翼の少年 魚の少女1 〜フェザーフォルクは語る〜
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昔昔、湖が澄んだ緑色をしていたころ、メロウと呼ばれる人魚たちが住んでいました。
私たちフェザーフォルクとはとても仲が悪く、いつも争いが絶えませんでした。
あるとき長の息子フィールは、水を飲もうとしてうっかり足をすべらせ、湖に落ちてしまいました。水を吸った翼は重たく、もがけばもがくほど身体は沈むばかり。フィールは死を覚悟しました。
その時、彼を助けたのはなんとメロウの娘ディメーラだったのです。
フィールとディメーラはそれがきっかけで、湖畔でこっそりと人目を忍んで言葉を交わすようになり、いつしか恋に落ちました。
しかし、住む世界が違う二人。
フェザーフォルクもメロウも、そのことを知るとみんな二人を引き離そうとしました。思い悩んだフィールは湖に身を投げて命を絶ってしまいました。
フィールの遺骸を見つけたディメーラは、彼を抱きしめて昼も夜も、その次の昼も夜も、ずっと泣き続けました。
そして、いつしか湖は涙ほどに塩からくなってしまい、魚も水草も生きていけずに死に絶え枯れ果てました。
メロウも例外でなく、いずこかへと去っていったのでした。
<発案者:ステイシス>
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参照:[伝承]