デモンパラサイト・キャンペーン第10回記録
経過
参加PC
セッションの経過
レディ・バグの陰謀(ルール説明&チュートリアル戦闘)
さる事件を追っていた PC たちは山岸に先導され、デビルズネスト美学派の幹部レディ・バグ(自称)こと大友忍を追いつめた。カルトロップ5体、忍との戦闘に勝った PC たちだが、またしても〈透明化〉により忍を取り逃がす。
突然現れる恐竜
ほっと一安心した PC たち、《魔手吸引》や傷の手当てなどを行っている際に、突如全員に携帯メイルが届く。
直後、飛行状態の忍が PC たちの前を通り過ぎる。そして、その後ろには、人間よりもやや大きめの体格の恐竜が2体追いかけてきた。敵を押しつけられたような形になった PC たちだが、何とか倒すことに成功した。獣医である土井の見立てによると、恐竜たちはコモドオオトカゲの悪魔憑きだったようだ。
この光景を見た山岸は危機感を感じ、セラフィムの大友支部と連絡を取った。責任者である高坂との相談の結果、山岸は PC たちに半ばむりやりに次のような使命を与えてその場を車で去った(PC たちは行きにはこの車に同乗していたため、移動手段を失った)。
- 恐竜が街中に迷い出ては危険。一刻も早く元凶を探し出し、可能な限りの対処をすること。
- 使命はできる限り秘密裏に遂行し、他の悪魔憑き関連組織にばれることのないようくれぐれも気をつけること。
- なお、こちらでもできる限りの調査や、場合によっては応援も行うが、事件の対処に間に合わない可能性も常に考慮すること。
元凶を追う
そろそろ日も沈んで暗くなろうかという頃合い、PC たちはまず恐竜の足跡を追跡することに決める。足跡は大友森林公園の方に向かっていた。ただ、即座に行くか(タイムロスなし)、コンビニで懐中電灯や食料の買い出しに向かってから行くか(タイムロス多少あり)、いったん家やセラフィム事務所など市街地に戻って十全に準備を整えてからから行くか(タイムロス大いにあり)で迷った。結果、伏見、土井が先行し、その後をコンビニ経由で丑久保、長門が追った。
途中のランダム恐竜エンカウンターの判定(幸運判定を使用)、および足跡追跡(知覚判定、探索判定を使用)の判定に順調に成功していたが、森林公園からさらに奥の山道を超えたところで足跡を見失ってしまう。しかし代わりに、崖に近い勾配の坂の上に建物の影があることを発見した。PC たちはそれを元凶とにらんで登攀を始めた。判定に失敗したら、登るのに時間がかかるとマスターが宣言したこともあり、この登攀に時間をかけることを嫌った PC たちは、衝動追加による振り直しなどを利用して全員が1回で判定に成功した。
崖を登り切ったとき、長門の携帯に忍からメイルが届いた。
なお Kenji とは、表の顔は人気バンド「フリーダム」のメンバーであり、裏では宗教法人「メギドの火」の一員の男である(第3回参照)。要は間違いメイルが長門の元に届いたのだ。なお、返信した長門に対して、さらに彼女はこのように返信している。
この顛末から、怪人・携帯女の手により恐竜情報が各組織に流れ始めていることを悟った PC たちは、さらに先を急ぐ決意を固めたのだった。
謎の研究所
崖の上はやや狭い平地になっていて、木々の間に隠されたかのような小さなコンクリート造りの建物があった。建物が存在するだけでもこのような場所には似つかわしくないが、窓が全くなく、入り口の扉が金属製で、しかも電子ロックで制御されているという点はますます異様である。ご丁寧なことに入り口にはバイオハザードマーク付きであった。
土井が《微弱電操》でロックを解除すると、自動ドアになっていたようで、即座に開いた。中には警備員が1人いたが一般人のようで、警報を鳴らされる前に気絶させることに成功した。武器を持っていなかった長門はここで警棒を入手した。
