妖魔夜行
妖魔夜行
日本語版ガープスのオリジナル展開タイトルの1つ。第3版、つまり『ガープス・ベーシック完訳版』のルールブックに、「妖魔夜行」のルールブックを併用することで遊べる。
文庫版のルールブック他では「妖怪アクションTRPG」の惹句が用いられている。
在日本のPCたちの間では、「妖怪」と総称されるところの、超自然的存在が、人間社会には認知されないまま実在している世界での冒険を扱うTRPG。
特徴
世界設定、PCの立場など
背景世界の文明レベルは、7(『ガープス・妖魔夜行』、p.98)
PCは、妖怪類の内、人間に友好的か、少なくとも非敵対的な性質を持ち、ほぼ同傾向のキャラが集う互助グループ(たまり場、あるいは、妖怪ネットワークとも)に属すことが、スタンダードな遊びかたの前提になる。
妖怪実在を人間社会に秘匿したまま、人間に敵対的な妖怪の活動などに対処していくことが、スタンダードなセッションの目的と想定される。
(後継タイトル「百鬼夜翔」の方では、妖怪実在の秘密が、一部の人間集団に漏れた状況を前提に遊ぶ設定にシフトした)
キャラクター・メイク関連
- キャラクター・メイク
- ベーシックなキャラクター・シートに、追加キャラクター・シートを組み合わせたものを使うタイプ。
- キャラ・メイクでは、妖怪基本セット(CP小計100CP)を取得することで、妖怪特有の妖力?や妖術?の取得が可能となる。
- (妖怪基本セットを構成する諸元に、限定などを加えて、小計を調整することも不可能ではないが、PCにこの扱いをする場合は、事前にGMとの相談し、了承を得ることをお勧めする)
- “GURPS SUPERS”をベースにしたキャラ・メイクで、多彩な超常存在をコンストラクトできるところが、ウリの1つ。
- CPレギュレーション
- 『ガープス・妖魔夜行』にて提唱されているCPのレギュレーションは、350CPと600CPとの2種類。(同書、p.49)
- ただし、GMとプレイヤーとが相談し、前記のレギュレーションを基本としながら、プレイヤー間でCPを融通しあう運用も許容されている。(前掲書、p.57)
総合
3D6ベースの判定にて表現されるリアリスティックな架空世界の内で、スーパーな特殊能力を使えるキャラを扱えるところも魅力の1つ。
考察
「妖怪アクションTRPG」である妖魔夜行は、“超人戦闘もの”の1種とみなせる。
ガープスを使用しつつ、ベーシックな運用とは異なるCPレギュレーションを使うので、多彩な超人的キャラを緻密に表現できる。
プレイヤーは超人戦闘のカタルシスも得易い。例えば、取得可能な追加HP?は“SUPERS”の1/10のCPコストになっている(“SUPERS”では追加HP1点が5CP、妖魔では0.5CP)。この辺が、結果として妖魔夜行のパワーゲーム化を助長した。
一方で、妖怪誕生時のきっかけである「想い」の設定と、「義務感」や「恐怖症」の類を関連付けて、プレイにジレンマを導入する遊び方も比較的た易い。(元々、妖怪は人間とは違うので、義務感の類の強度が強くても仕方ないのだ)
総じて、グループSNEによる日本語版ガープス展開の初期では、妖魔夜行とルナル・サーガとの2本立て展開が効果的に機能したと言える。
商品情報
ルールブック(『ガープス・妖魔夜行』)
『妖怪アクションTRPG ガープス・妖魔夜行』(角川スニーカー文庫),安田 均?(監修)、山本 弘?、友野 詳?と、グループSNE(著).
- 『ガープス・妖魔夜行』の正誤表は、サプリメント『ガープス・妖魔夜行 妖怪伝奇』に、付録として採録されている。
サプリメント
『ガープス・妖魔夜行 妖怪伝奇』(角川スニーカー文庫),安田 均?(監修)、山本 弘?、友野 詳?と、グループSNE(著).
