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リスクを事前に数値化して提示することについて(りゅうたま)

リスクを事前に数値化して提示することについて(りゅうたま)

 相談時間の為にGMは予めリスクを数値化してPLに提示してみてはどうでしょう?
短いが危険な道と長いが安全な道という二択があります。この時、リスクは計算によって表せます。しかし、それはプレイ時間を消費します。
むしろリターンの見積もりに時間を割くほうが、より楽しめるのではないでしょうか。
 それを考えるべく、以下に具体例を示しました(船旅版)。

5日後、B地点に敵が来ます。
敵より前に到着すると、何らかの策を用意する時間が得られます。
難易度12の浅瀬なら1日、難易度8の外洋なら3日で到着します。
以上の数値は、方向チェックに全て成功したと仮定した上での数値です。
(方向チェック失敗のリスクも、下記にて計算してあります)
操船チェックはd8+d8で行なうと仮定します。方向チェックも同様です。

リスクとリターンとは

 上記の問題において、リスクとは則ち、船体へのダメージです。その期待値は以下のように求められます。

操船判定失敗時のダメージ期待値×操船判定失敗確率×(基本操船判定回数+1×方向判定失敗確率)
注:方向判定に失敗して余計に消費する日数を1で示しています。
失敗する毎に日数を余計に消費するので、方向判定失敗確率が乗算されます。

 リターンにあたる部分は策です。
プレイヤーはリスクの"計算"よりも、リターンの見積もり、つまり策を練ることに時間を割く方を喜ぶでしょう。
故に、ゲームマスターは事前にリスクを数値化して、提示してみては如何でしょうか。

具体的な計算

 例として上記の問題から、浅瀬を進む際のリスク計算の手順を記します。

  • 操船判定失敗時のダメージ期待値:「7.5」
  • 操船判定失敗確率:この場合はd8+d8で12以上が出ない確率なので49/64≒「0.766(小数第4位四捨五入)」です。
  • 基本操船判定回数:全ての方向判定に成功したと仮定した上で要求される操船判定の回数です。この場合は「1」です。
  • 方向判定失敗確率:操船同様にd8+d8なので、操船のそれと同様に「0.77」です。

余談ながら、判定に+1修正が付く度に1/64≒0.017(小数第4位四捨五入)、失敗確率が減少します。
 「」内の数値を前述の式に代入して計算してみます。
7.5×0.77×(1+1×0.77)≒10.222(小数第4位四捨五入)
 よって浅瀬を通って1日で目的地に到着しようという試みは、期待値にして10.222点のダメージを船体に与えうるということになります。

結論

 こうしたリスク計算の結果は、ルートの説明をする時にPLにすぐ提示出来るよう、予め用意しておいた方が良いと思います。
大抵のプレイヤーは、ややこしい計算よりも、悪役を如何に酷い目に遭わせるかの相談に時間をかけたがるはずです。

更新日時:2010/07/04 00:22:35
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参照:[りゅうたま]
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