中は受付等もない殺風景な部屋で、左に通常の、真ん中と右に電子ロック付きで金属製の扉があった。まず左の部屋から探索した。中は警備兵詰め所で、先ほどの警備員の私物がある程度だった。鍵束(彼の家の鍵、原付の鍵)と財布くらいで、ロックのキーや ID などが一切なかったのである。ちなみに丑久保は財布から1000円を盗んだ。(1000円につき衝動1点追加と裁定。)
最初の部屋に戻って、真ん中の扉を土井の力で開くと、そこは実験室のような光景だった。太い柱くらいある4本のガラス管の中には謎の液体が満たされ、その中には恐竜が入っていた。部屋の右手側は分厚いガラス張りになっていて隣の部屋が見えるようになっていた。右の部屋は大量の資料とパソコンが設置してある研究室風になっていて、そのパソコンの前にはめがねをかけた白衣の女性(浅井ふたば)が座っていた。
異変に気づいた彼女は、手早い手つきでパソコンを操作し始める。とたんに液体がガラス管から退き始めた。恐竜たちはガラス管を割って PC たちに襲いかかった。ここを長門が、そして伏見の人形であるハリガネムシが死守している間に、他のメンバーはふたばを追う。
追跡
ガラス越しに彼女の変身の光景も見ることとなった。どうやらカラドボルグのようだ。形勢不利と見た彼女は、部屋の隅にあるプラットホーム状のエレベータで地下に脱出を図った。まず土井が、そして丑久保、伏見、最後に恐竜を何とか倒した長門が飛び降りて追跡を行う。
地下は暗闇で、しかも広い空間のようだった。必死に追う PC たち。逃走するふたばは車に乗り込み、脱出を試みる。ここは駐車場だったのだ。長門が《超疾走》で懸命に食い下がり車内に飛び乗り、他の PC も最終能力などの遠距離攻撃で可能な限り足留めをした。(この際、伏見が《悪魔の咆哮》を使用し、効果範囲内に警備員が入っていたため、彼に対するアリバイ工作は一応 OK。)が、車は山道を走り出してしまった。長門はふたばの攻撃をかわし、寝返りの誘いも断り、反撃を続け、ついには彼女を気絶させた。が、それにより制動を失った車は周囲の山林に衝突する事故を起こすこととなった。すでに PC たちの攻撃でボロボロになっていた車はこれで大破爆発する。長門は何とか脱出し、軽症で済んだ(ダメージ 3d)。ふたばは重傷(ダメージ 6d)だが、悪魔憑きであるためまだ死亡はしていない。
研究所の調査
PC たちは研究所に戻り、資料を押収する。データは MO ディスクと大量の本の形で残されていた。少し詳しく見てみると、実験室の奥に落とし格子でふさがれた穴があり、地下に続いていたのだが、そこが下水道とつながっていて恐竜の巣になっていることがわかった。めぼしい資料は持ち帰り、セラフィムには預けずに土井が責任を持って保管することに決めた。(ただしこの決定はセラフィムに連絡済みで、無断ではない。)ふたばの処遇はセラフィムに任せようと、ある程度の治療と《魔手吸引》を行った後に連れ帰ることにした。
最後の障害
ところが、移動手段のない PC たちは大量の資料もふたばの身柄も持ち替える手段がない。仕方なく伏見が警備員の原付を「借りて」下山し、車を取りに行くことにした。すべてが終わったと油断して、安全運転で往復したため大きな時間のロスとなった。(運転判定の失敗の際の、プレイヤーの弁。)
伏見が戻ってくるのを待つ間、山道を少しでも降りようとする PC たち。もちろん、3人では遅々として進まない。そこに、山道を上がってくる人影が見えた。高科蔓子である。出会い頭にいきなり「気絶した白衣の女性を運び去ろうとしている」PC たちの「証拠写真」を取られてしまい、立場的不利に追い込まれる。また、彼女については全員がよく知っており(面識のない PC も判定に成功)、カメラを壊したり彼女を倒したりするのが難しいことも重々承知していた。
