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ウィニペソーキ湖のミステリー・ストーン

ウィニペソーキ湖のミステリー・ストーン 
ウィニペソーキこの ミステリー・ストーン
(Mystery Stone FromLake? Winnipesaukee) 
簡易版

簡易版です。気づいたとこの増補、改訂、優先に大歓迎。

PCが予め知ってていい情報

  • 「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。

 「ウィニペソーキ湖のミステリー・ストーン」は、19世紀の後半に、ウィニペソーキ湖U.S.A.(合衆国)、ニューハンプシャー州?)近傍から出土した、と伝えられる工芸品

 素性、系統、用途、作製年代などは定かに解明されていない

 2006年現在、ニュー・ハンプシャー歴史協会の博物館にて収蔵展示されている。

【参照情報】

やや詳しい情報

  • 「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。

 ウィニペソーキ湖のミステリー・ストーンは、高さ10cm強、幅6cm強の卵型の遺物で、黒に近い暗色の珪岩、あるいは類似の変成岩類に加工が成された工芸品。

 長径を垂直方向に立てて見た場合、片面に人物の顔面が浮き彫りされ、頂部には、円と三角形を組み合わせた抽象的な図形が刻まれている。顔面浮き彫りを正面とした場合、左右から後背にかけては、デザイン化されたテントや矢と、幾何学的な文様とが刻まれている。

 頂部から底部にかけては、概ね遺物の軸線に沿って、細い穴が穿たれている。

 ミステリー・ストーンは、1994年に州に勤務する考古学者による、精密鑑定がおこなわれた。

 鑑定結果は、「出土状況(の記録)があまりに曖昧としているため、文化系統、素性などは判定不能」としつつも、「遺物の上下に、金属製の器具で固定された時につくような引っかき傷が散見されること」、「石材の上下に穿たれた穴は、少なくとも19世紀以降の動力工具にて穿たれた物と思われること」、「素材は、ニュー・ハンプシャーの一縁では入手し難い石であること」などを指摘している。

 これらの鑑定は、「ミステリー・ストーン自体が、19世紀に作成されたフェイクである」ことを示唆するもの、と解されることが多い。

 一方、ニュー・ハンプシャー歴史協会では、1994年の鑑定結果を概ね受け入れ、「出土状況が曖昧としてる」ことも認めつつ、「将来、類似の遺物が発見されれば、不明点も解明される可能性がある」としているようだ。

 一部に、「ウィニペソーキ湖のミステリー・ストーンはオーパーツ」である、とする意見もある。系統不明で類例が知られていない工芸品だから「場違いな出土遺物」であることは確かだろう。オーパーツ説も概ね、遺物の出自や用途に関する憶説が主であるようだ。

 「金属製の器具で固定された時につくような引っかき傷」や「19世紀以降の動力工具にて穿たれたと思われる穴」を根拠に、無文字時代のアメリカ土着文化に高度な金属加工技術があった、証拠、と唱えるようなオーパーツ説は、あまり聞かれない。

さらに詳しい情報

  • 「難易度がある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。

 ミステリー・ストーンは、1872年にウィニペソーキ湖の近傍で簡単な土木作業の途中に発見された、と伝えられている。

 当時の慣例で、労務者を雇っていたケネス・ラッドが発見の栄誉を担った。メレディスの街に住む地方のアマチュア考古学者で、好事家?として考古遺物のコレクションもしていたケネスは、ミステリー・ストーンを自分のコレクションに加えた(1857年当時は、現在のような遺物管理の慣例は未成立だった)。

 伝えられるところによると、ミステリー・ストーンは、ケネスに雇われた労務者が、フェンスを巡らす杭を立てるための穴を掘っていたところ、粘土の塊にくるまれた状態で発見された、とのこと。

 一般に知られているところでは、以上が、現在伝えられている出土状況の総てらしい。出土の深度も、周辺土壌の状況も、あるいは周囲に何か微細な遺物が埋蔵されていたか否かも、まったくわからない。

 しかも、ミステリー・ストーンは、刻まれた図像類の組み合わせに、類例が知られていない。これでは、遺物の系統や素性が分からないほうが当然で、「判断不能」とするのが現状で最も妥当な判断と言える。

 ケネス・ラッドが1892に死亡した後、彼のコレクションは娘の1人が相続。ミステリー・ストーンは1927年にニュー・ハンプシャー歴史協会に寄贈された。


 ミステリー・ストーンは、発見後1994年の精密鑑定を受けるまでの間に、その素性や用途についての説が様々に唱えられてきた。

 例えば、「アメリカン・ナチュラリスト」誌1872年11月号では、「2つの部族がなんらかの協約を交わした記録」として作成されたのではないか、との議論が掲載された。これなどは、「遺物の図像の組み合わせが類例を見ないこと」を踏まえた、まだまともな推測と言える。

