、何かに固定してはダメだ。 状況にフレキシブルに対応するためには、原料の形で大量に保持しなければ。 目をグルグルさせて考えた末の結論がそれだった。 粒のまま保管すれば、保存性もよくなるし、何より製粉すれば何にだって加工できる。 パンだって、ホットケーキだって、思いのままだ! それに、それだけ多く作れば、今度はうちが何処かの手助けが出来るかもしれない。 愛鳴藩国の友誼が我が藩国の民に笑顔をもたらした様に。 代償行為といわば言え。 もはや火足水極にほねっこ男爵領民を泣かせるつもりも、 他の藩国の民を涙に暮れたままにするつもりもなかった。 貧乏藩国であることも、 帝國・共和国をひっくるめて下から数えた方が早いと言われる人材難も、 もはや何事も火足水極を止め得ない。 彼は、ちょっとした事で凹み、他人なら傷つく必要の無いところで自責をしたが、 立ち直りだけは早かった。 そして、立ち直ると、凹んでいた分を取り戻し、凌駕する勢いで働いた。 がむしゃらに、ひたむきに、時に周りが見えていないのではないかと言うぐらいに、熱心に。 もっとも、現在は少々暴走気味ではあるが。 何時もあのくらい熱心に働けばいいのに、と言う藩国民もいるが、 四六時中ああだったら、周りも本人も到底もたないというのが、部下たちの共通した思いだった。 その男爵代行の目の前で、今、滋賀から運んできた種籾が蒔かれる。 その種籾は、焼け跡の中、炎に炙られながらも生きる事を止めなかった。 恐らく、放っておけば、しぶとく生き残って春には芽吹き始めたであろう種籾だった。 男爵代行がこの時ばかりは厳かに告げる。 「今、我らは大地に希望を蒔く」 「この希望は、我らの故郷より受け継ぎし、力強き大地の恵み」 「我らの愚かさによって、故郷は失われたが、  せめてこの恵みを受け継ぐ事で、故郷を偲ぼう」 「新たなる土地の、古き実りが、我らの血と肉にならん事を」 蒔かれた種は、初夏の太陽の下で育ち、夏には青々と実るだろう。 実りの秋を迎えれば、黄金色に色づき、天を差すようにまっすぐと育った小麦は、 地の恵みとして藩国の民の手に溢れるだろう。 大人たちは、その実りに感謝しつつ収穫し、まだ充分に働けない子供や、充分に働いた老人は、 僅かな恵みも無駄にはしまいと落穂拾いに精を出すだろう。 これだけ植えたのだから、きっと、収穫は藩国総出の大掛かりなものになるだろう。 収穫が終われば、お祭り騒ぎになるのではないか? 今年の芋煮は盛大なものになりそうだ。 マキオマイタケが無いのが残念だが、何、ここの山も色々採れるに違いない。 きっとこの国も、故郷と同じくらい素晴らしい国だろう。 いや、故郷以上に素晴らしい場所にしてみせる、我々の手によって。 それは果たされる事が決定付けられた約束。 この国の人々には、重荷にたわんでも折れない、穏やかな強さがあるのだから。 >>>