フール人

　フール人は、現スーダン共和国領北西部にあたるダルフール地方居住者の内の主要な民族。フル人とも。

　フール人の地域社会は、17世紀頃、イスラム教を受容。その後、マラ高原を中心にダルフール地方で、イスラム王朝（サルタネット）を成していた。

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「情報＋知性　目標値10〜12」「陰謀＋知性　目標値12〜14]]

やや詳しい情報　2006年現在、ダルフール地方を拠点に活動しているスーダンの反政府組織、ＳＬＭ（スーダン解放運動）及びその武装組織ＳＬＡ（スーダン解放軍）には、フール人、とマサリートとが多い。

　もちろん、あらゆるフール人やマサリートが反政府組織や武装組織に加わっているわけではないが、スーダン当局などにはダルフール紛争に際しての非アラブ人村落への武力行使を、「反政府組織に対する治安活動」として正当化しようとする事例が目立つ。

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「歴史＋知性　目標値10〜12」「情報＋知性　目標値12〜14」

やや詳しい情報　17世紀に形成されたフール人のイスラム王朝は、マサリート、ザガワなどの非アラブ系の諸民族と、バッガーラと呼ばれる13世紀以降にこの地域に移住してきたアラブ人遊牧民とを支配下に置いていた。フール人王朝の民族支配は緊張をはらんだもので、ことにバッガラーは、しばば王朝に反乱を起こした。この武力衝突は、フール人やマサリートなどの定住農耕社会と、ザガワやバッカラーらの牧畜民社会との間の、土地や水などの資源を巡る争いが関わるもので、複雑化しがちだった。

　また、フール人王朝は、奴隷交易から大きな収益を上げ、ギニア湾?岸やエジプトなどへ供給する奴隷を獲得するため、アラブ人の奴隷商と競合。この事情も地域の民族関係を複雑化した。

　その後、フール人王朝は、ムハンマド・アリー朝?のエジプトに従属した後、ナイル川流域に興されたマフディー国家?に征服され、さらにマフディー国家を征討したアングロ=エジプト政府?に制圧された。

　アングロ=エジプト政府は、フール人王朝のスルタンの末裔に年金を至急し、ダルフール地方もナイル川流域のスーダンと共に一括統治。こうして、スーダンがアングロ=エジプト政府から独立する際、ダルフール地方もなし崩し的にその領土とされた。

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「言語＋知性　目標値10〜12」「交流＋知性　目標値12〜14」

やや詳しい情報　フール人が母語使用している言語は、ナイル・サハラ語族の内、フル・グループと分類されるグループに属す。

　伝統的な家族形態は、母方居住の大家族。生業形態は、モロコシ、トウジンビエを中心としたスーダン型雑穀農耕を主とし、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ロバなどの牧畜を複合させたもの。

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「歴史＋知性　目標値12〜14」「情報＋知性　目標値14以上」

詳しい情報　フール人がダルフール地方にイスラム王朝を成した後もかなりの間、地域の遊牧民や半遊牧民は、社会階層が未分化な段階の部族生活を営んでいた。

　これに対し、定住農耕民だったフール人の社会は、王朝を営む以前から、貴族／平民／奴隷に身分が分化した社会を営んでいた。と、言っても中央集権化した社会を成していたわけでもない。イスラム王朝時代も、領域は、複数の村落からなる区域に分割され、各地の世襲領主が、租税を中央王朝に貢納していた。

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「魔術＋知性　目標値12〜14」「交流＋知性　目標値14以上」

詳しい情報　フール人のイスラム信仰は、ある種の人間が獣に変身するという信仰、供犠を伴う精霊崇拝など、イスラム以前の民俗信仰を色濃く残している。

　また、伝統的には鍛冶職集団が被差別集団として扱われ、中央王朝や、各地の領主、果ては村落に隷属していたことも特徴的。

　このページの記事内容は、ほとんどがダルフール地方や、ダルフール紛争の状況にかなり突っ込んだシナリオ用になると思います。

　その類のシナリオは、シナリオ･メイクにしても、マスタリング、プレイイングにしても、かなり難易度が高いものになりがちでしょう。

　そうした凝ったシナリオに取り組むとき以外は、「ＰＣが予め知ってていい情報」以外の内容は、フール人のイメージ・ソースとして軽く押さえていく程度でも充分だろうと思われます。

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関連項目

• ダルフール地方

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