巨神戦記ギガントマキア
特徴・紹介
世界
時は“西暦”と呼ばれた時代が終わって一千年後。
人類が住んでいるのは列島と呼ばれる島国である。そこでは科学は廃れ、魔術が発達し、西洋風ファンタジーのような世界になっていた。知的種族も人間のみならず、エルフとライカンスロープ、それに機械の体を持つマシンネイチャーまでが生じていた。
そして、人々の中には、赤い血ではなく、白い血が、流れていた。
この列島には“鋼魔”と呼ばれる、巨大な化け物が度々襲って来ている。
それに対抗できるのは、アークと呼ばれる組織の一握りの人間だけである。それどころか、そのアークが張った“神の血壁”という結界によって一般人は鋼魔の姿を見ることすらできない。そうしてパニックを抑えているのである。
しかしPCは“神の血壁”の影響を受けない。そうした者たちを集めてアークは、鋼魔に対抗させている。その最大の武器が、巨大な人型をした“神格機兵”なのである。これは世界に一機しかなく、乗れるのも一人だけだ。他のPCは“方舟”と呼ばれる空飛ぶ戦艦で戦ったり、肉体や魔法で戦ったりしなければならない。
鋼魔は“人魔/クドラク”が呼ぶことで、“神の血壁”の内に来る。
人魔は元は列島の人間である。それが謎の組織パシオンによって“魔印/パシオン=コード”を刻まれ、吸血衝動を植え付けられる。
一度魔印を刻まれた者はやがて理性を失っていき、ついには神の血壁の外から鋼魔を呼び寄せるに至る。
PCはこの鋼魔を、ギガースや方舟、あるいは自分の魔法などで撃退し、さらに人魔の心を取り戻さなくてはならない。
堕落してしまったNPCが、PCの努力次第で再び心を取り戻すことができる、という設定は意外と珍しい。
ルール
ステージ制
ルール上の特徴は、まず「ステージ制」のルールである。ステージとはいわゆる場面のこと。これはダブルクロスでも使われる用語だが、ギガントマキアのそれとは全く異なる。
GMが最初に、展開されるステージ(場面)を明かし、プレイヤーがどのステージに登場するかを選び、その後で各ステージを順に描く、という手順でセッションは進む。
各ステージにはキーワード(人名、アイテム、事件名などが一般的)がいくつか定められ、プレイヤーは自分が関わりたいキーワードを考えてステージを選ぶことになる。
実際そのステージが描かれている間、PCがシナリオに定められた方法(人物なら話すだけ、信頼を得る、など)でキーワードと関わると、エモーションカードを引くことができる。
PCが登場しないステージも、GMは描写しなければならない。PCがエモーションカードを使って、現在展開しているステージに登場できるルールがあるからである。また、「語り残し」場面が発生しないので、物語の全容がよく分からなくなることがないというメリットもある。
これを続けていって最後のステージまで進むと、最終戦闘が発生することになる。
予め大まかなシナリオの流れが明かされるのは、予想もしなかった展開の面白さを失うと言えるが、代わりに、GMの手に余る予想外の事態に陥らないというメリットがある。また、プレイヤーが自分の活躍の場をある程度自由に選べることも特徴と言えるだろう。
そのため、最近のF.E.A.R.社の多くのゲームで採用されている、「シーン制」の考え方を進めたものと言えるかも知れない。
エモーションカード
ステージ内で、シナリオが要求する方法でキーワードと関わると、エモーションカードを山から一枚引くことができる。
他の多くのRPGと同じく、このカードには様々なことが書かれ、様々な局面で使える。『ギガントマキア』の場合は「判定を有利にする」、「今行われているステージに登場する」、「特殊能力の発動コスト」、「演出」の四種になっている。
エモーションカードは種類で感情の「愛」「勇気」「希望」「友情」「絶望」の五つあって、絶望のみは特別な位置付けになっている。 カードにはそれぞれに適した演出のテキストが書かれていて、一枚を出すと共にその演出を行うことができる。また、フェイバリットと呼ばれる特殊能力は、絶望以外のいく種類かのエモーションカードを、何枚か消費して発動するようになっている。
感情の種類とは別に1〜7の数値(絶望のみ8)も書かれており、消費すると数値ごとにまとめて場に置くことになる。1〜7の全てのカードが場に揃うと、そこで初めてギガースを呼べるようになる。
そのため、ステージ中にどんどんキーワードを刺激してカードを引き、それをどんどん消費してフェイバリットを使ったり演出することが推奨される。こうしてプレイヤーの積極的な参加を促しているのである。
キーワード:
参照:[GameTitle] [ロール&ロール] [年表] [ジャンル]