 他に、ケルト人による遺物、イヌイットの遺物、など様々な説が唱えられてきたが、ほとんどは、根拠不明か、遺物のある一面だけを恣意的に根拠にし、他の面を無視するような乱暴な議論だったようだ。

 1931年には、「遺物は、ネイティヴ・アメリカンの伝承に言うサンダー・ストーンではないか」と示唆する手紙が、ある作家からニュー・ハンプシャー歴史協会に寄せられた、とのことだが、多くの伝承でサンダー・ストーンが「斧のような楔形の形状」とされていること、少なくない伝承で「天から雷と共にもたらされる」とされていることと、ミステリー・ストーンとの齟齬がどう説明されたのかは、つまびらかには伝えられていない。伝えられているところでは、作家は「サンダー・ストーンは地中から粘土の塊か、岩、あるいは珊瑚に包まれた状態でもたらされる」と記し、ミステリー・ストーンがサンダー・ストーンであることの論拠としていたようだ。

GM向け参考情報

  • GM向けの捕捉情報、マスタリング・チップス、アイディア・フックなど

 解説記事にあるように、ウィニペソーキ湖のミステリー・ストーンは、「断定は難しいが、19世紀に作られたフェイクの考古遺物である疑いが濃厚な工芸品」というのが、常識的な判断になるでしょう。

 U.S.A.(合衆国)では、植民地時代から、考古遺物のフェイクが多く、かつては好事家(ディレッタント?)に高額で売りつける模造品を作る専門業者もいたらしいです。「歴史が無い国」と言われるU.S.A.らしい話かもしれませんが、20世紀に文化人類学(民族学のアメリカ的呼び方)が大きく改革されると、さすがに模造品売買などは、少なくともおおっぴらにはなさえなくなったようです。

 もちろん、「ブルーローズ」のシナリオでは、世間の常識的判断とは別に、突拍子も無い“真相”をフィクション設定することは、シナリオ作者の自由です。

アイディア・フック

 例えば、「ミステリー・ストーンは、サンダー・ストーン?自体では無いけど、サンダー・ストーンと深い因縁を持つオーパーツだった」とかはどうでしょう(?)。

 ミステリー・ストーンに超自然的なエネルギーをチャージして、しかるべきポイントで何かをすれば、アストラル・システムとアクセスして「真のサンダー・ストーン」を招き寄せることができるのです。しかし、そこには大変な災害を招くリスクも潜んでいる……とか。

 近傍に遺跡の類もない(と、設定しておきます)妙なスポットに、孤立してミステリー・ストーンが埋蔵されていたのは、実は、かつてネイティヴ・アメリカンのシャーマンたちが、アイテムに溜まっていた超自然的なエネルギーを少しずつ大地に還元し、無害化するため、だったかもしれません。

(粘土の塊にくるまれていたのも、無害化のための手法だったのです)

 あるいは、まったく逆に、ネイティヴ・アメリカンの秘密の聖地だったウィニペソーキ湖に流れ込む霊力を集め、白人たちに神罰を与えるため19世紀頃新たに作られ、儀式的に埋蔵されたいたのかもしれません。

(ミステリー・ストーンのシンボルの組み合わせが類例の無いものだったのは、19世紀に新たにアレンジ開発された呪法が用いられていたためだったのです)

 もし、掘り出されなければ、大きな災厄を招いたかもしれないアイテムですが、19世紀のシャドウ・ウォーズの結果、1時無害化され一般人の手に転がり込むはめになったのです。

諸元

サイズ
 高さ10cm強、幅6cm強
 Enc1
形状
 卵状の形状。
 頂部から底部に概ね軸船沿いに細い穴が穿たれている。
組成
 黒に近い暗色の珪岩、あるいは類似の変成岩類。
装飾
 最も目立つ装飾として、楕円状の輪郭線に縁取られたヒトの顔面の浮き彫りがある。
 顔面浮き彫りを正面とした場合、側面から後背にかけ、複数のデザイン化された具象物、及び、抽象図形が複数刻まれている。例えば、テントらしき図像、複数の矢を組み合わせた図像、シカの脚かもしれない図像、三日月形、螺旋模様、などなど。

活用や検討

活用

  • このページの記事を踏まえた、アイディア・フック?、使ってみたシナリオ、セッション・レポ、などなど
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更新日時:2006/08/18 10:36:58
キーワード:
参照:[ウィニペソーキ湖] [アイデア・フック]
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