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ほねっこ男爵領 - MonoLogue 差分

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!イベント19対応
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空を見上げた
見えるのは、海と一輪の花



未だ、戦火の傷痕が癒えないほねっこ男爵領
本来戦闘用に作られた筈のアイドレスは、今は復興作業に使われていた
ほねっこ男爵領の所有するトモエリバーの内、2機が復興作業に使われ、残りの1機はオーバーホール中である

バトル・メード見習いを自称するうにょは、今は復興作業に従士していた
パイロットスーツではなく、スパッツ姿なのは彼女なりの愛だった

作業をしながら、今しがた聞いた話の事を考える
ジェントルラット藩国取り潰し
されに噂では絶滅部隊が送り出されるらしい
・・・確かに、作戦は失敗しほねっこ男爵領は焦土と化したが、この国でジェントルラットを恨むモノはいない
正直、やり過ぎだと思った


休憩になり、寒いのでコクピットに入ったまま配給されたホットケーキを食べる
無意識に見上げるのはメッケ岳
そこにあるリンクゲートの、その先にあった海を思い浮かべる
似ても似つかないが、あの、荒々しい火星の海が思い出された
復興途中にあるほねっこ男爵領を見る
あの、緑に包まれた戦地を思い出した
自分が、なぜここにいるのかを考え直した。

休憩の終わりを告げるアラームが鳴る
急いで、海水のような味になったホットケーキと、お気に入りの青い炭酸水を一気に平らげる
誰にも顔を見られないように急いでハッチを閉め、作業を開始する
作業の合間に、火薬をメッケ岳に運ぶ

今日の夜は、メッケ岳付近の作業だった・・・


迷ったまま作業を終え、シャワーを浴び仮眠を取る
時間になり、またパイロットスーツ代わりのスパッツ姿になる
部屋を出ようとして、ふと思い直しクローゼットを開ける
これから始まったのよね、と微笑む
スパッツの上から、焼けずに残った古いメード服を着込み、竹箒を手に部屋を出て行く

格納庫で待機してあるトモエリバーの前に、じょり丸様がちょこんと座っていた
「・・・えっと・・・ユノ・ハイウェル、リンクゲート監視の夜間作業の交代に行ってまいります」
スカートを摘み、出撃の挨拶を・・・その途端、じょり丸様がお尻に噛み付いてきた
・・・涙目になる
・・・・・・まだだ、まだ抑えろ

口を離した、じょり丸様と目が合った
優しく、微笑んでくれた
逃げるようにコクピットに入り込み、メッケ岳に向かう

夜のメッケ岳
ほねっこ男爵領だけでなく、復興支援に来てくれた他の藩国の人たちもいる
廃材を捨てる為に、外れの方へ行く
モニターが滲むが、気にせずにアイドレスを動かす

・・・ここでいい
スイッチを手にし、一度目を閉じる






その夜、メッケ岳にて雪崩が発生、復興作業中の作業員が数名行方不明になった作業員から行方不明者が出た
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!独り言
""「極秘指令」
""
""火足水極がその話をどこから聞いたかは定かではない。
""「吟遊詩人というのは、風聞をよく耳にするものだ」
""そんな風に嘯くが、何のことはない。並みの〈情報収集〉能力を持つ藩王ならば、それく
""らいの話の見当はつくものである。
""
""いずれにしろ、火足水極はあんまりだと思った。
""そして、この話を聞いた連中はやはり、同じことを考えるだろうとも思った。
""
""ほねっこ男爵領は、わんわん帝國でも一、二を争う小国であり、さらには家臣団の幹部連
""中のほとんどが流浪の連中である。
""そのくせ、一身を賭してこの地域を愛すようなところがある。なんとなくほうって置けな
""かったりする。
""こいつらは、帝國臣民というよりは、侠客の風があるのだ。
""
""いずれにしろ、話を聞いた。
""ので、しばらく考えた後、藩民への回線を開いた。
""
""「俺の記憶に間違いがなかったら、この間うちのアイドレスは結構酷く壊されたよな」
""「はぁ」
""「壊れてたよ」
""「はあ」
""「そういうことにしてくれないか」
""
"" 話を聞かされたハンガーの連中こそいい迷惑である。潮風にさらされたとはいえ、男爵
""領のトモエリバーは真っ向稼動できる。プライドをたいそう傷つけられたパイロット+整
""備員たちは大挙して藩王の尻にスパナを叩き込んでやろうといきまいたが、ひとまず南天
""がそれを押えた。
"" が、考え直した。
""
"" ここで、因果を含めればハンガー・クルーに迷惑がかかる。猿芝居の真意くらいは南天
""にも読める。それよりは、ハンガー・クルーが藩王を血祭りに挙げている間に出撃の準備
""をしてしまえばいい。
"" そう考えた。で、実行した。
""
"" 以後しばらく、火足水極は執務室で椅子に座ることなく仕事をする羽目になったがそれ
""はまた別の物語である。