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バエルノウン

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不死

バエルノウン
Baelnorn

発案者:ローレンシウ

種族:アンデッド
ML:9
出現数:単体、集落(単体)
編成:まれにブアウ・ゾンビなどの護衛単体〜数体か、プーカ、ユニコーン、ベアなどの森林生の妖精・幻獣・動物類単体〜数体か、エルフ単体〜数体を伴って出現。集落の場合は、通常プーカ、ユニコーン、ベアなどの森林生の妖精・幻獣・動物類数体〜十数体と、エルフ・エルダー単体〜数体と、エルフ・リーダー数体〜十数体と、エルフ十数体〜数十体を伴って出現
出現頻度:ごくまれ
知名度:13
行動順位:25
移動速度:陸25
知能:きわめて高い
反応:中立
知覚:擬似(暗視)
戦闘能力:「接触:16(9)/特殊」
     「武器:16(9)/13」
     「回避:19(12)/11」
耐性:通常武器無効
   毒・病気に冒されない
   精神的な攻撃は無効
   治癒魔法でダメージ
   生命の精髄
生命点/抵抗値=16/17(10)
精神点/抵抗値=29/19(12)
能力:古代語魔法7レベル(魔法強度19, 魔力12)
   精霊魔法7レベル(魔法強度19, 魔力12)
   生前の技能を保持
   負の生命の接触(抵抗の目標値16, 打撃力10, 追加ダメージ9)
   麻痺の接触(抵抗の目標値16)
   恐怖のオーラ(抵抗の目標値16)
生息地:不明
言語:[エルフ語][精霊語][下位古代語]

 バエルノウンとは、正式には特に力ある森妖精の長老達を指す古代の称号です。
 しかし一般にバエルノウンといえば、一族を見守り続けるために秘術をもって不死体となった森妖精のことを指します。
 何故ならば、古代には特に力ある長老達の一部(大部分という説もありますが…)にはそういった不死体が含まれていたからです。

 遥か昔、不死生物への禁忌が薄い森妖精達の集落では力ある長老たちの一部はバエルノウンであったといわれています。
 バエルノウンが負の生命力を用いる精霊術の奥義か、神々の用いた音韻を記憶する森妖精達の古代語の秘術であるのかは謎ですが、彼らの不死化の秘術がノーライフキングのような死霊術の奥義の元となったものだと推測する賢者達もいるようです。

 彼らの外見は一般に、より肌の色が白、あるいは蒼白になっている程度で森妖精と変わりません。
 しかし中には、やせ衰え骸骨のようになっている、萎びた肉が骨に張り付いている、目が腐り落ちて眼窩に針のように細い真紅の光が灯っているなど、より不健康な外見になっている者も若干存在するようです。

 彼らの能力は個体差が大きいのですが、たとえバエルノウンの中では最弱の者であっても、生前は強大な森妖精です。
 上記のデータは、バエルノウンとしては最弱の部類の者です。
 彼らは最低でも7レベルまでの古代語魔法精霊魔法を使いこなすといわれており、生前の技能や個性も保っています。
 個体差を考慮するのならば、彼らの器用度、敏捷度、筋力、生命力は生前の数値+6、知力、精神力は+12としてください。
 また、モンスター・レベルは生前の冒険者レベル+2となります。
 その後も技能の上昇があれば、それに伴ってモンスター・レベルも上昇します。

 彼らは素手で通常の生物への接触に成功した時、任意に生命力を奪い去ることが出来ます。
 接触されたものは、目標値16の精神抵抗に失敗すると打撃力10、追加ダメージ9のダメージを受けます。
 このダメージは鎧で軽減できません。
 抵抗に成功すれば打撃力は0となりクリティカルも起こりません。
 このときに奪った生命点の分だけ、バエルノウンは自分の生命点を回復することが出来ます。
 また、抵抗に失敗したものは再度目標値16で今度は生命抵抗を行う必要があります。
 これに失敗すると、永続的な麻痺状態になります。
 達成値16以上のディスペル・マジック、キュアー・ポイズン、レストア・ヘルスなどによって、この状態から回復できます。
 接触は外傷や苦痛を伴わず、犠牲者は半ば心地よい脱力感のみを感じます。

 また、彼らは半径30mの恐怖のオーラを纏うことも出来ます。
 この範囲に入ったものは、目標値16の精神抵抗に失敗すれば、恐怖表で判定を振ってその影響を受けなくてはなりません。
 恐怖の影響は範囲内に居る限り続きますが、範囲外に逃れて再び入らなければ、18ラウンド後には収まります。
 この抵抗に成功したものは、24時間の間は同じバエルノウンの恐怖のオーラには影響されません。
 効果の発動や抑止はラウンドの頭に宣言することができ、行動を消費しません。

 バエルノウンは、通常の方法では完全に滅ぼすことは出来ません。
 彼らを滅ぼす方法の1つは、生命点ではなく精神点を0にすることです。
 もう1つは、彼らの「生命の精髄」を収めた物品を見つけ出して破壊したうえで倒すことです。
 彼らはバエルノウンに変成するにあたって、己の生命力を抽出して何らかの物品に保管し、それを自分の存在と結びつけなければなりません。
 最も一般的な形状はルーンを書き込んだ羊皮紙数枚を納めた経箱であるといわれていますが、指輪や瓶、魔除けの首飾りなどのこともあるようです。
 自分と結びついた生命の精髄を失ったバエルノウンは、即座にそれを感知できます。
 一度生命の精髄を失っても、散逸した生命の精髄を取り戻して自分の存在に結びつけ直すことは出来ますが、そのためには設備の整った研究室などで一週間の間作業に専心しなくてはなりません。
 彼らは一度に二つ以上の生命の精髄と結びつきをもつことは出来ませんし、破壊される前にあらかじめ予備を作っておくことも出来ません。
 それ以外の方法で彼らを倒した場合、彼らは一週間後にはその見せかけの死から甦り、生命の精髄の傍に復活します。

 ダークエルフで、バエルノウンのような特に力ある長老達を指す古代の称号はヴォエヴォドです。
 しかしながらダークエルフにはバエルノウンは滅多にいなかったとされています。
 代わりに、ヴォエヴォドの一部(大部分という説もありますが…)はダークエルフ・バンパイアによって構成されていたらしく、一般にヴォエヴォドといえば歳経たダークエルフ・バンパイアを指します。

 バエルノウン、ヴォエヴォドともに、太古の時代には地方によっては殆ど亜神のような存在となっていました。
 しかし彼らは古代王国期に魔術師達の手によって滅びたといわれており、ここ700年以上、公式な目撃の記録はありません。
 現在はただ、その力と伝説が語り伝えられているだけです(伝承知識13)。
 また、この手の存在の例に漏れず、現在も集落の奥深くや太古の墳墓にバエルノウン、ヴォエヴォドが存在し続けているとか、不死化の知識を秘匿している集落がある、冒険で彼らに出会ったなどといった噂も絶えません。

 太古には人間の中にもほぼ同様の秘術を用いて不死となったものが稀にいたといわれており、そういった存在はリッチと呼称します。
 リッチの外見は一般的に不健康であり、アンデッドに相応しい腐敗と堕落を伴っているとされています。

更新日時:2007/08/22 12:02:07
キーワード:
参照:[不死]
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