中央公論新社版世界の歴史4『オリエント世界の発展』
世界の歴史4『オリエント世界の発展』
どんな本か
中央公論新社から刊行されてる、世界の歴史シリーズ(全30巻)の第4巻。
ハードカバーで、全ページ、フルカラー。昔風の言い方で言うなら、いわゆるヘレニズム時代の古代地中海周辺を扱っている。ただし、ペルシア史、エジプト史などにも目配りをしてヘレニズム中心史観を脱する試みは模索されているようだ。
書誌情報
樺山 紘一、礪波 護、他 共編,小川 英雄、山本 由美子 共著,世界の歴史4『オリエント世界の発展』,中央公論社,Tokyo,1997.
ISBN 4-12-403404-0
- 四六判、ハードカバー、本文382頁、本体2524円+税
感想コメント
「ブルーローズ」にどう役立つか
- やや高めの本ではあります。歴史書単行本の内では、そうバカ高いわけでもありませんが。
- 「ブルーローズ」の資料本、参考書としては、遺跡図、歴史地図の類が多めである点が助かる。
「ブルーローズ」以外にも購入動機のある方、TRPGで使うだけでなく、元から歴史書が好きだ、と言う方は、GMをする人、プレイヤー専門の人の区別無く、購入を検討してみるといい1冊でしょう。 - 遺跡図や歴史地図は、それぞれ、決して大きなサイズではない。
しかしフルカラーで印刷されていて、表現力はかなりある。遺跡図は遺跡地帯の起伏などもイメージできるし、歴史地図もフルカラーの特色を活かした工夫が見られる。 - 考古遺物の写真、遺跡地域の現在の風景写真などもフルカラー。
- GMをする人では、ことに歴史ミステリーに絡めたオリジナル・シナリオを作る人にお勧め。
「ブルーローズ」を離れたらどんな本か
- 一般向け古代オリエント史概説書としては、良書だと思える。
- ただし、若干保守的な記述が散見されるかもしれない。
例えば、フルリ語印欧語系統説が断定的に記されている。
著者が、フルリ語印欧語系統説の立場を採るのは構わないだろうが、印欧語説への疑問や、カフカス諸語説などへの言及が見当たらす断定されているのは、いかがなものか。
一般向け歴史書では、ママ見られることだが、ハショリの目立つ記述とも言えるだろう。
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参照:[中央公論新社版世界の歴史5『ギリシャとローマ』] [書籍紹介]