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十都市の子ら

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十都市の子ら(Nereids)


 西部諸国に発した国境を越えた互助結社である。
パワーバランスの拮抗による平和を唱えた識者の意に応え、
一部の穏健派貴族や司祭らへと輪は広がっていった。

 その思想の特徴は、地域を“共有財産”であると捉えたことにある。
彼らは、分割所有する単位の理想を王国に置き、複数の王国による共同管理の徹底を図ろうとする。
主に中原や東方で見られる一大国の場合、軍事・財政など多くの面で小国群に勝るが、
庸主一人の出現によって一代で平和が失われる危うさをも孕む。
よって、複数の勢力の権力が拮抗する状態を作り上げ、
西部の安定したパワー(権力)を保持すべきだと唱える。

 このため、彼らは勢力同士の主権争いや利権争いについては基本的に不干渉の立場を取る。
一方で、直接的な侵略や一国の財政に致命的な損害を与えるような策略に対しては妨害を惜しまない。
こうした行動の大きな結実が、新王国暦500年に発足した『タイデルの盟約』であったろう。

 組織としては、各国ごとに支部を持ち、その下に実行部隊がある。
実行部隊の中身は騎士や神官、貴族の私兵などである。
彼らの多くは、上司や雇い主として結社の上級構成員を持ち、
かつ自身も結社の意図に賛同する者たちという思想的一体を示す例が多い。
政治の琴線を“掴む”ような任務が多いため、金銭のみの関係では危うすぎるのだ。

 一方、支部幹部となる結社の上級構成員は、識者、司祭、貴族といった保守的な知識層である。
彼らは平和こそが自家ないし自身を支持するものだと信じている。
国境を越えて情報交換を絶やさず、常に十都市の決定的な亀裂を生むような政治的決断に対し監視を続けている。
貴族結社としては、他にも古い歴史を持つ“鮮血の杯”があるが、
そもそもの方向性を異にするため、消極的無視というべき距離を保っている。

 発案者の賢者ディエゴ・フォカロールは、西部諸国を神話の精霊門に基づいて“水”の地であると定義づけた。
“ネレイデス”という名も、“テン・チルドレン”を母とし、自身らを娘とする意味合いから名付けられたものである。
ネレイデスとは地方信仰における海神の孫娘たちの呼称であった。

【情報強度】
知名度は12。
各国支部の位置や主な構成員などは、当事者達次第となるが、おおむね14程度。


投稿者:周防

更新日時:2008/03/07 16:47:44
キーワード:
参照:[十都市の子ら] [組織]
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