月夜埜綺譚開発wiki - DownTown 差分
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!裏通り、とは
地方都市にありがちなちょっと危ないエリア、である。危なさがちょっとである、というのは、この作品で描かれる治安の悪さや暴力組織の暗躍も“郊外的なリアル”に準拠しているためである。隠然たる力と、旧来の権力関係に暗黙として許されている領域を兼ね、おもてだって騒ぐことはなく、けれど商店や土建業をやる限り、その影響下から完全に逃れられるわけではない、そんなふうに。
もっともヒロイックがテーマのゲームなので、強すぎない悪役、という位置づけもなくもない。もっとも暴力組織の脅威がその暴力そのものでないことを知らないほどみなも知らないほど、みなも子どもではないよね?
直接的ライトモチーフは、えーっと書くのをためらわれるが、立川市と町田市、それから岡山の歓楽街である。設定に米軍を絡ませているのは、関東南部の街の、とくに地方の歓楽街で、完全に戦争と無関係な者は何一つないから、という理由。もっともいろいろ使い道のある設定内容かも知れない。
!夜埜姫さまからひとこと
なぜか心を惹きつける裏通り。けれどそこにはまるで何もなかったみたいに失望させられることも多い。赤裸々な欲望は、あなたばかりを利するわけではない。決して。ある種の人はそこに惹かれるみたいだけど。
そしてまたある種の人は、気がつくとそこへ迷い込んでしまう。その場所にすらも“日常”があるという当たり前のことと目を合わせる。日中のどこかわびた街並みは、明かりの中にあるのにそこが“夜の場所”であることを思わせるかもしれない。
でもその場所にある混沌は確かにどこか魅力的で、どこか切なく、ある場合ひどく冷酷だったりする。賢い人は近づかないのかしら、それとも、一度くらいはくぐろうと思うのかしら。
!裏通りのあらまし
JR相良線の月夜埜駅東口方面は、どちらかというと歴史から見れば新しい一帯となります。もともと砂利採掘のために作られた相良線は、戦争時代、物資の輸送線として用いられました。敗戦後、南に隣接する熱田木市(あつたぎし)に米軍基地ができます。基地の物資の輸送線にもなった相良線は、多くの米兵たちも運びました。それに応じるように、流出物資をめぐる闇市と、米軍の財布を狙った歓楽街(赤線地帯)が、夜埜駅東口(現在の月夜埜駅東口)に成立しました。都市部に比べれば小さなものでしたが、その手の資本は街を作り上げ、暴力組織の介入を許し、盛り場を辺り一帯に形成していきます。
しかし、月夜埜市政、およびあけぼのニュータウンの計画開始が、地域の様相を変えていきます。急速に大きくなっていく開発圧力と、それに抵抗する新旧様々の勢力。急速に開発が進むなかで新旧が交わり衝突する様はこの街の原風景ともいえるものですが、このあたりに至っては、それが命のやりとりを生んでしまったりする場合もありました。
1980年代後半。折りもおり、往時は夜埜の赤線と通称されていたこの一帯を締めていた金山組の代替わり騒動がもちあがります。そのシマを狙ったさまざまな勢力のなかで、島重信という土建屋あがりの男が、突如として頭角を現してきました。暴力組織のやり口を嫌い、確実な資金力と強力なシンパを持った彼は、じりじりとこの街にはびこっていた諸勢力を駆逐していきます。それは昔からのこの街にとって快いばかりではなかったのですが、結局、代替わりした金山組を除いて大きな勢力は撤退を余儀なくされました。とはいえ、島は大きな権力を欲するでもなく、今も酒場の親父に甘んずるのを心良しとしているようです。
そんな夜の街である東口街は、刺激を求める若者が集まる場所でもあります。その人間模様は明るいばかりではありませんが、ナンパをする青年などで賑わっている場所でもあります。旧来からの飲み屋もありますが、どちらかというとライブハウスなどがこのあたりの顔になりつつあるかもしれません。