- 追加ルール、追加データを主にした資料集。他に、シナリオ・メイクのノウハウ記事、シナリオ1本なども採録。
- ガープス・妖魔夜行 妖怪伝奇 (角川文庫―スニーカー・G文庫)(山本 弘/友野 詳/グループSNE)
『ガープス・妖魔夜行・アドベンチャー 妖魔荘の怪事件』(角川スニーカー文庫),安田 均?(監修)、友野 詳?、山本 弘?と、グループSNE(著).
- シナリオ3本を収録したシナリオ集。他に、PC、NPCのデータ、及び、PCのたまり場設定、「妖魔夜行のルール」のサマリー的まとめを収録。
- 妖魔荘の怪事件―ガープス・妖魔夜行・アドベンチャー (角川スニーカー・G文庫)(友野 詳)
『ガープス・妖魔夜行・データ集 闇紀行』(角川スニーカー文庫),安田 均?(監修)、山本 弘?、友野 詳?と、グループSNE(著).
- 各地の妖怪キャラのたまり場について、設定と主要所属妖怪のデータをまとめたデータ集。敵性の妖怪ネットワークについての設定類も採録。
- 他に、シナリオ1本(山本弘)を所収。
- 闇紀行―ガープス・妖魔夜行・データ集 (角川スニーカー・G文庫)(山本 弘/友野 詳/グループSNE)
リプレイ
『ガープス・妖魔夜行リプレイ 妖怪秘聞』(角川スニーカー文庫),安田 均?(監修)、友野 詳?と、グループSNE(著).
- 東京、渋谷に所在と設定されている妖怪キャラのたまり場、うさぎの穴?に関係するキャラをPCとしたセッションのリプレイ集。リプレイ3本を採録。
- 妖怪秘聞―ガープス・妖魔夜行リプレイ (スニーカー・G文庫)(友野 詳/グループSNE)
『ガープス・妖魔夜行リプレイ 東京クライシス』(角川スニーカー文庫),安田 均?(監修)、山本 弘?と、グループSNE(著).
- 東京、秋葉原に所在と設定されている妖怪キャラのたまり場、海賊の名誉亭?に属すキャラをPCとしたキャンペーン・プレイのリプレイ集。リプレイ4本を採録。
- 東京クライシス―ガープス・妖魔夜行リプレイ (角川スニーカー・G文庫)(山本 弘/グループSNE)
『ガープス・妖魔夜行リプレイ 戦慄のチェスゲーム』(角川スニーカー文庫),安田 均?(監修)、友野 詳?と、グループSNE(著).
- 東京、秋葉原に所在と設定されている妖怪?キャラのたまり場、海賊の名誉亭?所属のキャラをPCとしたセッションのリプレイ集。 『ガープス・妖魔夜行リプレイ 東京クライシス』にて、数回の冒険をこなしてきたPCたちによる、さらなる冒険のリプレイ4本を採録。
- 戦慄のチェスゲーム―ガープス・妖魔夜行リプレイ (角川文庫―角川スニーカー・G文庫)(友野 詳/グループSNE/安田 均)
小説版(シェアード・ワールド・ノベルズ)シリーズ
ガープス・妖魔夜行のワールド設定を転用した世界設定を、複数の作家が共用することで執筆された小説(シェアード・ワールド・ノベルズ )のシリーズ。
詳細は、「シェアード・ワールド・ノベルズ 妖魔夜行」の項を参照のこと。
資料リンク
- 妖魔夜行/百鬼夜翔研究室 掲示板
- ガープス妖魔夜行/百鬼夜翔雑談所 掲示板
キーワード:
参照:[妖魔荘の怪事件] [世界設定] [ガープス・妖魔夜行] [ToDo] [妖魔夜行・百鬼夜翔] [東京クライシス] [不利な特徴の制限] [百鬼夜翔] [妖怪秘聞] [戦慄のチェスゲーム] [ガープス・百鬼夜翔] [妖怪基本セット] [CP]