ヒーローウォーズ
ヒーローウォーズ〜英雄戦争〜 Hero Wars
異世界グローランサを舞台にした、中世ヨーロッパと言うよりは古代(〜中世初期)風の翻訳ファンタジーRPG。
特徴・紹介
グローランサを舞台にしたRPGとしては、従来『ルーンクエスト』があったが、版権の都合で『ルーンクエスト』を使ってグローランサを展開させることができなくなった。そこで『ヒーローウォーズ』が作られることになった。現在では、『ヒーローウォーズ』の展開は終了し、後継の『HeroQuest?』が展開されている。また、Mongoose Publishingより『ルーンクエスト』が出版されてもいて、同時にグローランサを展開している。
世界
『ヒーローウォーズ』では、グローランサ第三期の英雄をプレイする。詳しくはグローランサのページを参照。
ルール
『ヒーローウォーズ』の判定は多くの抽象的なルールでなされる。
能力や技能、特殊能力の一覧などはなく、プレイヤーが自由にキャラクターが得意なこと、不得意なことを定められる。能力のみならず、地位、財産、人とのつながり、所持品なども一括して「能力」として扱う。
ある状況でどの能力が使え、使えないかをその都度ナレーター(GM)が判断する。
戦闘も、ヒットポイントではなく、抽象的なアクション・ポイントの削り合いとして表現される。これは肉体的な耐久力、精神的余裕、状況の有利さなどを総合して数値にした物でである。よって、アクション・ポイントが減る時、打撃を受けたためか足がもつれてバランスを崩したためか、はたまた思いがけない人物が現れて注意を奪われたのか、その都度ナレーターとプレイヤーで解釈する。そのため、いわゆる戦闘のみがこのルールで扱われるのでなく、「崩れようとしている洞窟からの脱出」「キーパーソンの説得」など、物語上のクライマックスをこれで解決するようになっている。逆に、重要でなければ、武力衝突も簡単な一回の判定で済ませてしまうことができる。
さらには、キャラクター作成(の一つの方法)は250字作文になっており、書き終えた後でナレーターとプレイヤーが相談して、その作文を基にキャラクターの能力を決める。
こういった形の抽象的なルールから柔軟性の高い判定・ゲームが行える。しかし同時に、ナレーター・プレイヤー双方にグローランサ世界への理解を必要とする(特に作文によるキャラクター作成)。一般に、抽象的なルールはプレイする人間の共通理解・共通世界観を前提とするからだ。
ルールブックでもある程度はグローランサの情報が載っていたが、アメリカのRPGらしく、この共通理解の土台となる詳細な情報はサプリメントで提供された。しかし日本ではルールブックのみ発売されているため、『ルーンクエスト』のサプリメントなどを読む必要がある。
とは言え、発売当時の日本製のRPGの平均くらいには情報があったので、プレイできないわけではない(「必要」というのは実は、「その方がよい」程度である)。上は「互いに呼吸の分からないメンバーで」、あるいは「よりグローランサらしく」、「ルーンクエスト時代と同じように」遊ぶ場合の話である。ルールブック収録シナリオも4本と多く、グローランサの(設定でなく)雰囲気を掴むことは難しくない。
書誌情報
ルールブック
- ヒーローウォーズ―英雄戦争 (TRPG series)(ロビン・ロウズ/グレッグ・スタフォード/ロデリック・ロバートソン)
- 日本語版ルールブック。原書の『Hero Wars(ルールブック)』と『Narrator's Book』とを合わせて一冊にしている。
サプリメントリスト
サポート記事
- TRPG:サプリ
- 『ヒーローウォーズ』の紹介・サポート記事を掲載。
資料リンク
- Issaries, inc.
- 原書を製作・発行。
- アトリエサード TRPGシリーズ
- 日本語版を発行。
- ぐろーらんさ交易協会日本支部
- グローランサ公式ファンクラブ。
- トーム:グローランサのひみつ
- ファンサイト。「灰色卿らいぶらり」に『ヒーローウォーズ』用のチップスがある。
- Gathering Storm 来るべき嵐
- 『ヒーローウォーズ』、『HeroQuest?』のページ。世界紹介以外にもルール解釈例などが載る。
キーワード:
参照:[ジャンル] [世界設定] [グローランサ] [年表] [GameTitle]