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メディア,コルキスの王女〜

コルキスの王女メディア コルキスのおうじょ メディア

英語名
Medea,Princess of Kolchis(ミィディェア,プリンセス・オブ・コルキス)

PCが予め知ってていい情報

  • 「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。

 「コルキスの王女メディア(ミィディェア,プリンセス・オブ・コルキス)」は、ギリシア神話でアルゴ探検隊?が目的地としたコルキス王国?の王女とされたキャラクター。

 アルゴ探検隊のイアーソン?と恋に落ち、彼が黄金羊の羊毛?を手に入れるよう手助け。イアーソンと共に、故国を脱した。呪術的な魔術に通じた女性で、「魔女メディア」と呼ばれることも少なくない。

参照イメージ

  • 我が子を殺さんとするメディア
    (「我が子を殺さんとするメディア」ドラクロア、ルーブル博物館、パリ収蔵,Wikimedia Commons

追加情報

  • 「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。
小辞典版推奨判定
「表現+知性 目標値10〜12」「歴史+知性 目標値12〜14」
やや詳しい情報 メディアに関する物語では、B.C.431年にアテネ?で初演されたエウリピデス?作の『メディア?』が有名。しかし、ヘシオドス?もメディアに関する物語を伝えている他、異伝も伝えられている。
 いずれの物語も、イアルコスの王族であるイアーソン?を助け、黄金羊の羊毛を携えたメディアが、アルゴー探検隊と共にコルキス王国からギリシアにやって来たと伝える。メディアは、常に呪術の類に長けた「魔女」として語られ、多くの物語で悲劇的な運命をたどる。
小辞典版推奨判定
「表現+知性 目標値10〜12」
やや詳しい情報 アルゴ探検隊がコルキス王国?を訪れた時、王国の秘宝である黄金羊の羊毛を守ろうとしたアイエーテス王は、イアーソンに死が確実と思える試練を課し、クリアすれば秘宝をゆだねる約束をする。イアーソンに恋をしたメディアは、妻に娶られる、との約束を得ると、イアーソンに知恵と魔法のアイテムとを授ける。秘宝を得たイアーソンは、メディアを伴いアルゴ探検隊と共に、夜闇にまぎれてコルキスを脱出。これを知った王は追撃の船を出すが、メディアは共にアルゴ号に乗っていた弟を殺すと、八つ裂きにした遺体を海に撒いた。アイエーテス王が王子の遺体回収に手間取っている間に、アルゴー号は脱出することができた。
 このエピソードに語られるように、メディアは自分の愛を成就するためには手段を選ばず、呪術も策謀も駆使する激しい女性として語られる。
 例えば、メディアが、イアーソンとその父アイソーン?からコルキスの王位を奪っていたぺリアスに加えた復讐はこうだ。メディアは年老いたアイソーン(あるいは老いた羊とも)を細切れにした後、秘薬を煎じた大釜で煮込み若返らせた。これを見たぺリアスの娘たちは、父を細切れにして大釜で煮ながらメディアに秘薬を投じるよう命じた。しかし、メディアは偽の薬を用いたので、娘たちは父親殺しの大罪に陥った。
 多くの物語は、この後メディアとイアーソンは、ペリアスの息子アカストスによってイアルコスを追放された、と語る。しかし、ヘシオドスによれば、2人はイアルコスに定住して子を成した、と伝えられる。また、アカストスがペリオスの反対を押し切ってアルゴ探検隊に加わったとする異伝では、メディアとイアーソンは、ペリオスに対する復讐を成した後、イアルコスをアカストスに委ねると、自ら去ったと伝える。
 ともあれ、メディアとイアーソンはコリントス?に渡り、2人の子、メルメロスとペレースとを成した。コリントス王の娘が、メディアからイアーソンを奪い夫にすることになり、メディアは毒薬を塗った衣装を婚礼に送る。婚礼の日、王女がこれを着ると衣装から炎が噴出し、コリントス王の館は炎上。メディアは2人の子供を殺害したとも、子供は怒り狂ったコリントスの群衆に殺されたとも言う。エンペトクレスの『メディア』では、子供を殺害したメディアが竜の引く戦車に乗り、いずこかに去るところで終わる。
 多くのギリシア神話同様、メディアの物語も、上の粗筋では要約しきれない神々の策謀が、背後でキャラクターたちの運命を織り成していったかに、暗示される。しかし、エウリピデス作の『メディア』は、神話上の古代ギリシアの王国と、コルキス王国の異文化摩擦に、イアーソンの心変わりと不実を絡め、メディアのおこないにそれなりの動機を読み込んだ物語との一面も持つ。

  • 「難易度が、ある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。
小辞典版推奨判定
「表現+知性 目標値12〜14」
さらに詳しい情報 メディアは、コルキス王アイエーテス?と、その2番目の妻イデュイアの娘とされるので、父方で太陽神ヘリオンの孫、大洋神オケアノスのひ孫になる。母方では、オケアノスの孫娘で、キルケー?の姪にあたる。
 異伝には、メディアをヘカテ?の娘で、キルケーの姉妹とする物語もあるが、こちらは、より後代の物語らしい。
 多くの伝説では、翼を持つ戦車でコリントスからアテネに逃れたメディアは、アテネ王アイゲウスと婚姻し、新たに息子メードスを成した、とされる。メディアは、アイゲウスの王権を脅かす運命のテセウス?を殺害しようと策謀するが果たせず、アテネを追われると、メードスを伴ってコルキスに帰国。コルキス王国ではメディアの叔父ペルセスが王位を奪っていた。そこでメディアは、父アイエーテスの王権を回復させる。
 その後、不死となったメディアは、エリュシオン?に渡ったとも言われる。また、息子メードスはメディア人?の祖となった、とヘレネス?は伝えた。
 異伝によれば、メディアは、イアーソンとの間に、2人の息子の他に1女も成したとも言う。ディオドロスは、メディアとイアーソンの子は、テッサロス、アルキメネス、ディサンドロスの3人だった、と伝えている。

GM向け追加情報

アイデア・フック(?)

小辞典版推奨判定
「魔術+直観 目標値14以上」
インスピレーション  神話、伝説で語られる「魔女」メディアは、秘薬を使った策謀など、呪術の類に長じたキャラクターと思われる。しかし、これはあくまで古代のヘレネスが理解したメディアのイメージにすぎない。キルケーやヘカテとの関連などから、メディア(あるいは彼女のモデルとなった人物)が、古い秘密知識の一端を知っていた可能性は少なくない。
 ヘレネスたちがメディアの故郷としたコルキス王国も、歴史上実在した古代コルヒダ王国を物語的に伝えた物と考えられる。古代コルヒダ王国は、ウラルトゥから「強大な呪術に守護された国」と恐れられた国だ。
 「メディアの息子メードスがメディア人?の祖」と言うヘレネスの伝説は、こじつけとしか思えないが。あるいは、直接の関係ではなく、秘密知識の伝承に何かの関係があったのかもしれない。

別称類

 古典ギリシア語?による古代風の名は「メーディア」。

活用や検討

活用

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検討

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更新日時:2007/03/19 18:21:35
キーワード:
参照:[神話、伝説のキャラクター] [アイデア・フック]
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