ここは若い人々と、酒精のにおい、それから裏社会の諸々をにおわせる場所です。そこに用事があればくればいいし、そうでなければとくに足を踏み入れる必要はないでしょう。
地方都市にありがちなちょっと危ないエリア、である。危なさがちょっとである、というのは、この作品で描かれる治安の悪さや暴力組織の暗躍も“郊外的なリアル”に準拠しているためである。隠然たる力と、旧来の権力関係に暗黙として許されている領域を兼ね、おもてだって騒ぐことはなく、けれど商店や土建業をやる限り、その影響下から完全に逃れられるわけではない、そんなふうに。
もっともヒロイックがテーマのゲームなので、強すぎない悪役、という位置づけもなくもない。もっとも暴力組織の脅威がその暴力そのものでないことを
直接的ライトモチーフは、えーっと書くのをためらわれるが、立川市と町田市、それから岡山の歓楽街である。設定に米軍を絡ませているのは、関東南部の街の、とくに地方の歓楽街で、完全に戦争と無関係な者は何一つないから、という理由。もっともいろいろ使い道のある設定内容かも知れない。
!夜埜姫さまからひとこと
なぜか心を惹きつける裏通り。けれどそこにはまるで何もなかったみたいに失望させられることも多い。赤裸々な欲望は、あなたばかりを利するわけではない。決して。ある種の人はそこに惹かれるみたいだけど。
そしてまたある種の人は、気がつくとそこへ迷い込んでしまう。その場所にすらも“日常”があるという当たり前のことと目を合わせる。日中のどこかわびた街並みは、明かりの中にあるのにそこが“夜の場所”であることを思わせるかもしれない。
でもその場所にある混沌は確かにどこか魅力的で、どこか切なく、ある場合ひどく冷酷だったりする。賢い人は近づかないのかしら、それとも、一度くらいはくぐろうと思うのかしら。
!裏通りのあらまし
JR相良線の月夜埜駅東口方面は、どちらかというと歴史から見れば新しい一帯となります。もともと砂利採掘のために作られた相良線は、戦争時代、物資の輸送線として用いられました。敗戦後、南に隣接する熱田木市(あつたぎし)に米軍基地ができます。基地の物資の輸送線にもなった相良線は、多くの米兵たちも運びました。それに応じるように、流出物資をめぐる闇市と、米軍の財布を狙った歓楽街(赤線地帯)が、夜埜駅東口(現在の月夜埜駅東口)に成立しました。都市部に比べれば小さなものでしたが、その手の資本は街を作り上げ、暴力組織の介入を許し、盛り場を辺り一帯に形成していきます。
しかし、月夜埜市政、およびあけぼのニュータウンの計画開始が、地域の様相を変えていきます。急速に大きくなっていく開発圧力と、それに抵抗する新旧様々の勢力。急速に開発が進むなかで新旧が交わり衝突する様はこの街の原風景ともいえるものですが、このあたりに至っては、それが命のやりとりを生んでしまったりする場合もありました。
1980年代後半。折りもおり、往時は夜埜の赤線と通称されていたこの一帯を締めていた金山組の代替わり騒動がもちあがります。そのシマを狙ったさまざまな勢力のなかで、島重信という土建屋あがりの男が、突如として頭角を現してきました。暴力組織のやり口を嫌い、確実な資金力と強力なシンパを持った彼は、じりじりとこの街にはびこっていた諸勢力を駆逐していきます。それは昔からのこの街にとって快いばかりではなかったのですが、結局、代替わりした金山組を除いて大きな勢力は撤退を余儀なくされました。とはいえ、島は大きな権力を欲するでもなく、今も酒場の親父に甘んずるのを心良しとしているようです。
そんな夜の街である東口街は、刺激を求める若者が集まる場所でもあります。その人間模様は明るいばかりではありませんが、ナンパをする青年などで賑わっている場所でもあります。旧来からの飲み屋もありますが、どちらかというとライブハウスなどがこのあたりの顔になりつつあるかもしれません。
ここは若い人々と、酒精のにおい、それから裏社会の諸々をにおわせる場所です。そこに用事があればくればいいし、そうでなければとくに足を踏み入れる必要はないでしょう。