図々しくインタビューを敢行する蔓子。元々がこの手の非悪魔憑き的な心理攻撃に弱く、しかもここまでの戦いで衝動を限界近くまでため込んでしまった PC たちは、彼女の尋問テクニックになすすべもなく情報を引き出されてしまう。具体的には次の情報をしゃべってしまった。
- 確かに恐竜はいた
- その研究をしていたのは浅井ふたば博士であった
- 研究資料は土井トオルが預かることになった
この段階で伏見がようやく登場し、蔓子からの逃走に成功した。
事後処理
残りの処置はセラフィムに任された。恐竜の巣が特定されたことにより、掃討部隊が結成され、徹底的に駆除された。→これをシナリオ化とまではいかないにしろ、バトルゲーム化してもおもしろいでしょう。
結果
- 元凶の浅井博士の捕獲に成功した
- 恐竜の巣を発見し、後日討伐隊を派遣することで街への進出を阻止した
- 浅井博士の陰謀を高科蔓子に知られた
- メギドの火には恐竜が出たことのみが伝わっている
獲得経験値
- 基本300点(150×2レベル)+衝動表
- ミッション成功:恐竜が街に進出するのを阻止(50点×2レベル)
- ミッション成功:浅井ふたば博士の捕獲(50点×2レベル)
- ミッション成功:資料の押収(50点×2レベル)
登場NPC
オフィシャル
- 名前
- 説明(必要なら)
今回の GM 作
- 大友 忍/レディ・バグ
- もはや怪人・携帯女。近頃はセラフィム(PC も)を含む各組織・団体の有力者とメル友。
- 山岸 吉秀
- 序盤に PC を導く。
- 浅井 ふたば
- 生物工学博士。33歳女性。めがねに白衣の科学者で、生物兵器としてトカゲを悪魔憑きにして恐竜に仕立て上げていた。本人自身もカラドボルグ。
前回以前の GM 作
- 高科 蔓子
- 忍経由で(?)恐竜の情報を手に入れ、取材に赴く。
伏線
- 恐竜退治バトルゲーム(ダンジョンシナリオ)
- いろんな能力を持った悪魔憑き恐竜との死闘
- 中には火を吹く恐竜や、知能の高い恐竜も?
- すべて掃討したはずの恐竜、しかしどこかにまだ潜んでいるかも……。
- 土井の預かった資料には、思わぬことが書いてあった!……かもしれない。
- 浅井ふたば博士は悪魔憑きとしての能力は失ったが、研究者としては未だ一流。セラフィムで監禁しておくわけにもいかないため、各組織で争奪戦も?
- 少なくとも、セラフィムに説得されるようなたまではない。
- 伏見がホントに原付を返したのか、次のセッションの開始時にプレイヤー(ヤピロさん)に聞いておいてください。返してなかったら衝動を1点プレゼント。
小ネタ
用意していたが不発だったネタ
- 地下からの進入ルート
- 探索の判定結果によっては、恐竜の巣に直に行くルート、地下駐車場からのルートもあり得ました。また、空を飛ぶ能力を持つ PC がいた場合、発見が容易になっていました。
- 組織バトルロイヤル
- 時間について厳しくいろいろ言っていましたが、時間が経てば経つほどいろんな組織が現れ、各人の思惑で動きました。最終的には自衛隊が出動します。
元ネタ
- アイディアソース:基本ルールブックのシナリオ
- D20 Modern の公式サイトに掲載されているフリーシナリオ "Team Bravo: the First Assignment" を下敷きに、『デモンパラサイト』風、当キャンペーン風に味付けをしました。
- このシナリオに出てきた博士の名前がアーサー・フルバートだったので、今回の NPC 浅井ふたばはそれをもじって名付けました。
キーワード:
参照:[デモンパラサイト・GM持ち回りキャンペーン] [デモンパラサイト・大友市の新名所と人物]