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公式歴史

公式歴史 こうしきれきし

 ルールブックに見られる「公式歴史」の用法は、なかなか含意がある。

 本来の意味とは微妙に違うが、効果的に使われているのだ。

 主に限定情報のワールド関係の記事で多用されているので、読者は前後の文脈から、自分なりの解釈を読み取っていくといい。

 強いて、この場での仮の説明をしておくなら「教科書的歴史」というニュアンスや「ある社会で共有された支配的な歴史イメージ」と言ったニュアンスで使われている例が多いようだ。

 本来の公式歴史は、「国家が公的に正しいと認めた歴史理解」を意味する。

 現在では、共産国家などでなければ成立しないはずのものが公式歴史だ。

 あるいは、近代以前では、王朝や、祭政一致国家(宗教国家)が編纂した歴史記録を「公式歴史」と呼ぶ。

 現在の、日本の教科書検定というのは、「正しくない(あるいは好ましくない)歴史記述」を検定するものなので、教科書の内容を公式歴史と呼ぶのは、本来なら意味のショート・カット。

 また、ある政府が、限定された過去の出来事についての認識などを表明するのは、政府見解と呼ぶべきもので、公式歴史というのは、かなり大げさな言いたてになる。

 要するに、学問の自由、思想の自由、表現の自由が認められた社会では、本来の意味での公式歴史はあり得ないのが建前だ。

 従って、学問、思想、表現の自由を前提にした、「学会の通説」というのも本当なら「公式歴史」とは性質が違うはずのものだ。

 ところが、まるで公式歴史のような歴史理解が強い影響力を持つことは、現在でも、諸国で見られる。

 ルールブックでの公式歴史の用法は、その辺をうまく突いている例が多い。

活用や検討

活用

検討

  • 検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで)

更新日時:2005/11/30 19:06:26
キーワード:
参照:[小辞典ワールド編] [スヴァネティ] [BRICs] [オスロエネ王国]
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