アドニス
追加情報
- 小事典版推奨判定
- 「表現+知性 目標値10〜12」「魔術+知性 目標値12〜14」
- やや詳しい情報 ギリシア神話のアドニスは、キュプロス王キニュラス?、またはシリア王テイアス?の不倫の子とされている。王が、ミュラー?、あるいはスミュルナー?と呼ばれる王女との近親相姦でなした子がアドニス、との伝説だ。
- アフロディティ女神は、生まれたばかりの赤子の美しさに魅せられてアドニスをかくまうと、その養育をペルセポネ女神?に依頼した。ところがペルセポネ女神もアドニスの美しさに魅せられ、彼をアフロディティ女神に返すことを拒んだ。
- 女神たちの間のいさかいを仲裁したゼウス神?は、アドニスが1年の内1/3ずつをアフロディティ女神とペルセポネ女神の下で過ごし、残りの1/3は自分の好きな場所で過ごすように命じた。異伝によればこの裁定を下したのは、ゼウス神の命を受けたカリオペ女神?だとも言う。
- 後、美少年として成長したアドニスはアルテミス女神?の怒りに触れることがあり、狩猟の最中、猪に突かれて死んだとされる。異伝によれば、アドニスが猪に突かれた原因は、アルテミス女神ではなくアレス神?の怒りに触れたからだ、とも、あるいはヘパイトス神?の神罰によるとも、アポロン神?の神罰によるとも言う。
- ギリシア神話のいずれのエピソードでも、死に瀕したアドニスの血からアネモネの花が生じ、彼の死を悲しむアフロディティ女神の涙からは薔薇が生じた、と語られる。
- 小事典版推奨判定
- 「魔術+知性 目標値12〜14」「表現+知性 目標値14以上」「歴史+知性 目標値14以上」
- 詳しい情報 アドニスの語幹「アドーン」は、セム系言語で「主 (Load)」にあたる言葉。後代のシリア語聖書で、キリスト教の創造神を指す「アドナイ(主)」の語源でもある。
- 古代のキュプロス島、及びシリア・パレスティナ地域?のビュブロス?には、本来のアドニス神の崇拝中心地があったことが知られる。これらの崇拝地でアドニス神が造物神とされていたわけではないが、「主」と呼ばれるほど高い神格として崇められていた。
- 本来のアドニス神は、農耕、及び穀物と関係する神格で、冬に死に、春に赤子として蘇るとされた。キュプロス島やビュブロスでは、メソポタミア地域の「タンムズ神話」と同タイプの神話に基づくアドニア祭儀がおこなわれていたことが知られている。
- タンムズ神話のイシュタル女神にあたる役どころを、本来のアフロディティ女神が果たしていたのだろう。ギリシア神話のアフロディティ女神では性格が薄くなっているが、「豊穣をつかさどる」とされた一面である。
- アフロディティ女神の古代における崇拝中心地は、キュプロス島に古くから大きなものがあったことが知られる。ギリシア神話に伝えられるアドニス伝説の原型は、あるいはキュプロス島でのアドニア祭儀だったのかもしれない。
- 小事典版推奨判定
- 「魔術+知性 目標値12〜14」「表現+知性 目標値14以上」
- 詳しい情報 古代のキュプロス島、及びビュブロスで執り行われたアドニア祭儀は、毎年春に営まれた。女たちは、祭儀用の特別な壷に植えた植物に湯を注いで芽吹きを早めて祭儀に用いていた、と伝えられる。この壷は「アドニスの園」と呼ばれた。
- 他の季節にアドニスの死を嘆き悲しむ祭儀もあったようだが、こちらの詳細は定かではない?。
関連項目
- アフロディティ女神?
キーワード:
参照:[神話、伝説のキャラクター] [タンムズ神話]